閑話 特殊部隊 Part2
<隊長視点>
「こいつ、医者だな…」
先ほど排除した感染者を見下ろし、隊長が呟く。
「まさか、全員死んでるとか…ないですよね」
「いや、30分前までは連絡があった。どこかに生存者が居るはずだ。
B班は2階で生存者の捜索、A班はこのまま3階のBブロック、3号室へ向かう」
「「「了解」」」
B班が2階へと降りていくその時、狙撃班から無線が入る。
『隊長、こちら狙撃班。逆光のため、よく見えないが銃や鈍器で武装している3人組を発見。どうぞ』
「自衛官や警官ではないか?どうぞ」
『一名は明るい髪色、鈍器を所持。銃を所持していると思われる人物については逆光のため詳細不明。一名が病院内を双眼鏡で確認している模様。どうぞ』
「脅威となりえるようなら排除せよ。どうぞ」
『了解。制圧する』
数秒後、屋上から銃声。
――数分後、Bブロック、3号室へ到着。
複数の感染者を始末し、目的の病室へ着いた。
ドアの鍵が閉まっている。
…生きているな。
ノックし、声をかける。
「我々は陸上自衛隊だ。抗体保有者の救出に来た。生存者はいるか?」
ガチャン!鍵が開く音がし、ハサミを持った女性看護師が顔をのぞかせる。
「じ、自衛隊ですか…?助かった…」
「もう大丈夫です、抗体保有者は?」
「この子です。昨日の朝、感染者に噛まれましたが、発症していません」
安堵しハサミを取り落とした看護師が座り込み、ベッドを指さす。
ベッドの上には無言でこちらを見つめる少年。
通常、感染者に噛まれてから発症までは早くて5分、遅くて1時間との報告が上がっている。
昨日の朝に感染したとすれば少なくとも24時間は経過している。
抗体保有者である可能性は高いだろう。
その時、2階から多数の銃声。
『こちらB班、2階はだめだ!感染者でいっぱいだ。医師を1名確保。撤退する!』
「こちら隊長。了解した。こちらも抗体保有者と看護師1名を保護。屋上へ向かう」
『こちら狙撃班!先ほど報告した武装グループの反撃により1名死亡!銃声で院外の無数の感染者が病院へ向かっている!至急退避されたし!』
報告を受け、階段を駆け上がり、急いで屋上へ向かう。
その間も銃声が鳴り響く。
――屋上。
「おい、院内へ向かう感染者の数を減らせ!」
狙撃班の生き残り2名が片っ端から感染者の頭を撃ちぬく。
「だめだ、きりがない!」
屋上のドアが開き、A班らが現れる。
「隊長!すごい感染者の数です!きりがない!」
『こちらB班!至急応援求む!1人やられた!』
「了解!応援に向かう!」
隊長がB班からの無線に応答し、狙撃班に抗体保有者と看護師を引き渡し、狙撃班に声をかける。
「おい、今からA班でB班の救援に行く!我々より先に感染者が屋上に来たら即、ヘリで帰投しろ!」
「「了解」」
A班を引き連れ、階段を下りる。
その時、ものすごい量の銃声がやんだ。
「B班、現在地を報告しろ!」
『…』
「B班!応答せよ!」
「くそ!急ぐぞ!」
――2階。
2階へたどり着くと、無数の感染者と、大量の死体が目に入ってきた。
死体の中に、B班の隊員1名の姿。
感染者の頭を撃ちぬきつつ、B班を探す。
すると一か所、ドアの前にゾンビが群がっている場所が。
まだ、生きている。




