身分あかし
「すみません。そこのあなた?」
ルミアは悠然と歩き出した。透明魔法を解除して。お嬢様スタイルで。
「だ、誰だ!…ふんっ平民か。」
突如現れた私を彼は驚いたように見つめたが、私の簡素な服をみるとさっきと同じ小馬鹿にしたような表情に変わった。
うわぁ、あからさますぎ…
「ルミアさん!!」
ヨシュリーナさんは私を見て目を丸くしている。
「なんだ、お前の友達か。もしかして、同じ没落貴族なのか?」
「いえ。」
「そうか!ならば、大丈夫だな。」
こいつは、私が平民ではなく貴族だという考えがそもそも浮かばないようだ。
「それならば、」
彼は関係なく続けようとした。ヨシュリーナさんへの暴行を。ヨシュリーナさんがびくっとなる。
「馬鹿じゃないの。」
そこでルミアはキレた。割とすぐに。愚かすぎる彼に。
「馬鹿、だと?」
彼がピリッとした空気になる。こちらはさらに短気だった。
「馬鹿以外の何者でもないではありませんか。」
「なんだと!?平民が何をいう!」
「ルミアさん、大丈夫ですから!」
勢いよく眦を釣り上げたライトを見てヨシュリーナさんが慌て出した。
だが、このままルミアが放っておくわけがない。
正直、こういう愚か者はとてつもなく嫌いなのだ。
「ヨシュリーナさん…フフフ、わたくし、このような愚か者は大嫌いですの。」
ルミアのただならぬ様子&奇妙な笑いにヨシュリーナさんが少し(いや、かなり)顔を引き攣らせた。
「なんだ!うるさいな!」
しかし、彼はめげずに怒り返す。
仕方ない。ルミアは冷静に考えて、もう身分を明かすことにした。友達を傷つけようとした彼にとてつもなくキレて暴走しているのだった。
「この私が誰だかわかっていっているのかしら。」
「平民なんか把握していられるか!」
「わたくし、ルミア・ヴィズダムと申しますわ。ヴィズダム家長女ですの。ふふ。」
瞬間空気が凍った。ついでに時も止まった。
最初に動き出したのはヨシュリーナさんだ。
「ルミア、様!無礼をお許しください。今までの数々の無礼!」
「いえ、友達ですので大丈夫ですわ。こちらが望んでいたことですもの。ただし、友達ではない、ただの敵対者にはご容赦いたしませんわ。」
ルミアはとてつもなく鋭い瞳でライトを見つめた。
彼が震え上がったのはいうまでもない。
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