完結編 番外編 溶けたアイス
「………ぇ、俺死んだの??」
天馬が目を丸くして呟いた。
「だろうな」
アイスを片手に蒼真が呟く。
「ぁ、コレ、美味い!!天馬食べる?」
「ぇ、あ、食べる。……ぁ、うまっ」
いつもの2人である。
「いや、天馬はまだ分かる。俺はどこ行った」
不機嫌そうな紫苑が現れた。
「おー紫苑だー。煙の中に消えた紫苑だー」
半分興味の無さそうな蒼真がアイスを食えと差し出す。
「いや、煙の中ってなんだよ?!ぁ、アイス貰う」
素直に受け取り3人はアイスを食べだした。
「つーか、蓮は?」
あのバカ真面目どこ行った?と天馬が聞く。
「あー…撃たれた。つーか橘さんやべぇのw撃たれた蓮立たせんのw鬼教官w」
蒼真はヘラヘラと笑いながら話した。
「いや、笑い事じゃねぇ」
紫苑がツッコミを入れた。
確かに笑い事ではないのに任務を続けさせられた蓮。
真面目だと損するな。と紫苑は頷く。
「撃たれたなら死んだ?俺の仲間!」
ぱぁぁぁと天馬の顔が輝いた。
「死んでねぇ。笑うな」
蓮がお前ら何してんだ。と睨みをきかすが誰も反応しない。
むしろ、蒼真は嫌そうな顔をして、アイスを置いた。
「まぁ4人でアイス食えるならいいじゃん」
天馬はニコニコだ。
「そうそう、番外編では楽しくダラーっとアイス食えばいいの」
蒼真はアイスを食べる手を止めない。
紫苑も黙ったまま食べ続けている。
蓮も置かれたアイスを食べだした。
何も喋らずただアイスを食べる。
もう、この時間は戻らないから。
「蒼真さーん!俺にもアイスください!」
どこからか奏が飛びんできた。
「ってか、俺の出番いつですか?!暇なんすけど!!」
「知るか」
蓮が吐き捨てる。
「奏うるせぇ。邪魔すんな」
蒼真も今は邪魔するな。と奏を追い払おうとする。
「誰だ、こいつ」
紫苑が嫌そうな顔をした。
「お前が煙の中に消えたら代わりに出てくるらしい」
蓮が呟く。
「代わり?!」
ショックを受ける奏は項垂れている。
「あー3部で俺がボコる奴か」
ふんっと紫苑が奏を鼻で笑うと天馬がそう言う言い方しない。と叱りつける。
「もー奏さん、この4人の時間邪魔しちゃダメですって」
出番待ちの誠が奏を回収していく。
「蒼真さぁぁぁぁん!」
「元気だな、あいつ」
天馬が笑う。
「うるせぇだけだ」
蓮が吐き捨てる。
「………」
紫苑は何も言わなかった。
「まぁさ…ここで4人でアイス食べれて良かったよ」
蒼真が笑う。
アイスを食べ終えると、天馬と紫苑の姿はそこにはなかった。
ただ溶けたアイスが2つ。
「なぁ、蓮」
「そうだな」
蒼真と蓮は食べ終えたアイスと溶けたアイス4つを一緒のゴミ袋に入れて処分する。
「さーて、後輩の面倒でも見るか」
伸びをして立ち上がる蒼真。
「……めんどくさい」
蓮も立ち上がり、2人は屋上の扉から階段を降った。
いつかこの場所でした約束。
ずっと忘れない。
アイスは溶けても無くなってもずっと記憶に残っている。




