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DAY2:山岡 Part3


山岡宅500m手前で問題が起こる。



「こりゃあ…」


「これじゃあ通れねぇな」



大型タンクローリーが横転し道を塞いでいた。



「山岡さん、迂回路……あります?」


佐藤が尋ねる。


「車が入れないルートならあるが、病院のすぐ真ん前を通るハメになる」


「病院のすぐ前って、どのくらいですか?」


「病院の駐車場入り口の目の前だ。幹線道路脇の路地があって、そこを通って200mくらいで俺の家だ」



「…200mか」


班長が呟く。


「とりあえず、どんな状況か見てみましょう」



――10分ほど迂回し、病院まで100mの地点まで来た。



「いっぱいいるな」


「いやぁこれ無理っすよ」


「……」


車から降り、放置された車の陰からあたりを見回す。


病院前の幹線道路は放置車両や事故車で埋まり、ゾンビが大量にいた。


その時、病院から銃声が聞こえてきた。



パンパン!パパパパパン!



「……銃声?」


「病院からだ」


「まだ誰かいるのか?」


「ちょっと待ってください」


俺は車から双眼鏡を取り出した。


「少し見てみます」


双眼鏡を覗き、病院の窓を一つずつ確認していく。


迷彩服を着た集団が見える。


「……いた」


「何?」


「人がいます…自衛隊、か…?」



――ふと、違和感を覚える。


……覆面だ。

覆面をしている。


しかも、銃が違う。


迷彩服に身を包んでいるのに、手にしているのは自衛隊の小銃ではない。


サブマシンガン。


「……何者だ?」


背筋に、嫌な感覚が走った。


その時――


バァン!


とても大きな銃声が響いた。


「――っ!?」


何が起きたのか、理解できなかった。


ただ、目の前にいた班長が――


崩れ落ちた。



「ハンチョー!!!」


咄嗟に班長を引きずり、トラックの陰に隠れる。


バァン!


また銃声。


トラックの車体が、鈍い音を立てて震えた。


「山岡さん! 無事ですか?!」


「ああ! 俺は無事だ! お前の車の裏にいる! それより班長は?!」


「右脚を撃たれています!」


佐藤が班長の脚を確認する。


「班長、CATは?! CAT!」


「……腰に……ある……!」


班長が苦しそうに答える。


「了解!」


佐藤が班長の腰からCATを取り出し、班長の右脚に巻く。


「いきます!」


ギリギリと止血帯を締め上げる。


「ぐっ……ああああっ!!」


班長の絶叫が響いた。


分かっている。


CATは痛い。


だが、ここで手を緩めるわけにはいかなかった。



――班長の血は止まった。


だが、俺の車までは20mはある。


班長を支えて、20m。


車まで運び、エンジンをかける。


その間にも、あいつらは撃ってくる。


……とても、無事でいられるとは思えない。


班長の89式は、撃たれた場所にそのまま残っている。


「山岡さん!」


「なんだ!」


「俺が奴らの気を引きます!」


「お、おい!」


「俺が撃ったら走ってください!」


「どこへ?!」


「山岡さんから見て40メートルくらい先! あの建物です!」


俺は建物を指差す。


「そこまで走ってください!」


「分かった!」


「絶対に止まらないで!」



息を整え、頭の中を整理する。


銃声は重かった。


おそらく、狙撃銃。


発砲炎は――病院の屋上、東側。


距離は……距離なんてどうでもいいか。

どうせこんな拳銃じゃ当たらねぇ。


手元の拳銃を見る。


よく警官が持っているリボルバーだ。

短銃身で、弾は2発。


注意をこちらに向けられれば、それでいい。


「山岡さん! 今だ!」


トラックの陰から身をさらし、銃を構える。

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