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【BL】くしゃみのラブラブSS集め  作者: 城山リツ
07 ミチルからいってらっしゃいの♡♡

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38/40

(ジン×ミチル)「弟子は地獄を見たようです」

 どこかの変態師範のせいで、朝が遅くなりました。

 だけど師範の朝は早いです。理不尽ですが、負けていられないと思いました。




「シウレン、シウ……ッ、レーン!!」


 どたどたと、どかどかと、大きな足音が響く。

 同時に特異な言語が聞こえてくるので、その正体は道場の主だと誰もが思う。

 結果、だいたい無視される。

 そんないつも通りの光景……にしては、少し時間が早いか。


「シウレぇええン!」


 変態師範……もとい、毒舌師範のジン・グルースは、寝癖のついた長髪を振り乱し、寝間着のままで台所に駆け込んで来た。


「ああ、せんせ。おはよー」


 ミチルは少し眠そうにしながらも、白米を握っていた。その手元には「おにぎりのようなもの」が散乱している。


「シウレン! 何故先に起きた!?」


 ジンは血相を変えてそんな事を聞く。

 いや、「そんな事」ではない。彼にとっては「一番重要な事」である。


「えっ? えへへ……まあねえ、えっとねえ」


 ミチルは少し照れつつ、手元の白米握りを気にしつつ言葉を濁す。

 せっかちなジンは己の欲望から先にひけらかした。


「何故、儂の腕の中におらんのだぁあー! 目が覚めたら儂だけって、死ねと言うのかぁあー!」


「お、おお……」


 涙を浮かべて、ぶるんぶるん震えて訴えるジン。その迫力に、ミチルはうっかり「悪い事したな」とか思ってしまった。


「あんなに昨晩、儂の×××でお前は××ったのに、朝まで××でなくては×××ではないかあ!」


「黙れえ! どヘンタイ師範めえ!」


 改めて聞かされる耳の不幸。ミチルの耳は腐らずとも中耳炎くらいにはなりそう。


「儂はな、毎朝、あわよくば再び♡♡♡を狙っているのだぞ! 今朝はその気配すらないなんて、殺す気かぁあ!」


「黙れって言ってんだろぉおおおっ!!」


 耳が腐る前に、師範の口を塞がなければ。唇で、とかロマンティックには無理。

 ミチルは風呂敷包みを師範めがけて投げつける。


 だが、顔には投げられない。美形に傷がつく。

 ミチルは思いっきりジンの胸元に、大量のおにぎり(のようなもの)を叩きつけた。


「……むっ! なんだこれは!?」


「お弁当だよお! 今日は朝から出稽古だろお! しっかり指導してこぉおい!!」


 ヘンタイを口走って、ヘンタイ行為に走る前に、このヘンタイ師範を送り出さねば。

 ミチルが自分で設定したジンのための使命である。


「な……なんと、シウレンが、儂のために……弁当……ッ!!」


 結局、滝のような涙が湧き出るジンの輝く瞳!

 オジサンなので涙腺が弱い。最近はミチルが萌え行動に出ると必ず泣いている。


 そんな姿を見ていると……

 ヘンタイ的なのに、とても愛おしいっ!


 やっぱり塞ごう、唇で!




 むっちゅー♡




「……ふおっ!」


 咄嗟にされたミチルからのキッスは一瞬だった。

 ミチルも色々学んでいる。軽やかにバックステップで距離を取った。

 

 ジンの唇を襲ったりしたら、次の瞬間、即♡♡♡!

 だがこれから彼は出稽古に行かなければならない。そんな暇はない。

 ていうか遅刻なんてさせたら、「ジン先生ってば愛人と×××って××らしいわよ」と噂されてしまう!


「行ってらっしゃいッ!!」


 ミチルは脱兎のごとく台所から逃げ出した。

 とりあえず、日中は職務を果たして欲しい。邪魔はしたくない。

 さすがのジンも、ミチルの心意気に胸を打たれたか、追って来る事はなかった。



 

 その夕方……



 

「シーウーレーン……ッ!!」


 特異な言語とともに、特異なカレピ♡の御帰還です。


「あ、おかえり、せん……っ」


 むいむい、もんもんもーん!


「ほやああああっ♡」


 特異な擬音満載で、夜が更けていきます。

 やっぱり朝は遅くなります……

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― 新着の感想 ―
ミチルがジン先生の為に早起きしておにぎりをにぎる…。 愛情がこもってるおにぎり美味しかったでしょうね。 ジン先生、泣きすぎてしょっぱいかもしれないけどw で、夜はジン先生をにぎるとwww なんというサ…
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