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ゲームは下手だけど、世界一のチームを作りたい!!  作者: 龍崎
第1章 世界一のチームを作ろう

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第25話 加入

「その道を最後まで作り続けてください」


白河大牙は真っ直ぐ佐藤誠司を見ていた。


冗談ではない。


試しているわけでもない。


本気だった。


これまで何度も期待して、何度も裏切られてきた。


強いチームを作ると言った人間。


世界を目指すと言った人間。


選手を支えると言った人間。


だが、その多くは途中で消えた。


だからこそ確認したかった。


目の前の男が本物なのかを。


「途中で諦めないでください」


「逃げないでください」


「本気で世界を目指してください」


静かな店内で、その言葉だけが不思議なほど重く響いた。


誠司はしばらく大牙を見つめる。


そして小さく笑った。


「約束する」


即答だった。


迷いはない。


考える時間すら必要なかった。


世界一を目指す。


それは最初から決めていることだからだ。


「会社を作った時も同じだった」


誠司はゆっくりと言葉を続ける。


「周りから無理だと言われた」


「失敗するとも言われた」


「笑われもした」


そう言いながらも、その表情に後悔はない。


むしろ懐かしそうだった。


「でも諦めなかった」


「だから今がある」


大牙は黙って聞いている。


誠司はさらに続けた。


「BLUE HAWKも同じだ」


「世界一になるまでやる」


「そのために会社も使う」


「金も使う」


「時間も使う」


その声には覚悟が滲んでいた。


口だけではない。


本気だからこそ言える言葉だった。


「だから安心しろ」


誠司は真っ直ぐ大牙を見る。


「世界へ行く道は俺が作る」


短い沈黙。


そして。


「お前はその先へ進め」


その言葉を聞いた瞬間、大牙は視線を落とした。


しばらく何も言わない。


だが、その表情から迷いが消えていく。


これまで何度も考えてきた。


プロになる未来。


ならない未来。


一人で強さを追い続ける未来。


どれも悪くなかった。


だが。


目の前の男と話していると、初めて別の未来が見えた。


世界大会。


世界最強。


そして優勝。


そんな夢物語を、本気で実現しようとしている人間がいた。


大牙は小さく笑う。


「やっぱり変な人ですね」


「よく言われる」


二人とも笑った。


最初に会った時よりも、ずっと自然な笑顔だった。


やがて大牙は大きく息を吐く。


肩の力を抜き、ゆっくりと背もたれへ身体を預ける。


そして。


まるで覚悟を決めるように口を開いた。


「分かりました」


誠司は何も言わない。


ただ静かに待つ。


「入ります」


短い言葉だった。


だが重かった。


白河大牙。


日本最強タンク。


競技シーン屈指の問題児。


その男が。


初めて自分の意思でチームを選んだ瞬間だった。


「BLUE HAWKに入ります」


誠司は少しだけ笑った。


嬉しかった。


だが騒がない。


天城蓮を獲得した時もそうだった。


本当に欲しかった人材を迎えられた時ほど、不思議と冷静になる。


誠司は右手を差し出す。


「ようこそ」


大牙も小さく笑った。


そして、その手を握る。


力強い握手だった。


世界を目指す者同士の握手。


その瞬間、BLUE HAWKはまた一歩前へ進んだ。



その日の夜。


BLUE HAWK本部。


会議室の扉が勢いよく開く。


「社長!」


飛び込んできたのはShinだった。


「どうでした!?」


後ろでは美月も立ち上がっている。


天城蓮も自然と視線を向けた。


誠司は少しだけ笑う。


そして短く答えた。


「獲った」


一瞬だけ静寂。


次の瞬間。


「マジかよ!」


Shinが思わず立ち上がる。


美月も笑顔になる。


蓮も静かに息を吐いた。


正直、難しいと思っていた。


だが。


やはりこの男はやってしまう。


「本当に来るんですか」


美月が確認する。


「ああ」


誠司は頷く。


「正式契約も進める」


その言葉に会議室の空気が一気に明るくなった。


誠司はホワイトボードの前へ向かう。


そしてペンを手に取った。


今まで一人しかいなかった選手欄。


そこへ新しい名前を書き加える。


DPS 天城蓮(Rei)


TANK 白河大牙(TIGA)


二つの名前が並ぶ。


その光景を見た瞬間、Shinが思わず呟いた。


「これ強くないか?」


蓮も小さく笑う。


「かなり」


大牙は本物だ。


実力だけなら世界でも通用する。


問題児だろうが関係ない。


勝利への執着は誰よりも強い。


だからこそ必要だった。


「あと三人ですね」


美月が言う。


誠司は頷く。


まだ終わりじゃない。


むしろここからだ。


世界王者監督パク・ミンジュンに再び会うためにも、さらに仲間が必要になる。


だが確実に前へ進んでいた。


何もなかったチームに。


少しずつ形が生まれている。


誠司はホワイトボードを見つめながら言った。


「次を探そう」


その一言に全員が頷く。


BLUE HAWK。


設立からまだ間もない新設チーム。


だが今。


日本最強DPSと日本最強タンクを擁するチームへと成長し始めていた。


そして競技シーンはまだ知らない。


このチームが本気で世界を獲りに行こうとしていることを。


世界一への挑戦は、まだ始まったばかりだった。

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