8月5日 その⑲
なんと、ここに来てナンバリングのミスに気付きました。
8月5日に⑥が2個あった……(現在は修正済です)
「──半分近くと合流することができたわけだけど、俺達は誰かを見捨てたり取りこぼすつもりなんか毛頭ない。残る半分と合流したいんだけど、どうしようか」
8人が集まったビルの一室。長方形の机を囲んだ俺達は、残る10人と合流するための作戦会議を開始する。
俺を含めた7人は座り心地のいい椅子の上に腰を下ろしているが、魁亜だけは窓枠に腰を下ろしている。
敵でも味方でも、誰か来ないかの見張り役であった。こっちに顔を向けてはいないが、耳は傾けてくれているだろうと信じて話し合いを進めていく。
「ここにいない10人には、光を除いて居場所を共有することができている」
同じクラスの人以外には連絡ができないようになっている現在、唯一クラスが違う光だけとは居場所の共有ができていない。合流するのが難しいメンバーの1人だろう。
「──居場所を共有できているだけで、相手は圏外なのか返事は来てないわ」
俺の代わりにそう付け加えるのは、冴恵香であった。冴恵香のクラスで合流できていないのは、残り5人。
穂泉以外は、どんな人なのかあまり把握できていない。少し交流する時間を取れればよかったのかもしれないが、そんな暇も用意されていなかった。
「俺達のクラスの方も返事は来てない。だからといって、返事が来るまでここで待ってる──っていうのも時間を浪費することになるだろう。だから、探しに行こうと思う」
俺がそう口にすると、純介や百花が頷いて見せる。
「丁度俺達は今8人いるから、2人ずつのペアを作って4チームだ。それで、森林エリアと湖エリア、後もう一つのエリアを分担して探していく。残る1ペアはここで待機だ」
俺がそこまでそう口にすると、愛香が突如口を開く。
「栄の言うもう一つのエリアとは、妾達が踏破して来た砂漠のことだろう。あそこに足を運ぶのは自殺だ」
愛香の端麗な横顔は、真剣さそのものだった。砂漠に何がいたのかはよく聞いていない。
だけど、愛香がそう口にして皇斗が頷いているのだから冗談ではないのだろう。
「──率直に言う。あの砂漠で、生半可な実力のやつが生き残れるとは到底思えない。必要な実力は、妾以上だ」
女子のトップである愛香がそう口にすると、該当する人がいない──そう思えてしまう。だが──
「──愛香ちゃんの強さがどのくらいか知らないけど、もしかしたら1人私のクラスにいるかも……」
「あぁ。アイツならお前より強そうだ。なにせ、俺と拮抗する──いや、時と場合によりゃ俺を超える可能性だってある」
冴恵香が遠慮がちにそう口にして、魁亜が自信ありげに補足した。魁亜以上の実力者。
そうなると、かなりの傑物だろう。
「──ほう。そんな人間がいるのか。ならば、もう一度あの砂漠に足を運ぶのもアリかもしれない」
「じゃあ、さっき栄が言ったみたいに2人ずつ4ペアを作ろっか。クラスは──、そうだね。できるだけ混合にしよう」
愛香が納得を示したので、冴恵香が結論をまとめてくれる。クラスを混合にしたのは、お互いのクラスの人に出会った時にすぐ対処ができるようにするためであった。
「──じゃあ、誰と誰がペアになる?」
できれば、非戦闘員を固めるようなことはしたくない。とりあえず、戦闘員と非戦闘員で分けることにしてみよう。とりあえず、俺のクラスの戦闘員は俺と愛香・皇斗の3人だ。非戦闘員は、純介と智恵の2人。いや、七つの大罪があるから智恵も戦闘員にカウントしてもいいかもしれない。智恵を危険な場所に行かせたくないが、今回は圧倒的に人手不足だ。非常時には動いてもらう必要があるだろう。
「砂漠は妾と魁亜で行く。それで文句はないだろう?」
真っ先に愛香はそう宣言をした。その視線の先に俺はいない。そこには、皇斗がいた。
この場で一番の実力を持っており、一緒にその砂漠を踏破した皇斗に問いかけているのだろう。彼もその意図を汲んだのか、「それで構わない」と口にした。
「──私と栄はお留守番じゃない方がいいんじゃない?皆に顔が割れてるんだし」
「それもそうだな。固まってもあれだし、それぞれ別のペアになるか」
「了解」
冴恵香の提案で、俺は他の誰かとペアになることにした。
「じゃあ、ボクが栄とペアになるのがいいかな。それとも智恵ちゃんと一緒がいいかな?」
そう口にして俺の方へと微笑みかけるハンサム女子は、今回俺達のクラスに冴恵香達への伝達係として入っていた百花であった。智恵と一緒にいたいと思う気持ちもあるが、今は私情を挟むべきではないだろう。
「いや、智恵は今回純介と一緒にここに残ってもらう。だから、百花。よろしく」
「ああ。勿論だよ」
「そうなると、余は冴恵香と一緒か」
「よろしくね、──皇斗君」
「皇斗で構わない」
冴恵香は、まだ皇斗と関わりが薄いのか少し距離感があるように見えた。確かに、皇斗は背が大きいしイケメンなので高嶺の花というイメージが付きやすいのかもしれない。思えば、最初はどこか異質な存在であったような気もする。
「──じゃ、純介は智恵とここを任せた」
「勿論。帰ってきたら敵に占領されてました──みたいなことにはならないようにするから、心配しないで良いよ」
智恵を戦闘員換算して、俺達はペアの配分を確定した。
──全員と合流して、このデスゲームを優位なままクリアしてしまいたい。
俺達のそんな祈りが届くかどうかを知っているのは、きっとマスコット大先生達だけだろう──。





