DAY5:物資調達 Part3
飲食店から10分ほど走った。
追いかけては来ていないようだ。よかった。
念のため、遠回りをし、湖沿いを走る。
「相変わらず臭い湖だな」
昔は臭くなかったそうだが、汚水の排水が行われるようになってから水質が悪くなり、臭くなったらしい。
魚はたくさんいるから、食料が厳しくなれば釣りをするのもアリかもしれない。
湖沿いにある美術館にふと目をやると、窓から誰かが手を振っている。
「うわ、また面倒事かよ…」
めんどくさく感じつつも、素通りできず、美術館の駐車場に車を停める。
美術館から、中年の男と警官が出てきて、話しかけてくる。
「あの!」
「はい」
「避難所があるんですか」
「俺が知る限りないですね」
「じゃああなたはどこから?」
「自宅に籠城しています」
「大丈夫ですか?うちに来ませんか?」
「いえ、間に合ってます」
心配そうな顔で勧誘してくる警官。
「そうですか…」
「それより、もう少し気を付けたほうがいいですよ。
さっき、向こうのほうで生存者に襲われたんで」
「まさか、さっきの銃声はあなた?」
「はい」
目に見えて警戒する警官をスルーし、男を見る。
「見たところ、十分な食料が無いようですが」
「はい…。飲み物は館内に自販機がいくつかあるので、鍵で開けて何とかなっていますが…」
少し考えこむ。
「調理器具は?」
「ありません」
「なら、これどうぞ」
さっき回収した缶詰を半分差し出す。
「え!いいんですか?!」
「ええ。でも、その代わり、飲み物を分けてもらえませんか」
「もちろんです!」
男が缶詰を抱え、館内へ戻っていく。
先ほどより警戒感が薄れた警官が話しかけてくる。
「ちなみに銃は?」
「これです」
さっき拾った拳銃を見せる。
「…警官から奪ったんですか?」
「いや、警官の死体から失敬しました」
「…そうですか。ちなみに、撃った相手は?」
「死んではいませんよ。1発警告したのに、襲ってきたんで脚を撃ちました」
「そうですか」
そうやり取りしていると、先ほどの男がビニール袋に飲み物を入れて持ってきた。
「すみません、あまり多くないですが…」
「いえ!ありがとうございます」
中身を確認する。
缶の炭酸飲料3本、水1本、ウーロン茶1本、缶コーヒー1本。
「じゃあ、俺はこれで。また近くに来たら軽く寄りますね」
「ありがとうございました!」
深々とお辞儀をする男と警官。
窓から子供が数人と、大人たちが見えた。
悪い連中ではなさそうだ。
定期的に様子を見に来よう。
10分ほど走り、自宅に着いた。
…米、運ぶのめんどくせ。
5往復し、米と飲み物を運び込み、班長に報告をする。
明日、筋肉痛だな、こりゃ…。
「近くのスーパーはゾンビまみれ、コンビニはすっからかん。飲食店で食料見つけて、中にいた警官ゾンビから拳銃は回収しました。
ただ、生存者に出くわして襲われたんで2発撃ちました。
そのあと、美術館で別の生存者グループとあって食料と飲み物を交換。
生存者グループは子供と大人がそれぞれ複数。警官が少なくとも1人」
「ちょ、待った待った。情報量が多すぎる」
再度出来事を説明する。
「まあそんなこんなで、美術館のグループは友好的です。
ただ、敵対的な生存者もいるので、気をつけなきゃいけないです」
「そうかぁ…」
「とりあえず、夕飯にしましょ」
「お前、あっさりしすぎだぞ…」
今日の夕飯は何にしようかな。
ポタ電のおかげで家電が使えるし、今回は炊飯器で米を炊こう。
ちなみに、水道は濁っているから飲食には使わない。
明日は飲み水確保優先だな。備蓄分もあと1週間持つかどうかだし。
今日回収した米以外は無洗米のため、そのまま炊く。
無洗米なくなったらどうしようかな。
今回のメニューは白米と冷凍ギョーザ(停電のため自然解凍済み)。
うん、美味い。




