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DAY3:佐藤 Part4


銃声が響き、前の車が蛇行し電柱に突っ込んだ。

急ブレーキを踏むも、後続に追突される。


「「「「うわあぁぁ!」」」」


スピンし、前を走っていた車に横向きで突っ込み、エンジンが止まる。


「痛っ……」


「みんな大丈夫!?」


「俺は大丈夫だ!」


「前の車は!?」


「何が起きたんだ!」


「おいあんた!大丈夫か?!」


助手席に乗せた自衛官を揺さぶるが、反応がない。

目を見開き、口から血が垂れている。


前の車のドアが開き、人がふらつきながら出てくる。

そして、車内からゾンビが飛びかかった。


「おい佐藤!音で奴らが集まってきている!」


「え!」


キュルルルル、キュルルルル!


エンジンがかからない。


「早く!早く動かして!」


「くそっ、動け!」


「もう無理!逃げる!」


WACがドアを開け、車から飛び出した。

そして、感染者が飛び掛かり、嚙みついた。

WACと目が合った。


こちらにも大量の感染者が迫ってくる。


「くそ!かかれ!かかれ!」


必死にキーを回す。


キュルルルルル、キュルルルルル、ブォン!


アクセルを踏み込み、ゾンビを撥ね飛ばす。


ガン!バコン!ガリガリガリ!


「クソ!まっすぐ走らねぇ!」


壁に車体を擦り付けるようにして走り続ける。

何とか立て直し、必死に車を走らせる。



――10分ほど走ったところで、再び問題が起きる。


プシューー!


ボンネットから煙が上がり、速度が落ちる。


「くそ!今度は何だよ!」


思わずハンドルをぶん殴る。



さらに5分ほど走り、完全に停車した。


助手席の自衛官を一瞥し、彼が持ったままの89式を取る。


「班長、どこか落ち着けるとこ探しましょう」


「ああ…」


車を降り、班長に肩を貸しながら歩く。

歩きながら89式の状態を確認する。

目立った損傷はない。

おそらく問題なく撃てるだろう。

しかし…弾は空。

まいったなぁ…


目の届く範囲で唯一車の停まっている一軒家に向かう。

車に近づき、ドアノブを引っ張る。開かない。

2階のベランダを見ると、窓が開いており、洗濯物が干しっぱなしになっている。

人がまだいるのだろうか。


玄関へ行き、ドアを叩く。

返事はない。

班長を玄関の段差に座らせ、窓から室内を覗く。


「…」


カーテンの隙間からロープにぶら下がった人影が3つ見えた。


再び玄関へ戻り、ドアノブを引く。開かない。

またベランダを見上げる。


「登るしかないか」


班長に向き直り、話しかける。


「おそらく無人です。少なくとも3人が中で首つってる。

ベランダの窓が開いているので、2階から侵入し、ドアを開けます。待っててください」


「ああ、気をつけろよ」


駐車場のミニバンの上に登り、助走をつけてベランダへジャンプし、手すりに摑まる。

よじ登り、ベランダの内側に着地する。

物干し竿を取り、室内に入る。寝室だな。

耳を澄ませるが、特に音はしない。

足音をなるべく立てないように歩きながら、廊下に出る。


引きずったような血の跡。

隣の部屋へと続いている。


物干し竿を強く握りしめ、恐る恐るとなりの部屋のドアを開ける。

子ども部屋だ。窓を突き破り、血まみれの子供がぶら下がっている。

上半身は窓の外。


恐る恐る近づき、物干し竿で突く。

反応はない。物干し竿で押して下に落とす。

腐敗臭がしなかった。死後間もない。


一階へ降りる。


ぶら下がった死体が3つ。

中年の男女と、老人。

ソファには、首を切られた女の子。


「…心中か」


すべての部屋を確認し、玄関のドアの鍵を開ける。


「班長、安全です。ただ、中に死体が4つ。死後間もないです」


「…。そうか」


2階の最初に入った寝室のベッドに班長を運び、寝かせる。


「ゆっくり休んでてください。俺は死体を外に出して、物資を確認します」


「ああ、何から何まですまん…」


一階へ降り、裏庭へ死体を引きずっていく。


「血生臭ぇな…」


死体をすべて運び出し、キッチンを漁る。


見つけたのは

缶コーヒー2本、半分ほどの2Lの水のボトル1本、食パン2枚、賞味期限切れの納豆1パック。


「…」


少しがっかりしながら2階へ持っていく。


「班長、こんだけしかなかったっす」


班長と食べ物を分け、眠りについた。

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