試験結果は…?
ルミアは珍しく、家の前でずっと立っていた。
何をしているのか?
何を隠そう、ノーリズ学院、試験結果を待っているのである。
普段ならば、メイドのアンノかロイジャが取りに行くのだが、これに関しては譲れなかった。
「てか、寒〜」
「ルミア様、これをどうぞ。」
優秀なアンノは私の言葉を聞くと、すぐにコートを差し出した。
寒いのでありがたく受け取り着る。
あったかーい!
何かの動物の毛なのか、もふもふとしていて気持ちいい。その手触りを楽しんでいたが、カツカツと音がして顔を上げる。
「ルミア様、これではないですか?」
アンノの言った通り、カツカツは氷かけの地面を踏んでいる靴の音で短い髪の男の子が、白い息を吐きながら走ってくる。
届けることが原則なので、結局のところ、貴族というのはばれてしまった。ただ、もちろん伏せてもらっている。貴族だからと言っても合格に関しては平等で、受かっても周りと平等で。
と、いうことは決めてあるので、ずるはしていない。
「受かってるかなぁ。」
さあ、袋を開けよう。と思うものの、手が悴んで開けれない。
アンノも同様だ。
「もう、風魔法を使おう。」
めんどくさくなり、風魔法で封を切った。ついでに手も少し切れた。
「ルミア様!お手が!」
アンノが悲鳴を上げた。
流石にそこまでではない。
「大丈夫。大丈夫。」
中身を取り出そうとするが、袋に血がついた。ほんの少し、少しだが、優秀なアンノはばーんっと目を光らせた。
「ルミア様、お手を。」
怖くなりつつも差し出す。
手は生贄だ。
アンノはしばらくぶつぶつと呟いていたが、やがて顔を上げた。
手の傷は無くなっていた。
「え?ええ?なにこれ!」
「癒し魔法ですが?」
それが何か?という顔のアンノ。
「癒し魔法?」
「知らないよ!です!」
なんか、変になった。が、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「えーと、厳密には魔法ではありません。空気を使って癒しに変える。私の得意分野です。」
「私も出来ますか?」
「練習すれば出来るのでは?」
「ほんとに?」
「はい。」
「今度教えてください!お願いします!」
「それはメフィル様やマルヴィル様に聞いてください。そんなことはともかく、封の中身、見ないんですか?」
はっ!忘れてた!
いそいそと中身を取り出して見る。アンノと二人で手紙を覗き込む。
〜ルミア様へ〜
この度は、本校を受験くださりありがとうございます。
魔法試験‥首席のS 筆記試験…順首席
体力試験…首席
と、いう貴方様の結果からみごと合格ということにいたしました。
つきましては、別プリントの方をご覧ください。
また、貴方様の結果は首席ということから入学式の挨拶をお願いしたいのですが…。
どうでございましょうか?
お返事をお聞かせください。
それでは、学院でお待ちしております。
〜学院長 ノールズ〜
文章的には普通なのだが…。
アンノと私は顔を見合わせる。
かなり緊張していたのか、筆跡は少し震えているし、変にはみ出している。
…そこに関しての話はここで終わりで。
「やった!首席だ!」
ルミアは手を上に振り上げた。
アンノの、ノリが今日は悪い…?
と、隣を見るとアンノが涙ぐんでいた。
「ぐすっルミア様が合格っされて、とても、ひっく、嬉しく存じっます。」
なんか、この世界で初めて出会った時となんか似てる…。
と、思うとアンノはパーティーをいたしましょう!と元気になった。
…回復はやっ!
「でも、アンノが喜んでくれて嬉しいな。」
祝ってくれる人がいるというのは幸せなことだ。
ルミアはそう思った。
「当たり前でございます!」
そっか。
胸の中を暖かなものが満たした。
幸せな気持ちに浸っていたが、思い出す。
あ、入学式の挨拶を考えなきゃ…。
実は私、こういうのを考えるのが苦手だ…。
ロイジャに頼もう。
あいにく、人の前で話すのは慣れているしね。
「ルミア様、戻りましょう!風邪をひいてしまいますので。」
それもその通りだ。
帰ろう。
ルミアはアンノと手を繋ぎながら戻った。
メイドと主人という立場上、あんまり無いが、たまにはいいだろう。
読んでくださり、ありがとうございます!




