11-3. 上級国民居住区コーナン
この物語はフィクションです。
作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、
特定の事件・事象とも一切関係はありません。
「いらっしゃいませー」
「へへ、どうも」
サトウは休職中であるオウズマートを訪れていた。
そんな彼を、代わりにシフトに入っていたイナガキが出迎える。
「辞めたんじゃなかったか。お前」
「しばらく休むだけのつもりだよ」
「何連勤することになるだろうな。俺は」
「ワンさんに人増やしてもらおうよ」
眼前にいるのは自分のシフトを増やすきっかけになった男。そもそも何故出勤してきたのか、イナガキは気になった。
「で、何で来たんだ。早速復職か」
「いやちょっと待ち合わせ的なね。ちょっとお邪魔させてもらうね」
「はぁ、まぁ座れよ。俺は品出ししてくる」
レジの内側の座椅子に座るよう、イナガキに促されるサトウ。
その間ずっとサトウの隣にはスイが立っていたのだが、品出しに向かうイナガキには見えていないようだった。
「‥‥本当に僕にしか見えてないんだね」
「他の方にも見えるようにすることも可能です」
「そうなんだ」
「私とカワキタ前宰相は同じ拡張現実のオブジェクトです。先日、演説していた全宰相は他の方にも見えていたでしょう?」
拡張現実のオブジェクトは可視化フラグにはON/OFFがあるものの、体内のナノマシンが古いサトウにはフラグ関係なく視えるらしい。
改めてよく分からないことに巻き込まれたな、と考えていたサトウに、スイが囁く。
「反応が近づいてきました。目標が現れます」
日に二度ほどハッチョーボリを訪れる上級国民。その人物がすぐ近くに現れたらしい。
「ナンダッテー!凄く都合がいいな。サクサク進みそうだ」
まだ夏も始まったばかりなのに5キロ痩せました。死ぬって。
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