22. 甲殻アルマジロと冒険者達2
久々の更新です。
甲殻アルマジロと対峙している冒険者六人。
「思った以上に当たりがきつかったぜ」
綺麗に横へ吹っ飛んでいた重装騎士が、鎧についた土埃を叩き落としながら口を尖らせる。
「あんたいつも以上に飛んでたわね」
「ああ、今回はいい感じで飛べたな」
冒険者達に悲壮感というのは感じられない。
お互いの顔をみてくすくす笑っているし…なんだかとても楽しげだ。
「どうするよリーダー」
盾を持ち直して再度構えた重装戦士は、後退しながら判断を仰ぐ。
「あまり時間はないわよ」
魔法使いの女性は癖なのか、杖をくるくると回転させながらも、魔力を這わせて周囲を警戒している。
「俺たちは先に進まなきゃな」
「ああ、これ以上足止めをくってるわけにはいかないぜ」
「でもねぇ正面からあれにぶつかっても勝ち目ないわよ」
リーダーは顎に手を当てて何やら考えている。
「誰か予備の盾持っているか?」
「私持ってるわよ」
盾を受け取ったリーダーは何か閃いたようで、ふむふむと頷いている。
「フォーメーションDで行くぞ」
「「「了解!」」」
「彼等の作戦が決まったようですね」
伊東さんはそう呟くと、もう残り少ないポテチの袋を斜めにして、砕けたチップを口に放り込む。
それはさておき、甲殻アルマジロ達との最終決戦はいかに!
伊東さんに気を取られている間に、再度ローリングしながら高速で突っ込んで来たアルマジロの初動を見逃してしまった。
気づいた時には盾を構えた三人にぶち当たる音が鳴り響く。
高速回転にどうやら重さも加わったよう。
これまた綺麗な放物線を描いて三人の冒険者達が宙を舞う。
通常ならお陀仏になっておかしくない。
ダンプに追突された位の衝撃なんだそうだ。
でもでもここでは大丈夫。
ダンジョンは何処も仮想空間になっているんだよ。
よほどの事が無ければ、ダメージを貰っても死んでしまうことはない。
酷い怪我を負ったとしても、ポーションで対応可能できる。
「「リーダー」」
「シンジ!」
「隼人くん」
女性陣から心配の声が上がる。
声を掛けられたリーダーは軽く手を上げ合図を出すと、後方に下がっていた女性陣が前に移動してきた。
おっと何を仕掛けるつもりなのかな。
魔法使いのお姉さんが呪文を唱え始め、彼女の周囲が紫色に輝き始める。
紫の輝きはやがて炎の塊となって、甲殻アルマジロに一斉に襲い掛かる。
「ググッピギャ」
甲殻アルマジロは、身体を覆い始めた紫の炎が気に食わないようで警戒音をたてた。
「いまだ!!」
リーダーの掛け声と共に冒険者達が走り出した。
一匹のアルマジロが、なぜか分からないけど回転したまま遠くに飛んで行った。
ガッツポーズをする冒険者達。
「えっ何? どういうこと」
なんだかんだで、冒険者達は残りの甲殻アルマジロを無事攻略して、次のステージに向かって走り去って行った。
結局のところフォーメーションDはどういう作戦?
紅葉は釈然としないまま、走り去る六人の背中に向かってお疲れさんエールを送るのであった。




