結末
妖精の出現が早すぎる。
乙女ゲームと同じだと私は油断していた。
そして目の前にいる細長い人間のような水色の妖精が、歯をむき出しにして笑う。
避けたように広がる口には、ぎざぎざの歯が見える。
思わず、先ほどもらった砂を投げつけてしまった。
「ヒギャアアアアアア」
もだえ苦しむように妖精が私の方から後ずさる。
同時に私と同じような行動をしたのだろう。
オズワルドだけではなくロゼッタ達も投げたらしい。
妖精たちは後ずさる。
それからゆっくりと煙のようになって妖精たちは消えた。
「はあ、驚いたわ。でも四匹のはずがなかったのだけれど」
「ではここは物語の世界ではないという事なのでしょう」
オズワルドに言われて私は、そうねと答えたのだった。
事情を聞かれ、調べたところによると“妖精”の密輸が関係していたらしい。
偶然それに遭遇し、偶然のその妖精を倒せる砂を持っていた、という疑われそうな展開だ。
しかもその砂は珍しい物である。
普通なら疑われるだろうけれど、公爵令嬢という私の肩書きで、珍しいものを集めたかったのだろうという話になる。
こうして特に調べられたりすることも無く私達は解放され、ロゼッタは、
「助かりました。どうにか生き残れました」
「良かったわね」
「はい、あ、えっとこのお礼はどうしましょうか」
そこでロゼッタがそんな事を言う。
でも私は彼女にお礼を貰おうとは考えていなかった。
どうしようか少し考えて私は、
「そうね……こんな縁があったのだから、“お友達”になってもらえればと思うわ」
「“友達”ですか?」
「ええ、貴方の事はよく知っているわ。信用できる人物だと知っている。だから友達になってくれると嬉しいわ」
「! はい!」
嬉しそうに頷くロゼッタ。
そしてエーデルとも友達になった私はまた遊ぼうといった約束し、ディアナに状況を報告し別れる。
それから私はオズワルドと共に、私の両親に説明をする。
納得はしてくれたように思う。
これで、全部、私の婚約破棄に関する乙女ゲームの物語は終わったと思う。
後は、することは決まっていた。
一緒に居てくれたオズワルドに向かい合い、
「今日はデートが途中から違う物になってしまって、ごめんなさいね」
「いえ、貴方が過去を決別できたのであればそれで」
「……このデートの埋め合わせは、別の機会にするわ」
「明日にでも再びデートをお願いする、というわけにはいきませんか?」
そう言われた私は目を瞬かせてから、微笑み、
「そう、よろしく」
そう私は答える。
そんな私とオズワルドが結ばれるのはそれから少し後の出来事だった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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