DAY2:山岡 Part2
-午前9時-
自宅へ向け車を走らせ、30分ほどで自宅に到着した。
「さあ山岡さん、着きましたよ。俺ん家は3階です」
「ああ、奴らはいないのか?」
「一応、山岡さん達を助けに行くときに1体倒したし、通路や駐車場なんかの見えるところには居なかったっすよ」
「そうか…おい、恵理、里穂。今から3階までの経路が安全か佐藤と確認してくる。いいよな、佐藤」
「もちろんいいっすよ」
「気を付けてね…2人とも」
――駐車場の見える位置には奴らはいない。
1階の死体を確認する。
…うん、変わりないな。
そのまま3階まで上がり、異常はない。
二人して息をつく。
「いやぁ、自分の家に帰るだけで、すっげえ怖いっすよ」
「そりゃあな」
「とりあえず2人を連れてきましょう」
山岡と1階へ下りる。
「おい、恵理、里穂。安全だ、降りてきて大丈夫」
二人が降りてくる。
「ひとまず俺の部屋に」
「ええ、ありがとう、佐藤くん…」
全員で部屋に上がり、玄関をバリケードで塞ぐ。
「さすがに4人だと狭いですね」
「まあ、1Kだしな…」
「山岡さん、俺、隣の部屋が無人だったんでベランダ伝いで隣の部屋入って、入口塞いだんですよ。
タバコくさいけど…とりあえずそっち使います?」
「恵理、里穂、タバコの臭い平気か?」
「ええ、私はまあ…。里穂は平気?」
「うん、まあ…パパいつもタバコ臭いし」
地味にダメージを受ける山岡。
「山岡さん、ベランダの仕切り板外すの手伝ってください」
「いっそ蹴破っちまおうぜ」
「あー…そっすね」
バコン! バキッ!
山岡が仕切り板を勢いよく蹴破る。
…今、さっきのダメージの八つ当たりしてんな…
「恵理、里穂、通れるぞ」
二人が隣の部屋へ移る。
「くさっ…」
「………」
「里穂ちゃん、はい、消臭スプレー」
「ありがと!佐藤さん」
静かに涙を流す山岡…
「とりあえず、この部屋の玄関は出入りを想定してません。バリケードはどけないでください」
「ええ、わかったわ」
「とりあえず、腹減ったでしょ。これ食べて」
菓子パンとお茶の缶を1つずつ渡す
「すまんな佐藤…何から何まで」
「いいんですよ、そんなん。友達でしょ」
「ありがとうな」
-午前10時-
朝飯代わりの菓子パンを頬張りながら、山岡とこれからについて話す。
「とりあえず、今手元にある武器になりそうなものは金属バットと包丁だけです。
ただ、包丁はリーチが短いし、なにより恵理さん達が丸腰になる。使わないでおきましょう」
「ああ、そうだな…」
「まず、山岡さんの家に行く途中にバッティングセンターがあります。バットを3~4本回収しましょう」
「いや、もっと鉈とか斧がいいんじゃないのか?」
「ホームセンターはもう少し奥です。帰りに回収できそうなら、回収で行きましょ」
「わかった」
「出発は11時でいいすか?」
「ああ」
-午前11時-
「あなた…気を付けてね」
「ああ、大丈夫だ」
――山岡と愛車に乗り、走らせる。
「そういえば山岡さん、寄りたいとこあるんすよ」
「なんだ?」
「いやぁね、朝、山岡さん達のとこに行くときに警官の死体があったんですよ。
ゾンビが2~3体いたからスルーしましたけど、拳銃や警棒があるかもしれない」
「わかった」
15分後、警官の死体の場所に着いた。
「ゾンビいないっすね」
「ああ」
「とりあえず、死体見に行きましょうか」
二人で車を降り、死体に近づく。
その時。
『動くな!!』
近くの車の陰から、迷彩服を着た男が銃を構えながら出てくる。
あれ、見覚えのある顔だな…
「あれぇ、佐藤じゃん!」
「ああ、班長!お久しぶりです!」
「お前、よく生きてたな。てか出歩くんじゃねぇよ、死にてえのか」
「いやぁ、それが…」
班長に事情を話す。
友人の山岡を助けたこと、家族とともに俺の家に避難していること、山岡の息子を探しに行くところなこと。
「そうか、俺も手伝うよ。佐藤」
「いいんですか、任務は?」
「全員死んだか、行方不明だ。多分な」
「……」
「そういえば、班長。武器はそれだけですか?」
班長の持つ89式小銃を指さす。
「いや、この警官の死体から拳銃を失敬した。ただ、弾は2発だけだ。
俺の89式は残り13発ってとこだ」
「無駄撃ちはできないっすね」
「いいや、無駄撃ちどころか、極力撃つな。奴らが寄ってくる。とりあえず持っとけ」
班長から拳銃を受け取る。
「だあぁ~めんどくせ、寄ってくんのかよ~!」
警官の死体から警棒を抜き取り、山岡に渡す。
「山岡さん、徒歩の時は班長が先頭、山岡さんが真ん中、俺が殿になります。極力戦わず、プロに任せてください」
「おいおい、俺が先頭かよ~。45のジジイをこき使いやがって」
「あんたレンジャーでしょ(笑)」
――三人で車に乗り込み、山岡の家に向かう。
「とりあえず、武器も手に入ったし、班長も仲間になったんでバッティングセンターは寄らずに山岡さんの家に直行します」
「ああ」
山岡宅500m手前で問題が起こる。
「こりゃあ…」




