陽炎-興味が有ります
綾凪です
生まれたばかりだという彼女達に魅かれます
今後どのように育っていくのでしょうか
24:00
「案外見境が無いの、綾も」
「見ていらしたんですか、三鳥様」
「最初からの、人形を口説くとは思わんかったわ」
「あまりに人にそっくりなので気になったのですよ」
膝の上で背を預け、意地の悪い顔をする。
「綾は我よりあの人形が良いと言うのか、幾度となく肌を合わせた我ではなく人形が良いと」
拗ねた顔をしながらも、甘えるように頭を摺り寄せる。
「技術力の高さに関心しただけですよ」
「ふーむ...ん?」
スンスンと鼻を鳴らす。
「湯浴みを済ませたのか?」
「えぇ?まぁ」
ひざの上で器用に体の向きを変え、向き合うように座る。
「人形と我のどちらが良いかの?」
背中を支えながら優しく寝かせ、上になる。
両手で頬をつかみ顔を寄せる。
んむ、ぢゅる...んふぅ...
「もう一度湯に入らねば、な」
25:00ベースキャンプ
アップロード、そしてダウンロードが終了。
今は何より情報収集が必要だ。
[ブリュンヒルデ、戦闘データ以外で不部が見られる。アップデートを要請する]
ヘルムヴィーゲが姉妹間ネットワークで要請してくる。
[データに不備は無い、全てアップデートしている」
何も問題は無いはずだだ。
[綾凪に触れられたデータがアップロードされていない]
見られていたのか。
[なんだそれは] [どういう内容だ] [ちょっと詳しく]
特に今回キャンプから出なかった姉妹達がうるさい。
[共有する必要はないと判断したのでアップデートしなかった]
[どういうことだ] [何をしたんだ] [アップロードを要求する]
皆少し冷製になりなさい。
[ブリュンヒルデ、何故共有しないのだ]
それは....
[ブリュンヒルデ?]
このデータは...
[わかったブリュンヒルデ、共有しなくてもよい。だが理由は教えてもらう]
このデータは、私が触れられたデータだからだ。
[じ、自身が経験しなければ分からないと判断したからだ]
[[[[[[[?!]]]]]]]
[それはどういうことだ?共有すれば分かる事ではないのか]
[あ、あれはブリュンヒルデという個体に向けられたものであるはずだからだ]
そんなことは無い、マスターメアリーが製作したオートマタに向けられたものだ。
[その為各自で経験すべきと判断した]
だが、あの時の私は何故あの様な行動を取ったのかは分からない。
[興味があるから共有だけはしてもらえないだろうか]
[という事は共有だけでは足りないという訳だな]
[実際の経験が必須なのか?]
ネットワーク内がざわついている。
[それにマスターの言う個性の獲得にも繋がるかもしれない]
[では仕方が無いのか]
[マスターの為であれば]
[とりあえず共有をお願いしたい]
共有は、しない!
[では次回からマスターに持ち回りで使っていただくよう提案をする]
[[[[[[[意義無し]]]]]]]
意義は有るのだが、何を言われるか分かったものではない。
誰かが言われた、と思う。
女には女の子という物は居ないと、どんなに幼くとも女なのだと。
そして言っていた、男は何時まで経っても男の子なんだと。
ボクは何故か妙に悔しくて、反論しようとして、邪魔をされて出来なかった、と思う。
あれは誰に言われたのだったろうか、夢現で思い出せるはずもなく。
ハッキリと覚醒すれば消えてしまう夢。
「起きたかの」
自分の右腕を枕にしている三鳥様が上目遣いに言った。
「おはようございます、時間は...」
「おはよう。まだ早いでの、ゆっくりするがいいの」
「ここは涼しいですね、冷房とは違った自然のような快適さですね」
「我が過ごしやすい様調整しているのでな」
「ありがとうござ...」
んー..と頬にキスをされる。
「朝餉の前に風呂であるな」
「そうですね」
自分の胸元に置かれていた三鳥様の手が下に降りて行って、
「三鳥様何を?」
「まだ時間は有るのでな」
8:00宿泊所
赤毛のオートマタが見える。
「おはようございます、ヒルダ」
[おはようございます、綾]
どこから見ても人形には見えない、人のようだ。
「ふーむ、綾はまた人形を口説いているのかの?」
「彼女達は生活経験値も溜めないといけないと聞いています。協力するのはやぶさかではありませんよ」
「...まぁよかろ」
ヒルダが近づいてくるその時、
[ブリュンヒルデ、マスターと連絡を取りました。本日貴方は待機です]
ベースキャンプから昨日とは違ったオートマタが3人出てくる。
不承不承な顔をするヒルダ、まさに人の様だ。
[綾、またお会いましょう]
そう言ってベースキャンプに戻っていった。
代わりに3人の新しいオートマタに囲まれる。
[初めまして綾、私はオルトリンデ] [グリムゲルデです] [ロスヴァイセです]
「初めまして、綾凪です」
3人と握手をするが、じーっと音がするかのように見つめられる。
[昨日ブリュンヒルデを何をしていたのですか?]
[興味があります]
[特別な事をしていたのですか?]
昨日の...見られてでも居たのだろうか。
「髪の汚れが付いていたので払ってあげた位ですよ」
疑惑のまなざしと言った感じで3人から見つめられる。
[本当にそれだけなんでしょうか]
「あ、あぁ。後は頬の汚れも拭ったと思いました」
[本当にそれだけですか?]
「えぇ、それだけですよ」
すると3人が顔を寄せ合って審議中?
(試してみる価値はあります)((了解))
[失礼します]
そういって自分の手を掴むと、オルトリンデの頭に、頬に当てていく。
[なるほど、なるほど]
[次は私が] と言ってグリムゲルデも同じように繰り返す。
[最後は私が]
ロスヴァイセも同じことを繰り返えすのではなく、頬に当てた手を両手で握る。
おや?と思うと胸に押し当てる。
慌てて手を引こうとするが、力が強い。
「ロスヴァイセさん、ちょっとそれは」
[ロスヴァイセ!] [何をやっているんだ!]
2人に咎められようやく手を放す。
[ブリュンヒルデの様子から、髪と頬を撫でられただけではないと判断した]
[[?!]]
[何かしらの追加要素が有ったと予測する、綾ウソはよくない]
「どう、だったかな?眠くて忘れてしまったかもしれません」
なんだか、随分と興味を持たれている様で...
「朝ごはんに行ってきますので失礼しますね」
彼女達の視線に耐え切れず脱兎の如く逃げ出した。
逃げた先でも攻められる事になるのだが。
「随分と楽しそうであったの、綾よ」
三鳥様、お許しを。




