(アニー×ミチル)「ケンカしてプルプル」
アニーと喧嘩した。
たわいもない、くだらない理由だった。
朝起きたらアニーがいなくて。
ミチルは寝ぼけたまま、アニーを探して。
うっかり寝間着のままで外に出てしまった。
なお、ミチルの寝間着はアニーのシャツのみである。
パンツは辛うじて今日は履いてた。だが下半身はそれだけで。
つまり、言いにくいのだけれど、ミチルはワーオな生足を往来に晒してしまったのだ。
アニーは三軒先で飼われているニワトリの生みたて卵をもらうために出ていたようで。
ちょうど帰って来たら、玄関先でミチルの生足がワーオ状態。
もうお分かりだろう。
ミチルは闇執着系カレピからキツーく叱られたのだ。
それはもう、嫉妬に狂ったアニーは手がつけられないので。
確かに、寝ぼけて恥ずかしい格好で出てしまったオレが悪いけど。
行き先を言わないで出かけたアニーも悪くない?
ていうか、そんなに泣くことなくない!?
「バカッ! アニーの金髪ハンサム野郎!!」
イラッとしたミチルは思わずそう叫んでしまった。
なんという暴言を。アニーをハンサムにまで貶めてしまうなんて。
(注意 ミチルの中ではハンサムはイケメンよりも容姿の評価がだいぶ下です)
ミチルは自己嫌悪で恥ずかしくなって、寝室に閉じこもってしまった。
もはや朝食どころではない。
布団をかぶってフガフガしているうちに、家の中がシンとしている事に気がついた。
恐る恐るミチルがダイニングに戻ると、アニーはそこにはいなかった。
持って帰ってきた新鮮な卵も消えていた。
ミチルの勘が冴える。
アニーはマリーゴールドの所に卵を持っていったのだ。
あのヒグマおじさんはプリン作りの大名人だ。おじさんの趣味どころではない、店が持てるレベルである。
そしてマリーゴールド特製プリンはミチルの超大好物だ。
「にゅにゅにゅ……」
アニーはミチルのために、プリンを作ってもらいにヒグマおじさんの所に行ったのだ。
「一度ならず、二度までも……」
そう。理由はどうあれ、アニーは行き先をミチルに告げずに出かけた。
朝の件と、今。
「反省してねえなァ、あの金髪イケメンはァア!」
さあ、どうするミチル。まだ喧嘩を続けるか。
それとも……
「本気のオトナかくれんぼじゃあああ!」
ミチルの思考がどう転んでそうなったのか、もう誰もわからない。
見つけられるもんならやってみろ、とミチルはとある場所に隠れてアニーの帰りを待った。
「ミーチル、くーん……?」
抜き足差し足忍足。アニーはそっと帰宅して、寝室の扉を開ける。
「ご機嫌、直った……って、あれ?」
ベッドの上はもぬけの殻。そこに温もりもなかった。
「ミチル!」
アニーの行動は速かった。
「ミチルッ!?」
家中のドアというドアを開け。
「ミチルぅうう!!」
家中の収納を全て開いた後、たどり着く。この間、わずか五分。
「……みいーつけた♡」
ダイニングテーブルに突然かけられていた布。
テーブルクロスではない、シーツである。あ、洗濯済みのやつですよ。
アニーは即席テーブルクロスをめくって、隠れているミチルに目を合わせた。
「ミチル、愛してる。出ておいで♡」
「……ふにゅっ!」
超絶イケメンな顔面を携えた、アニーのスマイル。
「黙って出かけてゴメンネ♡」
「ふにゅにゅ……っ!」
アニーは全部わかっている。ミチルの完全敗北が決定した。
「ミチルの大好きなぷるぷるプリンだよお」
「にゅにゅ……ぉ」
朝食を食べてないミチルのお腹がぐうと鳴る。
だが、アニーは大胆な行動に出る!
「それともお……先に、こっちをぷるぷる、スル?」
「ふにょ、ぉおお……ッ!」
おおん♡
ミチルは更にお腹が減る事になった……




