DAY26:車 Part2
ガムテープや工具類を手に駐車場まで降り、ボコボコのミニバンを眺める。
ボンネットがやや浮き、ヘッドライトが片方割れ、フロントガラスにひびが入っている。
しかも気づいたらバンパーが外れて車の前に落ちている。
「でも、致命傷じゃないんだよなぁ…」
うーん、どうしたものか。
一応、新しい車は2台回収したし(とはいえ、1台はブランドンのものだ)、
いらないといえばいらないが、予備その2として活用できそうなんだよな。
「でもこいつ、燃費めちゃ悪いもんなぁ」
某高級ミニバンの3代前のモデルだ。
燃費はリッター8㎞くらいか。
「うーん…」
ボンネットを開けて中を覗く。
見た限り、エンジンルームに目立った損傷はない。
エンジンをかけてみると、外れかけた外装がカタカタと音を立てるだけで気になる異音もない。
だが、ボンネットは完全には閉まらず、半開きだ。
このままだと、走行中に大きく開き、視界の妨げになりかねない。
ラッチを確認すると、盛大にひん曲がっていた。
「そりゃ、閉まらないわなぁ。…どうしようかな」
ボンネットのヒンジを見る。
六角ナットだ。外してみるか。
重く重心の不安定なボンネットだったが、時間をかけて何とか外すことができた。
外す際にボンネットを落としてしまい、完璧に折れ曲がったが。
「よし、これでボンネットが視界の邪魔になるリスクはなくなったな!
…ボンネット無くても大丈夫だよな?」
そんなこんなしていると、ゾンビが2匹、駐車場の入り口から敷地に入ってきた。
…うざ。
ボコボコのミニバンに乗り込み、エンジンをかける。
そしてアクセル全開で2匹ともドーン!
「うひょ~!」
車から降り、ハンマーでとどめを刺す。
その時、駐車場の入り口が目につく。
敷地を囲うブロック塀の開口部の幅、この車の全長よりやや小さいくらいだ。
「…ゲートにできるんじゃね?」
駐車場の入り口に横づけしてみると、ちょうどいい感じだ。
「でも、車の下から這って入ってこれるかもなぁ」
屈んで車体の下を覗く。
見た感じ20cmくらいの高さだ。
「ま、無いよりマシか」
車からキーを抜いて降り、ゾンビの死体を片付ける。
こう見ると、なかなかいい拠点だな。
アパートの全周を高さ1.5mくらいのブロック塀が囲んでるし、駐車場がとても広い。
敷地内にゾンビはいないし、各部屋の安全化も済んでる。
…弱点を言えば、畑や水源くらいか。
でも、畑はプランターで代用可能だし、飲まない生活用水なら雨水を溜めればいい。
「なかなか恵まれてるな」
部屋へ戻り、班長に報告する。
「班長、あのぶっ壊れたミニバン、ちょうどよかったんでゲート代わりにしてみました」
「お前の家、どんどん要塞化していってるな」
「でしょ~」




