表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐の後宮妃 この恨み絶対に忘れない  私を殺した悪徳妃に復讐を ー処刑された貴妃は、二度目の人生で牙を剥く―  作者: 島崎紗都子
第2章 後宮の頂点に登り詰めるために

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/62

13 おもしろくなりそうな予感

「罪人に仕えていた下女が女官長になるなんてあり得ないです!」

「主に口答えするのは罪です。誰か」

 常夜の呼びかけに、太監が動く。

「主に逆らった者はどうなるのか言ってみなさい」

「は、はい……丈刑です」

「では、その者に30回の丈刑を与えなさい」

「はあ? どうして下女のあんたが勝手に決めるのよ。偉そうに!」

 もはや小鈴の言葉など無視だ。

 常夜は周りをぐるりと見る。

「雪答応さまの言いつけを守れない者、仕事をしない者、掟に従えない者、裏切った者、使えない者、和を乱す者はこの宮から出ていってもらいます。代えなどいくらでもいることを忘れないように。有能な者以外、雪答応さまに仕える資格はありません」

 その場にいた侍女や太監たちが、いっせいに跪いた。

「お許しください! 私は小鈴に脅されたんです。自分に従わないと、ここから追い出すとか、給金を減らすとか言われました。だからしかたがなく」

「そうです! 故郷に病気の母がいます。ここを追い出されては他に行くところがありません。これからは、答応さまによくお仕えいたします」

 慧雪を見下してきた太監は、ごまをするようにご機嫌をとる。

「そう、おまえの働きに期待しているわ」

「ありがとうございます!」

 自分は罰を受けないと分かった大鑑は、ほっと胸をなで下ろす。だが、やはりただではすまなかった。

「燕子」

 慧雪は少年大鑑を呼び寄せる。

「はい、ここに」

「今日からあなたがこの宮の首領大鑑よ、彼らをよくまとめていきなさい」

「え! わ、私がですか? 私はまだ見習いで……経験も……」

 燕子は他の大鑑を見る。

 先日、自分に酌をしろと言っていた先輩たちを、使うようになるのだ。立場が大きく逆転する。

「雪答応さまの命令よ。従うの? 従わないの?」

 常夜の言葉に、燕子はごくりと唾を飲みその場に膝をつく。

「これからも答応さまのために、忠誠を尽くすことを誓います」

「以上よ。はやくその女を連れて行きなさい」

 太監が小鈴を捕らえ、この場から引きずりだそうとする。

「答応さま!」

 救いを求めるように、小鈴は慧雪を見る。

「どうかお許しください。もう二度と逆らいません。答応さま! どうか情けを! 宮中から追い出されたら、私は行くところがないのです」

 泣き声で訴える小鈴を見下ろし常夜は笑いを刻む。

「宮中に優しさは必要ないのでしょう?」

「小鈴、行くところがないのなら宮中から出すのは許してあげましょう」

「あ、あり……」

「常夜の代わりに、あなたには辛者庫に行ってもらうわ」

「え?」

 喜びも一転、小鈴は絶望の表情を浮かべる。

「そんな、あんまりです!」

 その後、板打ちで傷を負った小鈴は暁月宮から追い出され、辛者庫に送られた。

「雪答応さま、私のような者に情けをかけてくださり、ありがとうございます」

「常夜、あなたが有能で、細やかな気配りができる女官だと聞いたわ」

「もったいなきお言葉。これからは心をこめて答応さまに仕えさせていただきます。このご恩は一生忘れません」

「常夜……」

 慧雪は懐かしさに思わず涙ぐむ。



 柱の陰で慈桂はこの様子を見ていた。

 その足で慈桂は紅貴妃の元に向かい見てきたことを伝える。

「雪答応が新しい侍女を辛者庫から連れて来た? 常夜ですって?」

 紅妃は眉根を寄せた。

「なぜ、雪貴妃の侍女だった常夜が、雪答応に仕えるというの」

 紅貴妃は手にした扇で口元を隠して笑う。

「罪人の妃と同じ封号を待つ雪答応と、その罪人に仕えていた侍女。何だかおもしろくなりそうな予感ね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ