序-中
私は鬼塚千早■■歳
え?なんで年齢隠れてるの、まだ●●歳なんだk
ちょっとやめて!!気にするような年齢じゃないから!!
姉の車で公園に向かう。
「巨大な鬼?」
「40m位の鬼で20m位の金棒を持っているらしい」
オイオイオイわたしら死ぬわ。
高校から公園は車で5分、周辺では警察と退魔協会による封鎖と隠蔽が行われていた。
「お疲れ様です、協会の鬼塚です状況は?」
車を降りると今回の協会側のリーダーとなった、えーっと顔は見た事有るなぁ....が説明してくれる。
「戦闘員30人もかけましたんで優勢です、でないと困ります。あと見ると分かるんですが...」
というかよくそんな人数集まったもんだと感心していると、流石40m遠目からでも見えてきた。
「お姉ちゃんあれ和風じゃなくて洋風じゃん、鬼じゃなくてオーガじゃん....」
「敵さんの装備が結構硬くてですね、巨人サイズだとだと結構凄いのですね」
「目よ!目を狙いなさい!!」
お姉ちゃん40m級の目は早々狙えないと思う。
というか早い、巨人という事でもっさりした動きだと思っていた。
20mサイズの金棒、ではなくメイスをあの速さで振り回されると直撃即死だろう。
「彩香ちゃんどうしよっか?」
「先ず機動力を奪おう、わたしが足狙うからお姉ちゃんはいつものヨロシク」
身につけていた装備を外して日本刀一本にする。
姉もマグライト風の物1つを持つ。
よし、頑張ろう。
刀に術式を施す。
薄く、鋭く、どんなものでも切り裂くように。
厚く、硬く、どんあものでも決して折れぬように。
姉も術式のチャージを始める。
「3分位気を溜めねぇt「おい止めろ」
「左足狙います、それじゃ行きます!」
そう大声で周りに伝えオーガに全力疾走。
迫るメイスを避けつつ接近。
左スネを左薙ぎにする、甲高い金属音。
「硬あああああああああああああああ」
スネ部分にでも金属プレートが入っていたようだ。
プレートごとぶったぎってやるぅううのは効率が悪いので反対側を狙う。
ふくらはぎに切りかかる、ブーツと大木のような足は一撃では切り抜ける事が出来なかった。
そのとき上からメイスが迫ってくる。
紙一重は怖いのでマージンを取って回避する。
「お嬢ちゃん大丈夫か!」
木コリのような両手斧を持った退魔士が言う。
あんたの斧で切り落としてくれんかな。
その時オーガが余裕の顔をした気がした、確かに大きなダメージを負っている気配はない。
決めた正面突破だ、あの余裕面ぶったぎってやる。
遠距離用の攻撃が降り注ぐ中、もう一度オーガの正面に立つ。
術式を発動、一回目よりも強く、強く。
今度は身体強化も発動。
左の腰だめに刀を構えて走り出す。
もう一度左スネを左薙ぎにする。
金属プレートを切り裂き骨を切り、しかしながら途中で止まる。
ギリッと音がするほど歯を食いしばり、力づくで刀を振りぬく。
嫌な音と共に刀が折れるが左足のスネから切り落とされた巨人がヒザをつく。
300万もした刀があああああああああ、声にならない悲鳴を上げる。
「鬼塚先生お願いします!」
「チャージまだよ!」
「あとどれくらいですか!?」
「あ、今溜まりました行けます」
マグライトのような物の先端が輝いている。
姉がオーガの懐に飛び込みマグライトを振り上げる。
「約束された「おい止めろ」
光が奔流となって夜空にきらめく。
上半身が吹き飛んだオーガが光の粒子となって消えていく。
代わりに宝石の様な美しい石が残る。
ついでに20mもある鈍器も残っていた。
「石はともかく鈍器はお金になるかなあ?」
刀が折れたので予備は補充しておきたい。
「もしかしたら未知の金属かもしれませんし、事後処理はこちらでやっておきますので」
「ありがとうございます、彩香ちゃん帰ろう」
「お疲れ様でした」
車に乗り込む。
「さてお姉ちゃん、先輩どうしよう」
「死体は無かったんだよね?TELして家に行こう、他の先生に連絡するね」
夜はまだ終わらない。
アパート、携帯共に電話連絡はつかず直接向かう事になった。
「彩香ちゃん本当に綾凪だった?」
「顔もみたし本人、だと思うけど」
見たといっても長い時間ではなく、変身変装の術式で化けている可能性、幻影等は否定できなかったが。
なにかしらの術式他の嫌な雰囲気は感じなかった。
それとも学校が見せた幻だったのか?
アパートに着く、車に乗ったまま部屋を見る。
灯りは付いていない、部屋前まで行くことにする。
電気のメーターは、人が居そうには見えない。
チャイムを押す、暫く待つが出ない。
「仕方が無いね」
新聞受けに紙を差し込み術式発動、部屋の中を覗き見る事にする。
「居ないねぇ」
「帰ろうか、今日は面倒だからどっかで食べてこ」
「明日の朝一で学校に行こう」
その日の夜は終わった。
土曜8:00。
昨晩飛び降りの落下地点から屋上を見上げる。
場所は大体ここのはずだ、が落下の跡が見当たらない。
「何もないねぇ、術や気やそういったものの痕跡もない」
屋上に向かう。
破壊された扉はそのままであったがそれ以外におかしい所はない。
「こっちも何もないね...」
「扉の報告は昨日の内にしてるし、ファミレス行って朝食とったら征十郎ちゃんの所いこっか」
「折れた刀は幾らしたんだっけ?」
モーニングセットの目玉焼きをつつきながら。
「300だよ、嫌になるよね」
「征十郎ちゃんのは高いねぇ、でも今回はなんだか無理やり振りぬいたでしょ」
「ちょっとイラっときて...でも300とか痛すぎるんだけど」
「ならアレ使えば良いじゃない?」
アレは堪忍してつかぁさい、壊したら数十億はするんですぅ。
「特別な材料手に入ったから無料で作ってもらっただけで材料込みだと考えたく無い」
「昨日の報酬だけど、人数多かったけど結構な額が入ると思うよぉ」
確かに昨日の石はパっと見サイズと純度が高そうだった。
「人数多かったから一本分行かないと思うけどねぇ」
ニヤニヤしながら下からこちらを覗き見てくる。
「わたしは学生なのだし社会人のお姉ちゃんに奢ってもらうのは当然だと思うなー」
「車買えるような値段が簡単にだせるかああ!」
「お客様お静かにお願いいたします」
10:00
その家は修験者の山としてそれなりに有名な場所にある。
ピンポーンと定番のチャイム音がする。
少し待つが反応が無い。
「工房か」
裏手の蔵に勝手に入っていく。
奥にある隠蔽系の術式に隠された入り口に手をかざす。
認証用の式を発動、当然ながら長年の親友であるから貰えたカギだ。
奥へと進むと、ポニーテールの女性が金属片と宝石をじっと見つめていた。
「いらっしゃい、昨日は大変だったようだけど」
こちらのクールビューティー 白鳥征十郎。
魔道具とか魔具とか法具等と呼ばれる、術式やギミックを組み込んだ特別性の道具の製作者。
しかしモグリしかし腕は良い、がモグリ故高い。
本人曰く「非合法の事がしたいのでこのままが良い、○?×▽!◇とか材料にしたいね...フヘヘ」
あんたから購入しているわたしらも危なそうなので止めてほしい。
「征十郎さん、キチンと協会に所属しませんか?こちらに飛び火するの嫌なんで」
「捕まる時は一蓮托生、俺逃がさないよフヘヘッ」
今すぐ工房埋めてしまった方が良いんじゃないだろうか。
「壊れたエモノは持ってきたかい?」
袋から折れた刀を差しだす。
「これと同等なら前と同じ値段で良いよ」
「ありがとうございます!100ですね!振り込んでおきます!」
「これと同等なら前と同じ値段で良いよ」
「150ですね!振り込んでおきます!」
「...俺のやり方が一般的じゃないのは分かっているだろう?」
「し...知り合い価格とか...」
「知り合い価格で300だ、それとも素材狩ってくるか?」
「300了解です」
流石に素材他を自力で揃えるのは面倒すぎる。
「はいコレ、出来てるよ」
「出来ているとはどういう事です?」
サヤから出して確認する、術式の乗り方も変わりない。
「アレと違って安いから乱暴に扱ってるだろ、だから1本余計に作ってるんだ」
「全然安くないんですけど!!ありがとうございますぅ」
確かに乱暴に振り抜きはしたけどさ。
「他に欲しい物は?千早はどうだ?」
工房内を物色していた姉だが特に欲しい物は無いようで、
「征十郎ちゃんヒマならお昼一緒に行かないー?」
「やめておく、創りたい物があったんだが良いイメージが湧かなくてな」
もうちょっと粘ってみるらしい。
「ありがとうございました、また来ますね」
「またねー」
征十郎さんは姿が見えなくなるまで見送ってくれた。




