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それから、“砂霧の夢”を手に入れ、そのような話おになったと周りに王子の方から触れ回ってくれることになった。
デイジーはまだ母親の病気に効くかどうか分からないと私を警戒しているようだったが、その誤解もすぐに解ける事だろう。
そういった話をして私達はまずロゼッタ達と一緒に移動し、ディアナに経緯を報告しようといった話になる。
この“砂霧の夢”、丁度新しい海路が出来た時に大量に手に入り、ここ最近献上されたものであるらしく、そこそこ量を貰った。
正確には小さな瓶詰にして四人分である。
それを大事そうにロゼッタが持っている。
そこで彼女に私は、
「手に入れられてよかったわね」
「はい、アニス様のおかげです。これで何とかなるといいのですが」
「そうね、確かこれで大丈夫なはずだけれど油断は禁物よ」
「分かっています。でも……よかったですね」
「何が?」
「これで悪役のように言われたりしないのですから。アニス様は聞いているものとは違って、とても魅力的な方だったんですね」
「……ありがとう」
普通にそう褒められてしまうと、それはそれでなんとなく気恥ずかしい。
話題を変えたいけれど、何かないかしらと思って私は思い出した。
「そういえばロッド王子が私は異性にモテていたらしい様な事を言っていたけれど、この状態で話しかけてきたのはオズワルド、貴方位だわ」
「ええ、そうなるように仕向けましたから。何か?」
私は当然のように言ってのけたオズワルドの顔を、まじまじと見た。
彼はまるで天気の話題でもするかのような顔と声で、私を捕らえるための“罠”の話をした。
どうしようかと私は少し悩んでから、
「オズワルドは策略家だわ」
「欲しいものを手に入れるのに策を弄さねばならない私の苦労も、アニス嬢には分かって頂きたいですね」
悪びれもせずそう告げたオズワルドに、私は笑ってしまう。
私をオズワルドがそこまで好きなのかと思ってしまったから。
そこで、木箱のようなものが私達の前に転がってくる。
この光景には既視感がある、そう思ってすぐに私は気づいた。
「ロゼッタ、気を付けて! “妖精”よ!」
その言葉と同時に、転がった木箱が破裂して、中から半透明の人のような形をしたものが四体ほど飛び出したのだった。




