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28. もみじやオープン(仮)

ほんとにお久しぶりです。このエピソードは本文変更無しで、一部文字修正のみです

 サッチーのお小言をある程度聞き流したあと宿屋を造りました。


参考にしたのは、文明開化時代を象徴する洋風とも和風ともとれる造りの某学校。

 黒い屋根瓦に白い漆喰が映える二階建てにしたよ。

 車寄せにあたる正面玄関では、本家はエンジェルが看板を支えているけど、うちのは狛犬コンビを模した。

 人によっては陽気なシーサに見えるかも知れない。


 その洋館の正面玄関に従業員達が制服をきて整列している。

 やーこんだけ並ぶと壮観だね。


 ブラウニー達は着物にエプロンドレスで、シルキー達はメイド服。

 共通しているのはホワイトプリムを付けているところかな? 思いがけず、可愛らしい集団が出来上がってオーナーとしては大満足です。

 

 ここに関しては宿屋のオーナーで通します。


 そんな彼女達と今日から三日間。最終調整を兼ねて仮営業します。

 従業員達に軽く挨拶をして、早速第一陣のお客様をお迎えしよう。

 

 紅葉も初日と言うことで着物を着てスタンバイ。

 袴にブーツ姿の女学生スタイルにしようとしたら、オーナーはもう少し威厳のある格好してくださいとダメ出しを受け、結婚もしてないのに、若女将風を演出。


「いけてますの! 紅葉様」

 さくらの額の宝石が反応して七色に輝きだす。


「あっそう? いけてる?」

 さくらは私に甘々だから何を着ても褒めてくれる仔だった。


「山野オーナー、お客様があと15分でお着きになります」

 シルキーを代表して、リンという子が報告してきた。


「了解! それじゃ皆んな、これから宿屋もみじやをオープンします」

「練習した成果を見せて頂戴」

「「「はい!!」」



「いらっしゃいませ」

「いらっしゃいませ」

「いらっしゃいませ」


 もみじやへご招待したのは、迷宮の年間パスポートを購入されている方達を中心に一日限定三組で、

3日間で合計9組来ていただく手筈となっている。


 別枠で伊東さんとうちのばあちゃんは個人参加してもらう。

 二人には個人客相手の練習台になって欲しいとお願いして、快諾してもらった。


 婆ちゃんはもちろん冒険者では無い。

 なぜ呼んだかというと、じつはダンジョンに温泉が湧いているのを発見しまして、そこは源泉だったわけなんだけど……。 

 

 伊東さんが人一人入れる温泉をこしらえて体験してきたと事後報告受けました。

 迷宮内でいつ襲われるかも分からない状況なのに、チャレンジャーよね。


 我慢出来なかったんだねー。

 そんなに温泉好きかって感じなんだけど、何事もなかったから良かったものの、魔物避けの香は焚いてたらしいけど、無防備すぎるでしょう。一応管理人としては注意いたしました。


 その伊東さんいわく、

「一般的な温泉地より効果が異様に高いのは間違いないです。山野さん是非お客を呼び込む目玉にしましょう」

 と息巻いていた。

 若い頃の事故で出来た古傷が無くなったとか……うそみたいなことが起きました。


 これは金になりますよと言って、冒険者じゃない客層もどんどん取り込んで行きましょうと推してきた。

 うわー目がまじで¥マークになってきた気がする。 


 予定外の工事が発生しまして、その場所から宿屋の中へお湯を引き入れたよ。

 突貫工事だったけど、中々風情のあるイメージでは雪見酒が楽しめる露天風呂が完成した。

 雪は時期がきたら意図的に降らせてみようかと検討中。



 というわけで、うちのばあちゃんは温泉に来た一般客を想定している。

 せっかくだから近所の茶飲み友達、源爺さんをそのうち連れて来るそう。今朝急に言われたんだけど部屋にゆとりはあるから大丈夫だと返事しておいた。


 宿屋は食事の提供はしていないから、外の食事処で買うことになるのは伝えている。

 

 えっまだ食事処出来ていないって? そうなんです。そっちはまだ着手していないの。 

 三日間の食事に関しては、屋台を幾つか用意して対応することにしている。

 何かを始めるって準備大変だけどやりがいもあるね。

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