表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームは下手だけど、世界一のチームを作りたい!!  作者: 龍崎
第2章 蒼き鷹の飛躍

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/140

第1話 次の一手

「侵略者、ねぇ」


佐藤誠司はSKYLINEのタイムラインを眺めながら小さく笑った。BLUE HAWK本部の社長室。モニターには今日も大量の投稿が流れている。


『金満チーム』


『スター選手集めただけ』


『リーグ壊すな』


『負けるところ見たい』


『侵略者』


『嫌いだけど気になる』


設立から数か月。世界王者監督を獲得し、日本トップクラスの選手たちを集めた。当然、歓迎されるだけではない。だが誠司は特に気にしていなかった。むしろ予想通りだった。


「思ったより嫌われてますね」


隣で資料を整理していた朝比奈美月が苦笑する。


「そうか?」


「かなりですよ」


「上出来だな」


即答だった。


美月は思わずため息を吐く。


「普通そこは気にしません?」


「誰にも興味持たれない方が困る」


誠司はそう言いながらモニターを閉じた。会社を立ち上げた時も同じだった。新しいことをやれば批判は出る。目立てば叩かれる。それでも前に進むしかない。だから今も変わらない。


「でも」


美月が手を止める。


「これからどうするんですか?」


リーグ開幕まではまだ少し時間がある。チームは完成した。監督もいる。練習環境も整った。普通なら開幕を待つだけだ。


だが誠司は違った。


「世界一になるには何が必要だと思う?」


突然の質問だった。


美月は少し考える。


「実力ですか?」


「もちろん必要だ」


「資金」


「それもある」


「環境」


「正解だな」


誠司は頷く。だがすぐに続けた。


「でも、それだけじゃ足りない」


美月は首を傾げる。


「ファンだ」


部屋が静かになる。


「ファン?」


「強いだけじゃ世界一にはなれない」


誠司は椅子にもたれながら続ける。


「応援する人がいる」


「試合を見る人がいる」


「選手を好きになる人がいる」


「だから競技は大きくなる」


その考え方は経営者そのものだった。試合だけを見ていない。競技シーン全体を見ている。


「つまり知名度ですか?」


「知名度だけじゃない」


誠司は首を横に振る。


「応援したくなる理由だ」


今のBLUE HAWKは話題になっている。だが、まだ人気チームではない。本当の意味でファンが付いているわけでもない。世界一を目指すなら、もっと大きくならなければならない。


「リーグが始まる前にやれることがある」


誠司の目は既に次を見ていた。


その頃、配信ルームではShinが一人で先日の発表配信を見返していた。再生数は伸び続けている。コメント欄も今なお活発だった。


「数字は出るな」


正直、ここまでとは思わなかった。だが同時に分かっている。話題だけでは続かない。人気には理由が必要だ。応援したくなる物語が必要だ。


その時、スマホが震えた。


送り主は誠司だった。


『会議室来れるか』


短いメッセージだったが、Shinは思わず笑う。


「また何か思いついたな」


嫌な予感がした。そして大体そういう予感は当たる。


数分後、会議室。


誠司、美月、Shinの三人が向かい合う。


「相談がある」


誠司が言う。


「何です?」


Shinが聞く。


すると誠司は何でもないことのように言った。


「ストリーマー部門を作ろうと思う」


一瞬。


Shinの動きが止まった。


美月は額を押さえる。


やっぱり来た。


そんな顔だった。


「……マジですか」


「マジだ」


「そんな気はしてました」


Shinが苦笑する。


BLUE HAWKがここまで来た理由は単純だ。このオーナーが止まらないからである。


チームを作った。


世界王者監督を連れてきた。


日本トップクラスの選手を集めた。


次はストリーマー部門。


もう誰も驚かない。


「目的は?」


Shinが聞く。


誠司は即答した。


「チームを大きくするためだ」


その目は本気だった。


「世界一を目指す」


「だったら競技だけじゃ足りない」


「もっと人を集める」


「もっとファンを増やす」


「もっと大きなチームにする」


会議室が静かになる。


Shinは数秒考えた後、小さく笑った。


「面白そうですね」


その答えを聞いて誠司も笑う。


決まりだった。


BLUE HAWKは止まらない。競技チームとして。そして一つのブランドとして。さらに大きく羽ばたこうとしていた。


新たな仲間。


新たな出会い。


世界一への挑戦は、まだ始まったばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ