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第三章 第十話 魔剣を処分したその後

 魔剣に擬態していたミミックを倒した後、俺はミレニアに駆け寄る。


 彼女をゆっくりと抱き起こし、様子をみる。


「そのまま唇を奪おうとはしないのですか?」


「起きていたのかよ」


「ええ、メイドですので」


 いや、全然理由になっていないし、それなら元Aランク冒険者だからと言われた方がしっくりくる。


「それでは、もう一度目を閉じているところからやり直しましょうか?」


「しなくていい!」


 どうやら冗談を言えるほど、元気なようだ。ミミックに寄生されて一時はどうなるかと思ったけど、後遺症もなさそうで良かった。


「ミレニアが元気でよかった。そろそろ町に戻らないと、カリンたちが目を覚ますかもしれない」


「そうですね。ワタシとアスラン様が逢い引きしているところを見られたら、お嬢様がどのような行動に出るのか分かりませんので」


「何で逢い引きになるんだよ!」


 俺は声を上げると、彼女はニヤリと笑う。


 まったく、このメイドは時々考えていることが分からなくなる。


「とにかく引き返して早く帰ろう」


 俺たちは来た道を引き返して洞窟を出た。


 洞窟の中に入った瞬間、太陽が登り始めたようで、少し眩しかった。


 もうこんな時間になっていたのか。思っていたよりも時間の進みが早いな。


 馬車の助手席に座り、ミレニアが乗るのを待つ。


「アスラン様、お疲れなのではないのですか? 馬車の方で横になっていたほうがよろしいのではないのですか?」


「それはミレニアもだろう」


「いえ、ワタシは全然大丈夫ですよ。徹夜することくらい、冒険者の頃には何度かありましたので」


「それでも、常に意識がある状態とは言えないだろう? 万が一にでも、ミレニアが居眠り運転をしたら俺が困るからな。寝れないように話し相手になってもらう」


 助手席に乗った理由を教えると、彼女はくすりと笑った。そして彼女は手綱を上下に動かして馬に指示を送ると、馬はゆっくりと歩き出す。


「そうですね。その可能性は考えていませんでした。では何から話しましょうか?」


「そうだな。ミレニアのことを聞いてもいいか?」


「バストサイズでしたらGカップですが」


「誰が胸のサイズを教えろと言った!」


 たく、このメイドは隙あれば俺をからかおうとしやがる。それにしてもGか。メイド服の上からでも分かるほどの巨乳だと思っていたが、そんなに大きいとはな。


 それにしても、よくこんなに大きいものを二つぶら下げながら、あれだけのスピードで戦えれるものだ。


「アスラン様、ワタシですから許しますが、お嬢様がいる前では、女性の胸を凝視するのはおやめください」


「す、すまない」


 まさかバレていたとは。そう言えば、女性はいやらしい視線には敏感だと言うのを聞いたことがあるな。


 今度からは気をつけるとするか。


 その後もミレニアと色々と話、彼女との距離を縮めていった。


 馬車に揺られること役三十分は経っただろうか。ようやく町が見えてきた。


 馬車が町の中に入り、馬を預ける場所に向かう。


「それではお願いします」


「はいよ。また出発するときは声をかけてくれ」


 馬車を預け、俺たちは宿屋に向かう。すると、宿屋の前でカリンが待ち受けていた。


 彼女が俺に気付くと小走りで駆け寄り、そして鋭い視線を俺に向ける。


「お早いおかえりですね。朝帰りとは、いったいどう言うことなのでしょうか?」


「カリン、これは」


 彼女に説明をしようとすると、ミレニアが前に出た。


「お嬢様、アスラン様は大変お疲れなので、ワタシが説明をいたします」


 ミレニアはカリンを引っ張り俺から離れる。


 どうやら小声で説明をしているようで、俺のところからではカリンに対してどんな弁明をしているのかが聞こえてこなかった。


 しばらくすると、説明が終わったようで、カリンが振り向く。


「アスラン」


「は、はい! 何でしょうか!」


 俺は思わず背筋を伸ばして彼女に敬語で返答する。


「今回は事情が事情だから許します。ですが、次からはわたくしにも一言言ってください。いいですわね!」


「はい!」


 もう一度返事をするとカリンが近づき、俺の胸に頭を埋める。


「本当に心配したのですよ。あなたの身に何かあったのではないかと、気が気ではなかったのですからね」


「すまない。心配をかけた」


 俺はカリンの頭に手を置くと、優しい手付きで彼女の頭を撫でる。


「これ以上わたくしに心配をかけないでください。バカ」


 これからはもう少しカリンたちのことを信じて、事前に相談するようにしないとな。


「取り敢えずは宿に戻ろう。少し休憩して午後から出発だ。王都まであともう少しだからな」


 二人に宿の中に入るように促すと、俺は建物の中に入った。


 最後まで読んでいただきありがとうございます。


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