↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
29/38

DAY10:雨


ザァァァ……。

ゴロゴロゴロ…ピシャーンッ!


外は雷雨だ。


「嫌な天気っすね」


「そうだな。…佐藤、お前、最近無理してないか?」


「なんで?」


「お前、前は暴力とか苦手なタイプだっただろ」


「苦手?なんでまた」


「いつだったか、同期に暴力振るわれても、やり返すどころか無視してたじゃないか」


「ああ、あれ、めんどくさかったからほっといてただけですよ。班長だって、虫に嚙みつかれても無視するでしょ?むしだけに」


「あのなぁ…。はあ…。俺は虫に噛まれたら弾き飛ばすぞ」


「そうなんですか?まあ、要するに、虫ケr…どうでもいい存在にちょっかいかけられても、興味ないってことです」


「お前いま虫ケラって言いかけただろ」


「イッテナイデスヨ」


「じゃあ佐藤。お前にとって俺は何なんだ?どんな答えでも俺は怒らないぞ」


「んー…。まず、敵対するメリットがない。利用する、とまでは思っていないですが、共助し合うことで僕にとって大きなメリットとなります」


「……お前、最初にそれか?」


「ええ。重要ですから。次に、信頼できる人物です。班長は女と酒、タバコにギャンブル。これらに非常にだらしない人間でしたが、義理堅い人です」


「褒めてんのか貶してんのか、どっちだよ」


「両方です。で、僕が非人道的なことをしない限り、貴方は僕を裏切らないと思っています。

また、レンジャーであり、非常に優秀な隊員であることもあり、戦力・人間性共にこの状況下では貴重であり、非常に有益な存在です」


「てことはお前、なんか非人道的なことするつもりがあるってことか」


「状況によってはあり得ます」


「例えば、どんな状況や?」


「そうですね。例えばゾンビの大群に襲われている状況として、僕自身や班長など、優先度の高い人間を生かすためであれば、そこら辺にいる人間の足を折るくらいのことはする可能性があります。

また、脅威となりうる勢力があれば積極的に殲滅しようとするでしょう」


「……お前、それ本気で言っとるんか?」


「ええ。もちろん、そうならないのが一番ですけど」


「脅威になりうるって、例えばどんな?」


「例えば、武装しているだけなら別に何とも思いませんよ。僕らだって武装してますし。

ただ、他人から物資を奪ったり、無関係な人を襲ったりしている集団なら話は別です。

今は僕らを襲っていなくても、いずれこっちに来る可能性がありますから」


「……じゃあ、お前が脅威やと判断した相手が、実は善良な人間だったらどうする?」


「それは殺しちゃった後の話?前の話?」


「後の話だ」


「まあ、仕方ないんじゃないですか?」


「…」


「そもそも、他人が善良かどうかなんて分からないじゃないですか。

例えば、警官や自衛官は秩序を守り、民間人を守るイメージがありますが、組織内でのイジメやパワハラはなくなりませんよね」


「それは…」


「どんなに善人のように見えても、実際の人間性はわからない。

だから、脅威と判断して殺めた後、『実は善人だった』としてもそれは結果論です」


「…そうか」


「てか、そんなことより、ゾンビの正体って何ですかね。

テレビでは新型の狂犬病だって言ってたけど、頭を破壊しないと死なないところとか、噛まれたら感染するとか、まんまゾンビっすよね」


「奴らの正体が科学的に何なのかは俺も見当がつかない。だが、古参連中から噂話は聞いたよ」


「どんな?」


「某国の研究所から、研究中の新型生物兵器が流出したって話だ」


「じゃあ、今回の事態は生物兵器ってことですか」


「言っただろ。あくまで噂話だ。真相は知らん。そんなことより佐藤」


「なんすか」


「無駄に人を殺したり傷つけたら俺がお前を責任もって殺すからな」


「はーい」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。