表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームは下手だけど、世界一のチームを作りたい!!  作者: 龍崎
第2章 蒼き鷹の飛躍

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/153

第6話 才能を見る目

BLUE HAWK本部。


ストリーマー部門オーディション最終選考の日。


会議室には佐藤誠司、朝比奈美月、Shinの三人が集まっていた。机の上には大量の資料が並び、数千人から始まった応募者もついに最後の数名まで絞られている。


「正直レベル高かったですね」


美月が資料をめくりながら言う。


「思ったよりな」


誠司も頷いた。


最初はチームの知名度を広げるために始めた企画だった。だが蓋を開けてみれば予想以上だった。配信者を目指していた人間、夢を諦めきれなかった人間、プロを目指していた人間。様々な人材が全国から集まってきた。


「最後はこの二人ですね」


Shinが二枚の資料を前へ並べる。


月城アリサ。


Kuro。


対照的な二人だった。


一人はコツコツ積み上げてきた努力型。


一人は圧倒的なトークセンスを持つ天才型。


性格も経歴も何もかも違う。


だが共通点が一つだけあった。


「配信が好きなんですよね」


Shinが言う。


誠司は静かに頷いた。


数字は後から伸ばせる。


環境も用意できる。


だが好きという気持ちだけは作れない。


だからこそ見ていた。


上手いかどうかではなく、続けられる人間かどうかを。


「呼ぼうか」


誠司の一言で最終面談が始まった。


最初に会議室へ入ってきたのは月城アリサだった。


「し、失礼します」


緊張しているのは誰の目にも分かった。椅子へ座る動作もどこかぎこちない。


「そんなに緊張しなくていい」


誠司が笑う。


「は、はい」


返事にも少し硬さが残っていた。


Shinは少し懐かしい気持ちになる。


昔の自分もこんな感じだった。


「三年間配信してるんだよな」


「はい」


「辞めようと思ったことは?」


アリサは少し考え込む。


そして正直に答えた。


「何回もあります」


会議室が静かになる。


「数字が伸びない時もありました」


「周りが成功していくのを見るのも辛かったです」


「でも辞められませんでした」


誠司が聞く。


「どうして?」


アリサは少しだけ笑った。


「好きだからです」


即答だった。


「リスナーさんと話すのが好きなんです」


「配信するのが好きなんです」


「だから続けました」


飾らない言葉だった。


だが嘘はなかった。


Shinは小さく頷く。


三年間続けるのは簡単じゃない。


好きじゃなければ無理だ。


面談が終わり、アリサが退出した後も会議室には少し温かい空気が残っていた。


数十分後。


次の面談者が入ってくる。


Kuroだった。


「どうも」


自然な口調で椅子へ座る。


緊張している様子はほとんどない。


むしろ少し余裕すらあった。


美月が思わず苦笑する。


予想通りだった。


「面談慣れてる?」


誠司が聞く。


「落ちる方で何回も」


即答だった。


会議室に笑いが起きる。


「事務所は?」


「全部落ちました」


「理由は?」


「口が悪いからです」


また即答だった。


今度はShinが吹き出す。


自覚はあるらしい。


「直そうと思わないのか?」


誠司が聞く。


Kuroは少し考えてから首を横に振った。


「無理ですね」


「何でだ」


「それやると俺じゃなくなるんで」


その答えに会議室が静まる。


予想外だった。


だが理解もできた。


それは配信者としての意地だった。


「配信好きか?」


誠司が聞く。


すると初めてKuroの表情が変わる。


「好きですよ」


即答だった。


「だから四年も続けてます」


「好きじゃなきゃ無理です」


その言葉だけは一切迷いがなかった。


アリサとは正反対。


だが根っこは同じだった。


配信が好き。


だから続けてきた。


面談が終わり、Kuroも会議室を後にする。


扉が閉まると静寂が戻った。


最初に口を開いたのはShinだった。


「どうします?」


答えはほとんど決まっていた。


誠司は二人の資料を見比べる。


月城アリサ。


Kuro。


どちらも完璧ではない。


だが可能性がある。


伸びる未来が見える。


そして何より面白い。


誠司は小さく笑った。


「二人とも採用だな」


その一言で決まった。


美月も頷く。


Shinも笑う。


BLUE HAWKストリーマー部門。


最初の二人。


その誕生が決まった瞬間だった。


そして翌日。


月城アリサとKuroの元へ、一通の連絡が届くことになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ