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第四章 第一話 王都に着きました

「ようやく王都に着いたな」


 俺たちは御前試合が行われる王都に、ようやく辿り着く。


「さてと、とりあえずは宿屋を探すとするか……お、おい! カリン、セリア! 何をする!」


「お嬢様、セリア様、いったいどうしたと言うのですか!」


 馬車から降りた途端に、カリンとセリアが俺に抱き付いてきた。


「これは、またあの女のように変な虫が付かないようにするための処置ですわ」


「そうです。これはお兄様をお守りするために必要なことなのです」


 俺としたことがすっかり忘れていた。そう言えば、前回この王都に来たとき、道を聞こうとして通りすがりの女性に声をかけた。


 その女性は道案内をしてくれると言ったけど、違和感を覚えたカリンが断ったんだよな。


 まさか今回も俺に引っ付いてくるとは思わなかった。


 本当に歩きにくいから勘弁してほしい。


「大丈夫だって、今回は人に尋ねるときは男にするから」


「ダメです! 相手がホモだったらどうするのですか!」


 いったいどんな確率論で話しているんだよ! この王都では十万人以上の人が暮らしているんだぞ! その中からホモを引き当てる確率は低いって!


「なぁ、ミレニアからも何か言ってやってくれ」


「それはさすがに無理です。ただのメイド如きがお嬢様に口出しするなんて」


 俺を庇ってくれたあの時のお前はどこに行った!


「ああ、どうして王都に来るとこんな目に遭わないといけないんだよ」


「自業自得です。お兄様」


「あれは事故のようなものだろう」


 こうなったら、早く宿屋に行って部屋を借りよう。さすがに部屋の中まで引っ付いて来ることはないだろうし。


「分かった。分かった。このままでいいから早く宿屋に向かおう」


 俺はカリンとセリアに抱き付かれ、歩きにくい中宿屋を探す。


 もしかしたら気のせいかもしれないが、すれ違う人から視線を向けられているような気がする。


 それもそうだよな。二人の美少女に抱き付かれながら歩いていたら、どうやっても目立ってしまう。


 それから体感で十分が経っただろうか。ようやく宿屋の看板を見つけることができた。


「やっと宿屋を見つけることができたな」


 宿屋の前に来ると、ドアノブを回して扉を開ける。


 受付には宿屋の女将さんがいるな。早くチェックインを済ませて部屋に入りたい。


「ほら、宿屋に着いたのだから、離れてくれ」


「セリアちゃん。お願いします」


「分かりました。セリアサーチ」


 またセリアが意味の分からないことをやり出したな。


「ピー、ピー、ピー、前方に危険人物を発見しました」


 いや、宿屋の女将さんはどう見たってセーフだろう。


「ふざけていないでさっさと受付を済ませるぞ」


 俺は二人を振り払って、受付にいる女将さんに声をかける。


「すみません。部屋を借りたいのですが」


「あら、あなた」


 女将さんの言葉を聞いた瞬間、背筋に寒気を感じた。


 背中に突き刺さる視線にこの寒気、間違いなくカリンとセリアが睨んでいるな。


「あなたってもしかしてアスラン君かしら?」


「そうですが、どうして俺の名を」


「あなたのお父様から言伝を頼まれているのよ。酒場で待っているって。もう一週間以上前になるわ」


 一週間前だって! もしかしてアスランの父親は、俺たちは転移石で来ると思い込んで女将さんにそのメッセージを伝えたのかもしれない。


 だけどまぁ、わざとではないし、事故のようなものだ。事情を話せばわかってもらえるだろう。


 アスランの父親の件は一旦置いといて、今は受付を済ませるのが重要事項だ。


 俺たちは名簿帳に名前を書き、受付を済ませて宿泊料を支払う。


「これが鍵よ。でも、夜中にあんまり大きな喘ぎ声を出さないでね。他のお客様に迷惑がかかるから」


 女将さんの言葉に、俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。


 いったいナニを心配しているんだよ。


 部屋の鍵を受け取り、俺たちは鍵に書かれた番号の部屋に行く。


 本当なら二つ部屋を借りたかったのだが、前回と同様で金に余裕がなかったので一つにした。


 一応御前試合に勝てば賞金が手に入るからな。それまでの辛抱だ。


 部屋に入り内装を見る。


 うん、ベッドは四つあるな。これなら前回のようなことにはならないですみそうだ。


 箪笥やイス、テーブルなんかも凝ったデザインをしている。なかなかオシャレな部屋だ。


 俺は荷物を下ろすと、イスに腰を下ろして今後について考えた。


 今夜は一応、念のために町の酒場に行ってみるか。アスランの父親がいると言う保証はないが、女将さんから言伝を聞いた以上は、行くしかない。


「カリン」


「なんですかアスラン?」


「俺は今夜酒場に行ってくる。親父が呼んでいたと女将さんが言っていたからな」


「分かりました。では、わたくしたちも同行しますわ」


「え? 付いて来るのか?」


「当たり前ですわ。この町ではアスランは危険なんですもの」


 いや、あれは本当に偶然としか言えないのだけど」


 どうやら俺は、この城下町にいる限りは自由と言うものが存在しないようだ。


最後まで読んでいただきありがとうございます。


 この物語が面白いと思ってくださった神様のような方へ


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