17.鶯は堂々と
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今回はついに数学のお話の回です!!といっても数学の歴史のお話なのでよかったら楽しんでいってください
2014/07/23 17:42 誤字訂正
誤字の御指摘ありがとうございます
☆前回までのあらすじ☆
ついに決勝戦に進んだチーム鶯。今年の決勝戦の出題者は数学の申し子であり、最後の攻略相手 幡矢六だった。そして、彼は鶯宮色葉が初めてこの世界でできた友達だった…
☆
どうして、どうして彼が……
その一言に尽きる。六くんが前わたしとクイズ大会に出ることを断ったのは、決勝戦の出題者だったから……?それとも、悪役を欺いて、女王の味方をするため…?それに、そもそも幡矢六が決勝戦の出題者っていうのはシナリオ通りのことなの?
「ちょっと待ってください!!」
突然声を荒げたのは女王こと花澤美実だった。
「なんでしょうか」
対して応えたのは、冷静な幡矢六
「どうして貴方が出題者に……!?」
!!どうやら花澤美実の様子を見る限り、決勝戦での出題者が幡矢六だというのはイレギュラーなことらしい
「僕、幡矢六はこの学園に編入した際ここの学園長先生に『毎年恒例のクイズ大会に出題者として出場してくれないか』と頼まれました。そして僕はそれを快諾しただけです。何か不都合でもあるんですか?」
「っ、なんでもないです…」
……この花澤美実の反応からして幡矢六が、彼女の味方ってことはない?それに、彼は……わたしの友達だ。その彼、六くんを信じないでどうする、わたし!
「色葉、何ニヤニヤしてるんだ……?」
「どうかなさったのですか?」
「……ねえ、薄暮、桜子聞いて、わたし気づいてしまったのよ」
「??何にだ?」
「何ですの?」
「………………出題者は数学の申し子 幡矢六」
「ええ、そうですわね」
「ああ」
「と、い、う、こ、と、は、彼も言っていたけれど!!!出題は数学ぅうううううう!!!!」
「そ、そうだな!(やはり、以前のお淑やかな色葉ではなくなってしまった!くっ、色葉がこうなってしまったのは俺のせいだ!)」
「え、ええ。(今の色葉が嫌というわけではないのです…でも、やっぱり前の色葉の方がいじりがいがありましたわ…)」
さあさあさあさあさあ、ついにキターーーーーーーーーーー!!わたしのターン!!!これで薄暮と桜子にカッコイイところ見せられるよ!!!
★オマケ→その頃の解説二人組は…
「………」
「…お、おい、柴田先生?どうした、いきなり無言になって…」
「ククク」
「お、おい?柴田先生?い、家成?」
「立浪先生……」
「な、なんだ…?(ど、どうしたコイツ)」
「……ついに、数学ですよ!!」
「……は?」
「ククク、やっと、やっと数学だぁああああ!!!」
「……オ、オメデトウ。(やっぱり家成って見てて楽しい笑)」
☆
「じゃあ、今からは出題が僕になるので、今までアナウンスをしてくれていた熊谷さんと交代しますね」
上のは今のわたしたちのステージ上の配置。決勝戦ってこともあって、出題者の六くんに解説の柴田先生に立浪先生だけじゃなくて、対戦するチームフラワーとチーム鶯もステージ上に立つみたい
……さて、今から始まる…んだよね
「まずは、出題形式の説明をします。最初に僕が問題を読み上げます。その後、僕が『始め』と言ったら制限時間内に手元にあるパネルに解答を書いてください。僕が『止め』と言ったら解答をやめてください。そして、僕が『発表』といったらパネルの答えを書いた面を同時に表にしてみなさんに見えるように提示してください」
手元にあるのはこれこそデジタル化が進む前のクイズ番組のような厚いパネルと黒ペン。そして、わきには計算用紙と思われる白い紙に鉛筆やシャープペンシル、消しゴムといった筆記用具が入っている筆箱。
緊張してきた!!けど、
「カッコイイところ見せてくれよ?」
「数学は助けられるところは助けますわ」
この2人の前で、いいや、わたしを見て口元を軽く歪ませている六くんも合わせて、3人の前ではカッコワルイところなんて見せられない!!
「では、第1問」
ここから、わたしの本気見せてやんよ!!色恋に現を抜かすような小娘なんかにわたしの、リクに教えてもらった数学への思いが負けはしない!!!
「江戸時代、数学が日本の中で盛んとなり、今ではそれは和算と呼ばれています。では、その和算から出題」
和算……。和算と言えば関孝和が有名。彼はかのアイザック・ニュートンと同じ年に生まれたと言われている。(でもこれは、後世の人間が関孝和を偉大に見せるために作った話かもしれないらしい。わたしは、よく分かんなかったけど、リクが言うにはオキタソウジさんの黒猫が斬れないっていう話に似てるらしい。……黒猫が斬れないって、黒猫がカワイイから斬れなかったのかな……。)関孝和の弟子の建部賢弘も有名な人
そんな和算からの出題か…、リクが特に好きな分野だしいけるかも!!
「和算には面白い習慣が2つありました。その内の1つを出題。数学者が本を出版する度にその著書の巻末に答えを載せない自作の問題を載せ、その問題を解けた人が新たに本を出版しその巻末にまた答えのない問題を載せ……とこれを繰り返し数学の本が次々と出版されていきました。そして、この方法によって和算のレベルはグングンとのびていきました。では、この説明に合う和算の面白い習慣とは何か。始め」
わたしは手元のパネルに【遺題承継】と書いた
「…い、いだいしょうけい?」
「うん、薄暮、これはとても面白い習慣なんだよ」
「ふーん」
「ねえ、色葉1つお聞きしてもよろしいですか?」
「いいよ、桜子、なんでもお聞き!」
っふ、なぜならわたしは今とてもテンション高いからね!!大好きな数学の問題だし、何よりわたしの見せ場DA★KA★RAね!
「どうして、答えのない問題を載せるようになったんですの?なんだか数学を教えるというより、それはまるで読者に対する挑戦状みたいですわ」
「うん、それでいいんだよ。まさに遺題承継は読者への、というよりも数学者への挑戦状だったんだよ!」
「どういうことだ?」「挑戦状ですの?」
「んーとね、簡単に説明するね。ある人が、まあ『塵劫記』っていうロングヒットのベストセラーな数学の本を書いた吉田光由なんだけど。その吉田さんが書いた塵劫記なだけど、あまりにも人気だからみんなが数学習いたい!!って思って自分に数学を教えてくれる人を探したの。まあだって数学が流行りだったからなんだけど。そうすると自称数学者が出てきたりしてデタラメとかを教えたんだと思うの。そんな状況を知った吉田さんは、大好きな数学が金儲けの手段になったり、嘘の数学が教えられていること、数学が好きでもないのに数学者を語る人が出てきて、悲しくてそして腹が立ったんだと思うの。そこで彼はある時新しく出した本の巻末に12問の答えのない問題を載せた」
「つまり、この問題が解けないやつはニセモノの数学者だって言いたかったのか」
「その通り、薄暮!」
「なるほど、自分が大好きな数学を守ったんですね」
「桜子が言う通り、吉田さんが大好きな数学を守るために作ったこの【巻末に答えのない問題を載せる】っていうのは、後世にも引き継がれていって、皮肉なことなのかな?この数学を守るためのシステムが自然に和算のレベルを上げていったの」
「ホンモノかニセモノかの篩である問題を解けた奴が更に難しい問題を作ったて本を出して…って繰り返していったからか」
「うん!」
「なんといえばいいんでしょうか…。なんだかこういうお話を聞くと、その和算というものがとても面白そうに感じますわ」
「フフフ、最初はこういう人間臭い話から入るといいとおもうんだ!」
「止め」
お、つい熱中して忘れてたけど今決勝戦の第1問だった…。薄暮も桜子も真剣に聞いてくれるからつい……ね(苦笑)でも、こうやってわたしの話をきいてくれるなんて、嬉しい……
「発表」
六くんの声に合わせ、わたしはパネルを堂々とあげた
今回は色葉さんがめっちゃ饒舌でしたね。なんか和算について打ってたらあんな風になりました




