偵察と勘
「あ、あの!」
「ん?なんでしょうか?」
勇気を振り絞るようにして話しかけてきたヨシュリーナさんに首を傾げて尋ね返すリースさん。
「その…ライトさんという方はく、黒髪の方ですかっ!」
「そうですが…?」
彼は怪訝そうに答えた。何故そのようなことをという感じだ。
「ありがとうございます。」
「いえいえ。」
それだけで彼らの会話は終わったようだ。
それにしても、ライトさんとは誰だろうか?
そう考えてなお、ついていくルミア。
「おお!ヨシュリーナ!」
ついに門までたどり着いたヨシュリーナさんたちのところへとライト?という方が走ってきている。
身なりを見るに…それなりに金持ちそう、頑張れば弱小貴族程度には見える装いだ。そう装いだけなら。
装いならそこまでだが、彼から発せられるオーラには…これは、常人のもつような雰囲気ではない。
…それが、ヨシュリーナさんに何の用?
ルミアは疑問に思って目を細める。
ヨシュリーナさんは敵意を持っているところは未だ見えないので取り敢えず安心しては良さそうだが。というかしたいところだが。
「リースさん、教えてくださりありがとうございました。」
ちょこんとお辞儀をしたヨシュリーナさんはライトと呼ぶ方と一緒に先に帰っていった。
それだけ、だが…ルミアはものすごい違和感を覚えた。
…あのヨシュリーナさんに気品が、あった。
あの、というには変だ。ヨシュリーナさんにはそれに、他にも変なところはある。ライトさんと会う時に手で髪の毛を整えていたのだが、癖毛がそれでほとんど消えたのだ。
何か、細工が、ある?
とてつもない違和感がルミアの頭の中を占めた。
ヨシュリーナさんっぽくない。何かあったのだろうかと心配になった。単純に友達として。
ということで追いかけようとして、自分が今どこにいるのか思い出す。学校は仕方ない、今日は無かったことにしておこう。それは、何かが起こる気がしたから、というただの勘だった。
まあ、ルミアは別にそんなに学校が絶対行かないと!というほど真面目なタイプでもないのでたまにはサボりもいいと思った。
あとで、教師が気づいて顔面蒼白になることを知らずに。
…とはいえ、この選択がちゃんと正解だったとルミアはすぐに知る、いや、知ってしまうのであった。
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