DAY20:生存者 Part1
大量の物資や銃を回収したことで、外に出る理由がなくなり、ここしばらく家に引きこもっている。
班長の足も徐々に回復してきており、松葉杖を使えばスムーズに家の中を移動できるようになった。
「班長、暇なんですけど」
「暇だからって無意味な外出はよせよ?危険なんだから」
「じゃあ、野菜ジュースは全部なくなったし、サプリメントも少ないから、それらの回収と、家庭菜園の材料を回収するのはいいすか?」
「まあ…確かに大事だが」
「じゃあ決まりですね!行ってきます」
外出の準備をする。
散弾銃とダブルオーバック弾10発、3発残っている拳銃、そして金属バット。
厚手のジャケットとジーンズにフルフェイスのヘルメット。
デカいリュックの中には照明類と万が一の時に備えて1日分の水と食料。
うん、見事なまでに不審者だな。
装備を整え、車に乗り込む。
今回は家庭菜園用のプランターや道具も回収するつもりのため、ミニバンだ。
しばらく車を走らせたところで、違和感を覚えた。
「なんか死体増えてるな」
道端にリュックを背負った真新しい死体や、以前この道を通った際には無かったゾンビの死体がいくつかある。
「…生存者が食料足りなくなってうろつきだしたかな」
車を20分ほど走らせ、以前訪れたホームセンターに着いた。
駐車場にやや腐敗している死体が3体。
周囲を警戒しつつ、死体に近づいて観察する。
「こいつら、あの時の飲食店の奴らか?」
顔に見覚えのある包帯を脚に巻いた死体と、頭を潰された死体が2体。
いずれも刺し傷や鈍器で殴られた跡がある。
「こいつら、懲りずにまた人を襲ったんじゃないだろうな?ははは」
死体を放置し、ヘッドトーチを点灯し散弾銃を構え、店内へ入る。
風の音以外は、特に物音はない。
『動くな!』
カウンターから拳銃を構えた男と、鈍器を持った3人の男女が姿を現した。
「おいおい、なんだよ。俺は家庭菜園がしたいだけなんだがな」
銃口を下に向け、片手をあげて答える。
「黙れ!お前、ここに何しに来た!ここは俺たちの縄張りだ!」
「だから、家庭菜園したいから道具類を取りに来たんだよ」
「うるさい黙れ!」
(話になんねぇな。めんどくせぇし殺すか?…班長怒るよな)
黙れと言われ、とりあえず無言のまま佇む。
「何しに来たんだって聞いてんだよ!早く答えろよぉぉぉ!」
銃を構えながら近づく男。
俺のヘルメットに拳銃を突きつけながら喚く男から拳銃を奪い、その拳銃の引き金を引く。
カチッ!
再度引き金を引く。
カチッ!
空だ。
拳銃で男を殴りつけ、蹴り飛ばす。
転がり喚く男の股間を思い切り蹴り上げ、口に散弾銃の銃口を突っ込む。
股間の痛みと、いくつもの歯が折れた痛みで悶絶する男の胸を踏みつけ、鈍器を持った3人を怖がらせないよう明るく声をかける。
「あの~、家庭菜園の材料が欲しいんですが、持って行っていいですか?」
「お、おい!中島さんを離せよ!お、おまえ!表の死体見ただろ!ああなりたいのか?!」
明らかに怯えながら上ずった声で脅してくる男に対し、ため息が出てくる。
銃口を咥えながら呻く男の首を踏み潰し、銃を3人へ向かい構える。
「おい、女。死にたくなかったらそこのガムテープでその2人を縛れ。
お前ら男共も、逆らったら容赦しねぇぞ」
「は、はひ…」
失禁しながら従う女。
きったねぇな。
銃を向けながら、女が2人を縛るのを見届け、女を跪かせて両手両足を縛る。
さらに男2人を追加で縛り、全員の目と口をガムテープで塞ぎ、落ちていたロープで全員をまとめて1つに縛る。
3人組を放置し、カートを押しながらガーデニングコーナーへ向かう。
「お、いいね。種たくさんあるじゃん!」
家庭菜園用の高価な土や大きなプランターを回収し、立ち止まる。
「今の時期だと、何を育てたらいいんだ?」
家庭菜園の本を手に取り、めくる。
「ん~秋だと、小松菜やほうれん草、大根や玉ねぎか。初心者向けは小松菜と二十日大根ね…」
家庭菜園の本をリュックにしまい、考えるのがめんどくさくなった俺は片っ端から種や種芋をリュックに詰め込む。
一通り必要なものを回収し、車に積み込んだ後、例の3人組の元へ戻る。
「おい女。今から手の拘束だけ解く。解いてから100数えたら自力でほかの拘束も解け。わかったか?」
頷く女の手を解いてやり、車に乗り込む。
次はドラッグストアにでも行こうか。




