陽炎-行
合宿が近くて気分陰鬱彩香です
きっと姉はやらかすと思います
支部長にだけは伝えておこうと思います
土曜日9:00自宅
夏休みに入り、退魔フレンズ3人は夏の課題の消化を頑張っていた訳で...
「霞もだけどさっちゃんも、結構な頻度で泊まりに来てるけど大丈夫?」
春の化物祭りが終わってからだが、良く来るようになった。
「鬼塚の家に行くっていうと大丈夫だぞ」
「私も彩香ちゃんの所だと何も言われないよ」
まじかー信用されてるんだなぁ、でも...
「信用されているのは鬼塚家なのか鬼塚千早なのかどっちだろうね」
「彩香ちゃんの可能性は無いの?」
有ると思う方がおかしいですよ幸様。
「それに鬼塚は真面目だしな、今だって課題をこなしてる」
「合宿でつぶれるからねぇ、今の内にしないと時間なくなっちゃう」
出来る事なら合宿前に全て終わらせたい。
「お昼どうしよう、いつもの行く?」
「いいよー、冷やし中華って有ったっけ?」
「冷やし中華は無いけど、冷ラーメンと冷パスタならあったよー」
冷ラーメンおいてるなら冷やし中華も置いておけよ!
12:30
あつぅい、逃げ水が見えるわ。
さっちゃんは日傘似合いそうだよね。
「それって世間知らずってこと?」
ちょっと御冠らしい、怒ったさっちゃんも可愛いよ。
夏休みが始まったばかりなので店はそれほど混んではいない。
「てんちょー季節野菜のクリームパスタとサラダ盛り合わせとオレンジジュースね」
「ピアーダのサンドセットとメロンソーダフロートお願いします」
「冷麺とビール」
「この忙しい時間にいい加減にしろよお前ら」
「この店長使えねぇぜ!トマトの冷製パスタとコーラフロート」
そう言ってズカズカと立入禁止の2階に勝手に入って行く。
「てんちょーひどいよ、飲み物は後から持ってきてよぉアイス溶けちゃうじゃん」
「うるせぇ稼ぎ時に来やがって」
「店長良いんですか?こんな時に」
「まぁ今日は人少ないしな」
「やっぱりヒマなんじゃないか」
料理多くない?
「ああ、私の分」
一緒に食うのか。
「そういや合宿に出るんだろ?」
「店長は出ないんですかー?」
「自分の店が忙しいんだよ」
わたしだって出たくないんですけどね、というかコーチなので出席とは言わないと思う。
「鬼塚は正退魔士扱いだからしかたないだろ」
嫌だよ危険は同じで手当は低いとか。
「前に刀折ったけど、手当無かったんですけど」
「へー正規じゃないと大変だな、いくらしたんだ?」
「一応友達価格です...300万」
「「「300万?!」」」
「消耗品としての刀だろ?!拵え付で術式補助追加しても高くない?」
「値引きでそれなんすよ、白鳥征十郎さんって言うんだけど」
「そいつモグリじゃないか」
店長も知ってるくらい有名か、征十郎さん。
「そんな人で大丈夫なの?彩香ちゃん」
腕は良いので大丈夫、金額の分はある。
「腕が良いなら、なおさら協会の支援を受けて正規になりゃいいんじゃねえの」
「それが嫌なんだってさ、あとさっちゃんと霞は絶対関わらない事」
「どうして?」
「色んな意味でマトモじゃないからね」
18:00自宅
「征十郎?私は買ってないからなぁ、でも彩香ちゃんの装備は全部征十郎ちゃん仕様ね」
「お姉ちゃんはマグライト2本以外見た事ないんだけど」
「射出で遠距離、剣状維持で接近とまさに万能ね!」
「そんなのお姉ちゃんだけだよ、しかも普通のマグライトだし」
「やっぱり鬼塚はおかしいな」
おかしいのは姉だけだぞカスミン、わたしはきちんと武器に頼ってますぜ。
「そういえば彩香ちゃん、プール行ったときは怖くて聞けなかったんだけど...」
コワクナイヨーコワクナイヨー。
「どうして拳銃持っているの?」
「前に言ってたの本当に弾丸だったんだな...」
「アレは魔法術式を施した退魔士専用で許可も取っているものなので大丈夫なんだヨ」
幸サン霞サン、コワクナイヨ?
「弾丸も術式補助の付いた専用弾だし、コワクナイヨ?」
アンシンダヨー、通常弾の事は言う必要はない!
「やっぱ鬼塚はすげぇなぁ」「流石だよね」
話題を変えねば、
「そういえばお姉ちゃん、わたしとかジャージでいいのん?」
「一応全部持ってったら?」
そんな必要あるのだろうか。
「大した意味じゃないけどあるかもしれないからね」
そう言われてしまっては持っていく他無いじゃないか。
合宿初日10:00参白山
本殿とは離れた所に移動する、なるほど一般立入禁止の区域か。
今回の参加人数は21人か、あれ2地域だけ?
「もう1つはの方は鬼塚の家があるからね」
本家より分家が地域で頑張ってるからね。
コーチ側が10人か、これってわたし抜けても良くない?
「家帰る?綾くんは三鳥様の所に居るけど?」
頑張るか!
最年少でコーチ側に立つ、学生の皆様がこっちを見てるんですけど!
すっごい居辛いです。
「それでは佐藤支部長の挨拶です」
「おはようございます、参加していただきありがとうございます。今回は第一回目と~・・・」
「それでは今回指導くださる退魔士の方々を紹介します」
うへぇ、やっぱりあるのね...
支部長他の紹介が終わって姉の番、学生側コーチ側の両方から声があがる。
流石お姉様、全国でも名前を知られているだけあるぜ。
「そして最後に」
おいやめろ、なんだその期待をさせるような言い方は!
「鬼塚千早さんの妹である鬼塚彩香さんです」
ぐぅ、姉の時と違い視線だけが突き刺さる。
「鬼塚彩香です、宜しくお願いします」
見るんじゃねえええ。
午前は自己紹介と簡単なお話だけになった。
そのなかで別支部の退魔士が姉に質問してくる。
「因みに鬼塚家ではどういった訓練方法を?」
「他の方と変わらないと思います、普通に体を鍛えて、普通に術の勉強をして、普通に組み手をして」
わたしもそうだった、一般常識からみても特別な訓練をした覚えが無い。
「そういう当たり前の積み重ねを行ってまいりました、特別な事はありません」
ただ量がおかしかったが。
「そして今回のように他の退魔士の方と訓練をすることが非常に有意義だと思っています」
今日は珍しく優等生な答えをする姉。
打合せで遠近他と大まかに分かれて指導すると言っていた。
「それでは各グループに分かれまして」
「ちょっと待ってください」
姉が言葉を遮る。
「術や体鍛えるのは1人でも出来ます」
そりゃそうだ。
「鬼塚さん、急に何を...」
「集団模擬戦をしましょう、パーティを組んで、人数を変えて、パターンを変えて」
「打合わせで決まった事を今更...」
「皆で早朝から深夜まで戦いましょう」
いつもの姉が出てきた。
「え...でもそれは」
にっこりと笑う姉。
「ヘルメット等の防具や訓練用武器は用意してあります」
周囲がざわめく。
「大まかなスケジュール等組んであります、コレです」
昨日手伝ったからね。
「体力強化?術の指導?そんな事よりこれだけ人が集まったんですよ」
春の化物祭りに危機を抱いての合宿のはずだ。
「わざわざ結界も張ってもらったんですよ」
三鳥様にね。
「血反吐吐くまで模擬戦しましょうよ」
「大怪我をしたらどうするんだ!」
「参白山から回復術式が得意な方にご協力いただいております」
物影から5人現れる。
「こんな機会滅多にありませんよ!さぁ楽しみましょう!」




