表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
代理人のダイアリー  作者: とうゆるあ
4/5

第3話「ヒトリ」

碓氷綯音うすいなおとが目を覚めたら周りには警察関係者が溢れんばかりに行き来している。自分が先ほどまで何をしていたのか分からずに辺りを見渡しながら「ここはどこ?私は誰?というかボッ...」そこまで言って知った顔を見つける。とても心配してくれている様子の御子柴犀みこしばさいと今にも泣き出しそうな水原愛璃みずはらあいりが声をかけてくれた。

 「ボッチじゃないぜ。それより大丈夫か?ケガしてるぞ」

 予想していたよりも犀が心配いてくれていることに驚いた。女にしか興味のない奴だと思っていたが案外あんがい仲間想いな奴だな。そして今もう一つ気づいた左手が反応しない。腕は動くが指先がうまく動かない。ここは、心配させまいと隠くすことにした。

 「ああ、なんてことない。ちょっと気を失っていただけなんだ」

 「なおにい、無事でよかった。戻ってこないから心配したよぉ」

 普段はあれだけどやっぱり愛璃は年相応の女の子だと再確認する。泣かせてしまわないように取り繕う。

 「悪かった杏璃、心配かけたな」

 

 そう言ったところで東雲綾しののめあやがお気に入りのポニテを揺らしながらこっちに来るのが見えた。彼女は俺をひっぱたきそうな勢いで叫ぶ。

 「ちょっと、綯音!どこが大丈夫なのよ!アンタ左手うごかないんでしょ..」

 綾は途中から半分泣き出しそうな声になりながらもバカバカと続ける。その姿を見て何も感じないわけじゃない。いくら仕事と言えど無茶をし過ぎたことに気づく。下手を打てば死んでいたかもしれない。

 昔を思い出した。その間によく考えもせず、彼女の手を握っていた。

 「ごめん、綾...心配かけたな」

 「ごめんじゃないわよ、もう絶対に一人で無茶はしないって約束して。アンタだけずるいじゃないのよ」

 俺は言葉に詰まってしまった。

 俺は、自分の心の中で彼女との約束、仕事のリスク、今度またあんな強い相手が出たら...といろいろ考えてしまっていたら無茶をしないわけにはいかない。と、そんな葛藤かっとうを頭の中で繰り返していた。そしてふと昔を思い出した。あれは、俺や綾がグリーン・イーデンに入る前、まだ杏璃くらいの年の頃だろうか。綾は暴食グラの修行の過程かていで大怪我をした。でも彼女は怪我をしたのに修行を続けた、毎日一人で。そんなとき俺は彼女に彼女が言ったのと同じ言葉を言ったことを思い出した。昔のことを考えたら、頭の中がすっきりした。周りのみんな(警察関係者も含め)静かに見守ってくれている。

 

 立上る。まだフラフラするものの何とか体勢は保つことができる。

 「わかった。もう一人で無茶しない。約束する」

 「ほんとに?」

 綾は顔を上げ、じっと目を見る。涙が頬を伝っていた。

 「うん。だけどもし、また一人で突っ込んだりすつかもしれない。そしたら止めてくれるか?」

 綾はそれを聞くと涙を軽くぬぐい立上った。表情が少し明るくなった。

 「嫌よ、私もあなたと一緒に無茶をするわ。もう一人で解決しようとするのは止めて、今回のことはもういいわ。あなたには私やグリーン・イーデンのみんなが付いているの。みんな助けになってくれる...」

 辺りを見渡す。確かにみんながいる。そう思ったら不思議と疲れも取れた気がする。ふと一人の男と一人の女がこっちに来るのが分かった。見覚えのある顔だ。

 「はいは~い。お二人さん用事はもう済んだかい」

 男の方が口を開いた。女の方はなぜか泣いている。

 「ちょ、ちょっと!萩原はぎわらさん今綯音君と綾ちゃんがいい雰囲気だったじゃないですか。何の権利があって二人の邪魔をするんです」

 女の名前は、四条しじょうエリカ。この町にある警察署の女性警官の一人で、一緒にいる男の人が萩原太一はぎわらたいちさん。彼も警察で四条さんの上司にあたる。追記すると、この町というか国の『ケイサツ』は、警察と呼ばれてはいるが、組織の在り方としてほぼほぼ『国の軍』だ。そのため彼らの階級も萩原さんは少佐、四条さんは少尉となっている。萩原さんは困った様子で

 「仕方ないでしょ、ここで一区切りしてもらわないと時間が..大体お前が変なこというもんだから二人とも顔が真っ赤だ~」

 そう、俺は今物凄く恥ずかしい。が、それは綾も同じだろう。さっきから隣でアワアワしか言ってない。顔も赤いし、完全に固まってしまった。絶対あの二人わざとやってるな。

 わざとらしく咳払いをし、用を訪ねると、四条さんが萩原さんを遮るように答えた。

 「いやね、さっき綯音君とやりあってた男が目を覚ましたから、話を聞こうとしたの。そしたら、あのギフターのガキを連れてこい~ってこっちの話を聞かなくてね」

 「だ、だから碓氷、ちょっと顔貸してくれないか?あ、所長さんにも一応伝えてある」

 「おっさんに?」

 「ああ、こっちに来てたぞ、桐谷きりたにもマリーもいたぞ。来てくれるか?他のメンバーも一緒で構わない」

 そう言われたが、綾に何を言っても反応しない。仕方ないので手を引きながら連れていくことにした。急に手を引かれた綾は、驚いた様子だったがすぐに嬉しそうに微笑んでいた。


 みなさん第3話ご覧いただきありがとうございます。今回は戦闘がありませんでしたが、いかがったでしょうか。

 さて更新の方ですがなかなか時間に余裕が作れず更新の方が遅くなってしまい申し訳ありません。頑張って次は1周間ほどで上げたいと思います。

 内容の方ですが暫定メインヒロインの東雲綾ちゃんについて3話はまとめてみました。この昔の話はまた近いうちにあげたいと思います。では、まなさんまたお会いしましょう。(@^^)/~~~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ