27. ダンジョン成長
迷宮の成長
◇迷宮名:来夢迷宮
◇迷宮レベル:3
◇迷宮ポイント数:残1000000/3000000
◇迷宮エネルギー:10000/30000000
◇迷宮階層数:3
◇一階層:草原エリア■
◇二階層:森林エリア■(セーフティーゾーン設置)
◇三階層:合戦場エリア■
〇階層増設:四階層増設可
◇迷宮管理人:山野紅葉
◇迷宮管理人所有スキル:治癒術(魔物)、空間収納、創造力
◇従魔:カーバンクル(さくら)、狛犬、てんとう虫君、カラス他(撮影クルー)
ダンジョンが成長した。
手元のボードに表示されている数字がそれを証明している。
冒険者達からコツコツ収集した喜怒哀楽は迷宮に取り込まれて、エネルギーへと還元される仕組みとなっている。 それが想像以上に貯まっていた。
三階層を増やしたばかりだしどうしようかと紅葉は目を瞑り、思考の海へとトリップする。
……で、物の数秒で戻ってきた。いい案が全く浮かばない。昔からこういうの苦手なんだよね。
「紅葉様、まだ一分も経ってませんの!」
あきれ顔のさくらの尻尾が大きく揺れる。
「だってさぁ中々思いつかないんだよ……」
「なんでもいいからアイデア出してみてくれない?」
困ったときの従魔頼み。
紅葉の無茶振りにも慣れている従魔達は考える。
「セーフティーゾーンを充実させるのどうですの?」
さくらはいいこと思いついたと目を輝かせる。
「セーフティーゾーン?」
「主様、食事処はどうでごわすか?」
アギョウの口の端に涎がきらり。尻尾をグリングリンさせている。
(食べ物を充実させるか、それいいかもね)
「いっそ、ダンジョン内でも寝泊りできるようにするのはどうでやんすか?」
ウンギョウは宿泊施設を推してきた。
たしかに今あるセーフティーゾーンは、何の変哲もないスペースが広がっているだけだ。
冒険者達は思い思いにテントを張り、持ち込んだ飲食物で過ごしている。
ダンジョン外にはコンビニやスーパーが充実しているから、飲食関係については特に気にしていなかった。
この際、皆が言ってくれたことを全部やってしまおうか。
スペースは問題ないし、色々建てるのに必要なポイントも十二分にある。
食事処や宿泊施設の従業員をどうするかというところだけかな。
人材を募集するのは協会に依頼すれば何とかなるだろうか。
顎に手を当てながら紅葉は考える。
「紅葉様、宿泊施設の従業員にブラウニー達はどうですの?」
「ブラウニー? あの妖精のブラウニーってこと?」
「はいですの!」
目を輝かせるさくらを前にして、ブラウニーたちは何処? かなさくら……と聞きそびれていると
『そこの迷える子羊紅葉様 お困りごとはサッチーに聞いてくんなはれ』
と、ちょい軽モードの声がボードの中から聞こえてきた。
「サッチー? あっボードの、いたのね久しぶり!」
『酷いじゃありまへんかマスター。このボードは管理人をサポートする為にあるさかい、相談してくださいよ』
いきなり拗ねられる。
というかサッチー、随分と喋り方変わってない?
『ワテは個性を出していくことにしたんどす』
どうでもいいけどちゃんぽん言語がひどすぎる。サッチーを作った人かなりいい加減ね。
「それじゃサッチー、一つ聞くけど、セーフティゾーンに色々設置したいのよ。まずは宿屋を作りたいのだけど、従業員どうすればいい?」
『そういうことならまかせください。マスターここをタップして【幻獣・妖精】の項目を選んでください』
サッチー指示の元、カテゴリー別になっている項目をスライドしていく。
あったよ、いたよ。ブラウニーさん。そしてサッチーからシルキーもどうかと推薦があった。
紅葉は深くは考えず、さくらとサッチーお薦めのブラウニー達とついでにシルキーを宿屋の従業員に決めた。
ボードをタップして必要人数をポチる。
出勤予定日は? 施設ができ次第ということで送信っと、しばらくしてポロンという音と共に、新規従魔の斡旋についてという件名のメールが届いた。
「へ〜こういうシステムなんだ。アギョウ達の時は無かったよね」
さくらは別の迷宮から連れてきたけど、アギョウウンギョウは、この迷宮で採用した事には違いない。
『そりゃマスターアギョウはん達は現地採用でっしゃろ? このボード内は協会からの派遣みたいなもんですねん』
「そうなんだ」
『そうどす』
『マスター、取説はちゃんと読みこんどかんとあきまへんで?』
えせ関西弁サッチーのお小言は続いた……。




