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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第10章 幻想の花嫁

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#280 ルーミアの声優デビューと暴かれた秘密

 私には密かな趣味があった。

 ⋯⋯それは。


「はい、最新話アップ⋯⋯と」


 そうこの『カクヨミになろう』という小説投稿サイトに作品を上げているという事だ。


 もともと私は声優になるというイメージトレーニングの一環で昔話をアレンジした『ジェネシック昔話』という動画を上げていたのだが⋯⋯。

 まあこういうオリジナルの小説も書いてみたくなったのだ。


 しかし次第に私の趣味丸出しになっていき⋯⋯いつしかVチューバー・ルーミアとして発表はできない内容になっていった。


「さーて、読んでくれるかな?」


 投稿から30分も経たずに既読がついた。

 そして感想まで送ってくれている。


 [ぱれっと:今回もおもしろかったですLUMIA先生! ルミ×アリは正義! つきましてはファンアートを送りたいのですがよろしいでしょうか?]


「なんですって!?」


 そう⋯⋯私がこのサイトに投稿しているのはルーミアとアリスのイチャイチャ二次創作なのである。


 ⋯⋯本人の痛い妄想とか言わないでほしい。

 乙女にはこういう吐き出す場所が必要だったのだ。


 それにしても⋯⋯。


「ファンアート? 私の作品に?」


 信じられなかった。

 だって私のこの『魔砲少女マジカルアリス』のブックマークはたった10なのに⋯⋯。

 その中にファンアートまで送るほどの熱心なファンが居たとは⋯⋯。


 我ながら単純である。

 こうしてだたの趣味だった小説がいつしか読者に私の作品を届けねばという使命感に変わっていったのだった⋯⋯。


 そしていつしか私が作品をアップするとこのぱれっとさんが挿絵を描いてくれる。

 そんな関係に私達はなっていった⋯⋯。




 まあそれが3か月くらい前の話である。


 しかし今現在の私はリリカルエンジェルの声優という仕事を抱えてこの作品はエタりつつあった⋯⋯。

 そして日々の忙しさに黒歴史ともいえるこの創作活動を忘れつつあったのだった。




 それから3か月くらいたった現在⋯⋯私はリリカルエンジェルの収録のためにスタジオにアリスケ君と来ていた。

 自宅では普通になれたけど⋯⋯ここだと緊張感が増すなあ私達は。


「今まで留美さんとは別録りで会わなかったのに、今日は一緒なんだね?」

「⋯⋯そうね」


 ⋯⋯勘が良いからなあアリスケ君は⋯⋯乙女心には鈍感なんだけど。


 このリリカルエンジェルの収録はもう12話分になっている。

 放映は来年の春なんだけど⋯⋯こういう声優の収録は早いのだと放映1年前には終わってる作品もあるのだ。


 このリリカルエンジェルではアニメ放映前にこうやってテスト的に収録を貯めておいてから、声優の演技や解釈が良ければそれが脚本にもフィードバックされることがあるのだった。

 場合によっては合わない声優は降板させられたり、このキャラとこのキャラの声優を入れ替えるか⋯⋯とかの判断もあったりするテスト期間でもある。


「まったく留美さんをモブに使うだなんて失礼なアニメだよなあ⋯⋯でもいい役だよね委員長は」

「あーうん、そうね⋯⋯」


 やっぱり未だに引きずっているアリスケ君だった。


 しかし今日の私はいつもとは違った緊張感を持っていた。

 それは今日はついに私が⋯⋯リリカルエンジェルの声優として発表されることになるからだ。


 ⋯⋯それを知ったらアリスケ君どう思うのだろうか?

 怒るかな? 今日まで思いっきりダマしてたわけだし⋯⋯。


 こうして運命の収録が始まるのであった。


「それでは第13話の台本を配ります」


 アニメ監督と音響監督が台本を配る。

 それを私達出演声優全員が受け取る。

 そしてすぐに全員が台本チェックを行うと⋯⋯。


「⋯⋯はえ!? 留美さんがリリカルエンジェルに!?」

「あー、やっぱそうなったかー」


 そうアリスケ君と共演者の井上さんがそう言った。


「⋯⋯実はそうだったの」


 なんか気まずい私だった。


「井上さんは知ってたの!?」

「いんや。 でも追加戦士枠は毎年恒例だし、ルーミアちゃんをモブ役でキープするのは不自然だったからそうなのかなーとかは思ってた」


 どうやら業界のベテランである井上さんには予想通りだったようだ。


「⋯⋯ルーミアがリリカルエンジェルに? 追加戦士枠で?」


 なんかブツブツつぶやくアリスケ君だった⋯⋯なんかコワイ。


「監督! あなたはルーミアをモブにするサイテー監督だと思ってたけど⋯⋯最高だよ、あなたは!」

「アリス君、嬉しいのはわかるが口には気を付けろよ」


 なんか感情を暴走させているアリスケ君だった。


「⋯⋯アリスってば」


 だが今度は私の方を見て。


「ルーミア⋯⋯本当に良かった⋯⋯。 このままルーミアがモブのままとか世の中間違っているとずっと思ってたからさあ⋯⋯」


「いや私⋯⋯ド新人声優なんだけど?」

「いやこれで今年の声優アワードの新人王はルーミアに決定間違いなしさ!」


「ええ⋯⋯」


 新人王? 私が?

 うーん、バスケでは取ったことあるけどなあ⋯⋯。


「もういいかい? そろそろテストはじめるよ」


「はい! ほらアリスも」

「はい! イエッサー監督!」


「普段監督の事をグチっていたアリス君とは思えない手のひら返しっぷりだなあ。 これがあの有名なアリスの手のひらドリル芸か!」


 そう笑う井上さんだった。

 こうして私が初めてリリカルエンジェルに変身する第13話の収録が終わったのだった。




 そしてその後、私とアリスケ君は監督に呼び出された。


「あのお話とは?」

「なんでしょう?」


 なんだろ? 演技指導かな? それにしては⋯⋯?


「実はね⋯⋯13話の特殊エンディングに君たち2人のデュエットEDテーマを収録したくてね」


 なんと私とアリスがデュエットする歌を録ることになったのだった。


 それに関してはとくに問題も無く3日後に無事に収録が終わるのだが⋯⋯。

 問題は別にあったのだった。


「ところで名義はアリスとルーミアでいいかい?」


 監督というか制作的にはわりとどうでもいい部分だったようだ歌ってる名義は。

 ⋯⋯しかし。


「監督! じつはボク達には既にユニット名があるのです!」

「あれ? そうなの?」


 まあまだ公式に何も活動していないユニットだから監督が知らないのも無理はないんだけどね⋯⋯。


 それは以前Vチューバー仲間の『どっと☆アイズ』や『2B』に対抗して作った、私とアリスのユニットだからだ。


「私達はルミアリスという名義で登録してまして」

「こう『ルミ@リス』と書きます!」


 そう力説するアリスケ君だった。

 ⋯⋯というか今日のアリスケ君はテンション高いなあ、嬉しいのは私も一緒だけど。


「じゃあその名義でいいか」

「いいんですか?」

「まあどうでもいいと言えばいい部分だしね」


 こうして私ルーミアは晴れて公式にリリカルエンジェル声優となり⋯⋯。

 そしてこのエンディング曲が『ルミ@リス』の初仕事となるのであった。


 ⋯⋯この時の私は想像すらしていなかった。

 この『ルミ@リス』という名義がやがて世の中に浸透することの意味を⋯⋯。




 もともと『ルーミア×アリス』という私達のカップリングはファンたちの間では浸透しつつあった。

 しかしツイッターなどでは書きやすさのせいか『ルミアリス』と表記することもある。


 そしてこの『ルミアリス』というカップリングタグはツイッターや二次創作小説サイトなんかでも使われていたのだ。


 当然⋯⋯私のあの小説にも使われているタグである。


 そして『ルミ@リス』の正式な結成によってこの『ルミアリス』というタグのネット検索数も急上昇していき⋯⋯どうなったかというと。


 だがしかし、その頃の私は完全に『カクヨミになろう』へのアクセスをしていなかった時期で、まったくその事を知らなかったのだった。




 そんな私にその大炎上な事実を知らせたのはカクヨミになろうの運営からのメールだった。


「⋯⋯なにこれ?」


 [カクヨミになろう運営:このたびLUMIA様の作品『魔砲少女マジカルアリス』の書籍化の打診が来ていますのでご連絡ください!]


「⋯⋯⋯⋯はあ?」


 そして私はあわててその魔砲少女マジカルアリスのページを開いてみたら⋯⋯。


「はあ!? ブクマが1万超えている!? なんで!?」


 ⋯⋯嫌な動悸が止まらない。

 こんなのはバスケの試合でも無かったのに⋯⋯。


「おちつけ留美⋯⋯とにかく感想欄でも見て原因を⋯⋯」


 感想の数も1000を超えている⋯⋯その初めの方を私が見てみると⋯⋯。


 [宣伝に釣られて見に来ました!]

 [これは良いルミアリ!]

 [私達の求めていたものがここにある!]


 などなどあった⋯⋯。

 そしてよくよく原因を特定するとわかったのは⋯⋯。


「このぱれっとさんのファンアートが原因⋯⋯か?」


 どうやら調べてみるとこのぱれっとさんはルミ×アリ界隈では有名な新鋭気鋭の神絵師様で⋯⋯ここでしか見れない絵があるからと、どこかのルミ×アリサイトで紹介されたのが大本の原因だったようだ。


 そして私はさらにそのファンアートサイトへと調査を進めると。


「ここがそのファンサイトか⋯⋯。 ⋯⋯んんっ!?」


 なんとそこの運営はVチューバー・アリスだったのだ!


「え? 本物のアリスが! なんで!?」


 ⋯⋯どうやらAIのアイちゃんに対抗するためにルミ×アリの絵を探すためのファンサイトをアリス自身が立ちあげたのだという事がわかった。


「⋯⋯アリスケ君、何やってんの!?」


 余計なことをしでかしやがって⋯⋯。

 そんな風に思っていると私のスマホが鳴った!?


「はい、もしもし留美です!」

『ハロー、ルーミア!』


「あ⋯⋯メアリーさん? どうしたんですか?」


 この人は社長になった木下さんの代わりに私たちのマネージャー業務を受け持つことになったメアリーさんである。


『ちょっと問題が発生しまして! ⋯⋯それがですねLUMIA(ルーミア)名義で書籍化を打診されている方が居まして! まったくウサーコのビジネスを邪魔する不届きなヤローでゴザイマス!』


 ⋯⋯それ私だ。


『それで法的手続きをとるか、いちおうルーミアさん本人にも確認しとこうかと思いまして!』


 法的手続き!?

 その言葉に焦った私はつい!


「そのすみません! それ書いたの私なんです!」

『ホワット!? ルーミアがこの『魔砲少女マジカルアリス』を?』


「⋯⋯はい、恥ずかしながら。 こっそりと」


 ⋯⋯沈黙があった、それもかなり長く。


『そういう事でしたか! おっけーおっけー! 後はこっちでよろしく手配しますね! うー! これはビッグビジネスの大チャンスです! シェリル! ホーンリバー出版に話を!』


 なんか大事になった!?


「ちょっと待ってくださいメアリーさん! 私、書籍化するだなんて一度も──」


 ツ──ッ、ツ──ッ、ツ──ッ⋯⋯。

 もう切れていた⋯⋯電話は。


「ヤバい⋯⋯このままだと私の黒歴史が世間にさらされる!?」


 そう思って折り返し電話をするが一向に繋がらない!


「電話に出ろ! メアリ~~!」




 ⋯⋯結局電話が繋がったのはそれから2時間後だった。




『おー! ルーミア! 書籍化決定おめでとさんデ~ス!』


「⋯⋯⋯⋯そうですか」


 すべては手遅れだった。

 どうやら木下さんの部下にはシェリルさんという大手出版社にコネのある人が居たらしく⋯⋯。

 直接向こうのお偉いさんと交渉して私のこの作品の書籍化を取り付けてしまっていたのだった。


『作品はまだ完結してないようですが書籍化は決定なので続きの執筆よろしくデ~ス!』


「はい、ガンバリマス⋯⋯」


 こうして私ルーミアは⋯⋯いや作家LUMIAはルミ×アリ小説で書籍家デビューすることにった。

 ⋯⋯なってしまったのだった。


「どうしてこうなった~~!?」


 認めたくないものだ若さゆえの過ちというものを⋯⋯。


 こうして私⋯⋯ルーミアは念願だった声優デビューを果たし。

 ⋯⋯そしてその気はいっさいなかった作家デビューまでしてしまう事になったのだった。


 どうしてこうなった⋯⋯。

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