秘密
「あっ、リクト王子の時はめっちゃ笑ってたわ。」
そう私が呟くとパルティアは見ていておもしろいぐらいに慌て出した。そういえば丁寧語じゃない。まあ、いいか。
「あっ、あっ、あっ、あの時は、その…役になりきる必要があったひゃらです!」
噛んでる。か、可愛い。そういや、
「もしかして、入学式の挨拶の時から教師の人たちはパルティアの秘密知っていたの?」
パルティアは一瞬きょとんとした顔をしたがすぐに話し始める。
「あぁ、あれは知ってる人も知らない人もいるです。新入りは知りませんが…古株は知っています。要は信用の差です。」
なるほど。ていうか、語尾が。
「そうなんだ。パルティアは王子演じててしんどくないの?」
聞いてから自分のことが信じられなかった。しんどいに決まってるのに何故聞いたかと。だが、パルティアの答えは想像を超える者だった。
「国民のためなので、別に。」
あの顔は、私が初めて見る王族の顔だと思った。
「そっか。」
「はい!」
でもやっぱパルティアだ。
ガチャ
と、そこでドアが開いた。
「あ!」
どこからともなく声が漏れてしまう。
.....しまった!今の会話聞こえてた!?
そう思ったが心配は杞憂だったようだ。
「別に今の会話は聞こえておりません。実はこの部屋、防音機能が高いそうです。」
するすると近づいてきたパルティアが教えてくれた。
「え?」
パルティアはくすりと笑う。
「王が言っていました。特にこの部屋は学校の中でも防音機能が優れているそうです。なので、ここでは告白の有名ゾーンだったそうです。」
そんなことがあったんだ。前世での裏庭みたいな感じ?まあ、裏庭は筒抜けなんだけどね。
「「っ!!」」
そこで、二人同時にここに人がいたことを再び思い出した。
だが、幸にもそれも聞こえてなかったのか、入ってきた人は黙って本を読んでいる。名前は覚えていないが髪型は変わっているような気がする。
貴族ならば髪の毛の色を変えることは日常茶飯事だ。
じゃない!まてまて、こういう風に油断するのはだめだ。貴族は感情をうまく制御出来るのだ。
だが、果たしても私の懸念は解消された。
今度はパルティアは手紙で渡してくれたのだ。
「あの顔は本当に聞こえてないと思います。」
パルティアは王子だ。
信用出来るだろう。
もう大人しく座っとこうっと!
読んでくださりありがとうございます。




