↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現界⇔異界  作者: MayaMaya
27/40

陽炎-借り

彩香です

いよいよおでーとです

・・・そんだけだよ?

日曜08:50駅

流石に1時間前行動などはしない、せいぜい30分だ!

先輩はまだ来てない、まだ10分前だし。

姉には遊びに行ってくるとしか言っていない。

今日のわたしは珍しくミニスカなのだ!ひらひらちょっと落ち着かないね。

制服は制服だしねぇ...やっぱり気分が違う。

そうしていると一台の車が目の前に止まる。

パワーウィンドが下がって、

「お待たせしました、どうぞ乗ってください」

「え?先輩車持ってたんですか?」

助手席に座る。

「いいえ、レンタカーですよ」

なるほど、免許は有ったんですね。

「春生まれなんですぐ取りましたよ、田舎って車無いと生活出来ませんしね」

そうですね、って先輩は転移があるんじゃ?

「今は一般人以下ですよ、いや本当やっかいな呪いをかけてくれたものです」

呪い?

「あぁこちらの話で、ラジオでもかけまー...す?」

どしました?先輩。ダイジョブですよ、先輩の声が聴きたいな、なんて。

「はい、ちょっと気のせいだったようです。では行きましょう」


「なるほど、メアリーさんは近くに住むことになったんですね」

「えぇ、でも大人しくしてくれるっぽいんで安心です」

あれ?なんか自分のことばっかり話してるきがするな...このままではいかん!

あまり踏み込まれたくない話題かもしれない、でも知りたい。

意を決して口を開く。

「・・・・・・先輩は何故異世界に行ったんですか?」

少し空気が重くなったような気がした。

「・・・・・・ただの自殺だったんです」

聞くべきでは無かったか、後悔の念が押し寄せる。

「大丈夫です、聞いてもらえますか?彩香さん」

「はい」

「中学2年の時に両親が交通事故で亡くなって、姉と2人だけになりました」

「それでも姉が居たので一緒に頑張ろうと励ましながら生きて行けました」

「中学3年の時に今度は姉が行方不明になりました」

「それから半年経ちましたが見つからなく、どうしたら良いか分からなくなってしまったんです」

「それで、高校の屋上から飛び降りた先が異世界だったという訳です」

聞くべきでは無かった。

「そこまで気にしなくて良いですよ、彩香さんや千早先生のおかげで吹っ切れてきたので」

本当にそうですか?

「本当ですよ、それに前にも言ったじゃないですか。腕の包帯も外せる位にはなったと」

「そうでしたね、触っても良いです?」

「今は運転中なので後でなら良いですよ」

そういえばそうでした。


なんだかアクション映画ばっかりですね。

「あとは邦画でなんでしょう、これ恋愛物?そういえば調べてきませんでしたね」

「先輩この役者知ってます?」

「いいえ全くわかりませんね。実はTVもNHKのニュース位しか見ないんですよ」

「渋いっすね、わたしは多少ならわかりますよ、んじゃこれにしましょう」

と邦画の恋愛ものっぽいのを選んだ。

「ではチケットと定番のポップコーンと飲み物?でしょうか」

「そっすね、先輩甘いの大丈夫です?大丈夫ならキャラメルポップコーンがいいかなあ」

「大丈夫です、では」

と言って先輩が手を差し出す。

え?え?いいの?いいんですか?いっちゃうよ?

手を繋ぐ、うむ夏だから暑いねじゃなくて手を繋いでしまったあああ。

「ってあれ?身長差が結構あるから兄妹に見られてしまうんじゃ....」

「他人の目は気にしたら負けですよ」

恋人つなぎではないけどぜんっぜん満足です!


「結構あいてますね、人気ないのかな?」

「お盆だからでしょうか?あとは朝一というのもあるかもしれませんね」

内容は大病を患った恋人のお話だった、最後は死に別れるという内容の。

止めときゃ良かったよ。

お昼を施設内のレストランで取る、2人でおなじ日替わりランチにした。

「私の知り合いの話なんですが」

待っている間先輩が口を開いた。

「個人で物書きをしている人なんですよ」

「コミケにもフリーペーパーとか出している人で、本職って訳ではないんですが」

「へー、いろんな人が居るんですね」

「自分の作品では人の死で感動させるような物は作りたくない、って言ってたんですよ」

「...それは」

「あぁ、つまり別の方法で感動させたいっていう話なだけですよ。さっきの映画の話じゃないですよ」

むーう...

「そういう知り合いが居たなと、もう名前も顔も思い出せないのですけどね」

言葉だけはずっと残ってます、と窓越しの空を見つめる。

わたしは悲しくなってそんな関係ではないのに口に出してしまう。


「わたしは先輩の記憶にずっと残してもらえますか?」


驚いた表情をしてこちらを見つめる先輩。

目じりを下げ柔和な顔になって、


「もう忘れる事など出来ませんよ」


良かった、わたしが先輩の中に存在できた。

「まさか追いかけて飛び降りる子が居るなんて、驚いて忘れる事など」

そういって笑う先輩。

まぁそうだよね普通無いよね。

「そうそう、傷跡触ります?」

「大丈夫なんですか?」

「えぇ、彩香さんと千早先生のお陰で吹っ切れてきましたよ。この程度なんともなくなりまし...た?」

どうしたんだろう?

「どうしました?そういえば朝も何か気になる事が?」

「何か視線の様なものを感じたというか、いや...私ではなく彩香さん?」

わたし?まぁ鬼塚だしそれなりに注目を集めるのかもしれないけど。

「ランチセット2つお待たせしました」

ありがとうございますと言って店内を見回すがそういったものは感じない。

む、先輩の手を触る機会を逃した。

「まぁ...大丈夫なのかな?ところで午後はどうしましょうね」


近くをウィンドーショッピングしながら2人で回っていく。

そして何故か下着店に来ていた、そういう話題から下着の話になったんだっけ...

恋人同士は一緒に下着を選ぶという伝説を聞いたことが有る。

「普段はどのようなのを付けているんですか?」

え?先輩そんなの聞いちゃうんです?

「・・・・・・選ぶ参考に」

「そうですね、仕事する時はぴったり抑えるような感じで選んでます」

「あぁ、そういえばそうでしたね」

「それ以外の普段使いだと...こんな面白味の無いのですよ」

無地でプリントも何も付いていないものを指さす。

「なるほど...こういうのですか?」

チューブトップの上下をを取って、後ろからわたしの胸元に合わせる。

「えーと先輩、流石にセクハラだと思います」

すると先輩が、

「男性が選ぶ下着は脱がせたい下着と聞いたことがありますね」

「・・・・・・先輩は脱がせたいんですか?」

「脱がせるかはともかく、自分の選んだ物を身につけてくれるというのはうれしいですね」

「それじゃ次に先輩の下着も見に行きましょうか」

「わかりました、ではあれはどうです?」

先輩が指さしたのは黒で大人っぽい下着だった。

「先輩、アレは絶対わたしのサイズ取り置いてないと思うわ」


「それじゃ先輩ありがとうございました」

服と、今回は下着を買ってもらってしまった。

なんで下着なんだよ!

買ってあげた下着つけてる?とか聞かれてしまうんだろうか。

やばい恥ずかしいなんてもんじゃない!

わたしが赤くなっていると、

「また遊びに行きましょう、夏休みはまだ残ってますし」

そうだね、まだ夏休みはあるのだ。

「はい、また一緒にいきましょう」

次の約束も出来たようなものだしよかった。

玄関のドアを開ける。


「彩香ちゃん、ジェラートの借りってすごいのね」

そうなんですよお姉様、すっごいジェラートだったんですよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。