第16話 集いし配信者たち【後編】
STREAMER INVITATIONAL開催まで残り十日。
前回の参加者発表は想像以上の反響を呼び、関連動画の総再生数は二千万回を突破していた。
だが。
BLUE HAWKにはまだ切り札が残されていた。
そしてこの日。
残る参加者たちが一挙に発表される。
午後八時。
Shinの配信。
待機人数は十五万人を超えていた。
『今日は全員発表?』
『チーム分け来る?』
『まだ大物残ってるだろ』
『頼むぞ』
コメント欄が流れる中、Shinは楽しそうに笑った。
「今日は残りの参加者を発表します」
その瞬間、コメント欄の勢いがさらに増す。
最初に映し出されたのは人気VTuberだった。
――天音みお
――登録者数68万人
歌とゲーム配信を中心に活動する人気VTuber。
ライブイベント出演経験も多く、女性ファンから絶大な支持を集めている。
『みおちゃんきた!』
『華があるな』
『絶対見る』
『人気すぎる』
続いて国際派ストリーマー。
――Noah
――登録者数61万人
日本語と英語を使い分ける国際派配信者。
海外コミュニティからの支持も厚く、グローバルな人気を誇る。
『海外勢きた』
『英語配信好き』
『大会の規模デカいな』
『国際色出てきた』
さらに実力派FPSストリーマー。
――クロノ
――登録者数52万人
分析力の高さと冷静な実況で人気を集めるFPS専門配信者。
『ガチ勢枠』
『解説うまい人だ』
『普通に強い』
『優勝候補』
次に映し出されたのは癒し系VTuber。
――しらたま
――登録者数45万人
まったりとした配信スタイルで幅広い年代から支持を集めている人気VTuber。
『癒し枠きた』
『かわいい』
『平和担当』
『大会大丈夫か?』
コメント欄が笑いに包まれる。
そして次の瞬間。
競技勢がざわついた。
――REX
――登録者数80万人
元プロFPSプレイヤー。
圧倒的なエイム力と派手なプレイで人気を集めるストリーマー。
『REXだ!』
『強すぎる』
『優勝候補追加』
『普通に化け物』
さらに人気女性VTuber。
――Aria
――登録者数57万人
企画力の高さで知られ、多数の大型コラボを成功させてきた人気配信者。
『アリアきたー』
『企画の天才』
『盛り上がるぞ』
『人気者だな』
続いて大ベテラン。
――KAZU
――登録者数50万人
十年以上活動を続ける古参ゲーム実況者。
『レジェンド』
『昔から見てる』
『安心感ある』
『大御所だ』
そして最後。
最もコメント欄をざわつかせた男が登場する。
――Viper
――登録者数63万人
元競技勢ストリーマー。
煽り気味のトークと高いゲームスキルで人気を集める話題の配信者。
『きたな問題児』
『絶対荒れる』
『面白くなってきた』
『トラブルメーカー』
発表が終わる頃にはコメント欄は完全に祭り状態になっていた。
これで全参加者二十名が出揃う。
現役プロはいない。
だが、知名度では誰一人負けていなかった。
総登録者数は約一千四百万人。
総フォロワー数は三千万人超。
初開催のストリーマー大会とは思えない規模だった。
『豪華すぎる』
『本当に初回か?』
『運営本気すぎる』
『普通に公式大会レベル』
『絶対見る』
『チーム分けまだ?』
コメント欄は次の発表を求める声で埋め尽くされる。
その様子を見ながらShinは意味深に笑った。
「まだ終わりじゃない」
その一言でコメント欄が爆発する。
『また何かあるの!?』
『怖いんだけど』
『BLUE HAWKだからな』
『どうせ隠し玉あるだろ』
実際。
あった。
まだ誰も知らない。
大会当日。
このイベント最大のサプライズが用意されていることを。
そして。
その中心にいるのが、登録者百万人を誇る個人勢VTuber。
Lunaであることを。
今はまだ。
誰も知らなかった。




