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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第10章 幻想の花嫁

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#279 マスクド・ブルーベルの緊急謝罪会見

「えー、この度は私⋯⋯マスクド・ブルーベルの謝罪会見を始めたいと思います」


 こうして始まった今日の私の配信⋯⋯どうしてこうなった?

 それは1月ほど前にさかのぼる⋯⋯。




 私マスクド・ブルーベルの中の人ことリネット・ブルースフィアは紫音さんの家にお邪魔していました。

 すると私達のマネージャーである坂上さんが訊ねてきて⋯⋯。


「おや、姫様も居たんですか?」


「はい、私達お友達なので」

「姫ちゃんだけじゃなくて、あっ君やるーちゃんもよく遊びに来るたまり場だよ、ここは」


 そう家主の紫音さんが説明します。


「⋯⋯仲が良いのはいいんだが紫音、いちおう部外者には機密になる書類とかもあるから管理は徹底するんだぞ」

「わかってるよ坂上さん」


 うーんアリスケさん達とは仲の良いお友達ですけど、やっぱり会社の異なる部外者だという線引きはあるんですよねー。

 まあそれが原因で私とアリスの正式な姉妹ユニットは組めないわけで⋯⋯。

 まあその分『ヴァーチャル5』とかいう非公式チームが生まれたわけですが。


「しかし紫音と姫様がこんなに仲良くなるとは思いもしなかったなあ」


「まあ今まで接点皆無だったからね、私と姫ちゃんは」

「ですよね」


 その頃の私はブルースフィアに住んでましたからね⋯⋯何もかもが懐かしい⋯⋯。

 もうあの頃には戻れないですね。


「まあ仲良くもなるか? 同じマンションに住んでるんだし。 せっかくだし2人でユニットでも組んだらどうだ?」


 それは坂上さんにとっては気まぐれな発言だったのでしょう。


「ユニット!? 私と紫音さんが!」

「うーん? 私、受験勉強あるからなあ⋯⋯」


 乗り気な私とやや嫌がる紫音さんでした。


「すまん紫音⋯⋯失言だった」

「ダメですか紫音さん?」


「いや、嫌というわけじゃないよ姫ちゃんとだったら。 たんに時間の問題なだけで」


 なるほど⋯⋯そういうことなら!


「じゃあ私が企画立案からスケジュールの管理まですれば、紫音さんにはほとんど負担が無いのでは?」

「なるほどな⋯⋯。 それだと配信時間が減ってもファンには違和感がないかもしれんな」


 そう私と坂上さんが言うと。


「うーん、じゃあアリかな?」

「じゃあ決まりですね! 私と紫音さんでユニットデビューです!」


 と⋯⋯とんとん拍子に決まったのでしたこのお話は。


 しかしユニット⋯⋯いやコンビ⋯⋯いやバディですね! 私にとって初めての!

 相棒と書いてバディと読む!

 ⋯⋯嬉しすぎる最高だ!


「しかし突然ユニット化しても、してもらうことが無いなあ⋯⋯歌でも作るか?」


 そう坂上さんが提案するが⋯⋯。


「「いや私達⋯⋯歌はまだ早いので」」


「⋯⋯そうか? ⋯⋯そうだったなあ」


 紫音さんはそこまで歌唱力に秀でた方ではなく、私はもっとそれ以下ですからね⋯⋯。

 しかしいずれは! そう密かな決意で私は歌のレッスンを続けるのでした。


 そしてそんなバディ結成とは関係なく坂上さんの本日の本題が。


「このソシャゲの案件なんだが⋯⋯紫音、断るか?」

「うーん、さすがにゲームやる案件は今は避けたい⋯⋯」


 ですよね、なので私が。


「じゃあ坂上様。 その案件を私がするというのでどうでしょう?」

「姫様がですか? ⋯⋯まあいいですけど」


「では決まりですね!」

「ありがと姫ちゃん」


 こうして私は私の運命を大きく狂わせていく、このゲームと出会ってしまったのでした。




「はい皆さん! 私の初めての企業案件でございます! 今日からこの『ブルー・ライブラリー』というソシャゲの宣伝配信でございます!」


 私⋯⋯マスクド・ブルーベルは趣味でVチューバーをやっているので、今までこういう企業案件とは無縁でした。

 なのでこういう配信は私にとっても未知数であり⋯⋯。


「このゲームのあらすじは⋯⋯学園都市に赴任してきたのが私⋯⋯つまりプレイヤーで、それで美少女生徒を育成してエイリアンの軍隊に対抗するというお話みたいですね。

 ⋯⋯なんか歪な世界観ですね? それに男の子は居ないのでしょうか? それにガチャ? で少女が生まれるというこの設定は闇を感じますね⋯⋯遺伝子操作でしょうか?」


【あるあるゲームの非常識設定w】

【冷静につっこんだら負けなやつw】

【女ばっかりなのはソシャゲあるあるだからなあ】


「私は今まであんまりゲームはした事ないのでこういうのはよくわからないのですが⋯⋯まあやってみますね」


 まあとりあえずこのゲームを始めてみるのでした。

 そしてチュートリアルとなる導入ストーリーをリスナーさんと一緒に見ていき⋯⋯。


【このゲームこんなシナリオだったんだ】


「おや? 私と一緒で知らなかったリスナーさんも居るみたいですね」


【ちがうんやゲーム続けてると周回マラソンのせいで基本ストーリーなんて忘れてるんや⋯⋯】


「⋯⋯そういうもんなんですかソシャゲって?」


 あれ? ⋯⋯ゲームってそういうものなのかな?

 それともこのゲームだけ特殊なのかな?


 そんな私の考えに答えも出ないままチュートリアルが終わり問題のガチャが始まったのです。


「ここからガチャを引くみたいですね。 えーと、ゲーム開始時の配布の石で⋯⋯200連まで回せるみたいですね。 多いのかな?」


【最低限や】

【ぜんぜん足りないんだよなあ】

【もっと石配れ運営!】


 なんかリスナーから殺伐とした怨嗟のコメントが多くなる⋯⋯このゲーム大丈夫なのかな?


「ま⋯⋯まあ、それじゃガチャ回しますね」


 このガチャでアイテムや生徒がランダムに手に入るみたいです。

 ⋯⋯しかし生徒をこうやって生み出すというのは何なんでしょうか?


 その後⋯⋯60連まではアイテムばっかり出てたのですがついに70連目でそれは来た!


「来た! 来ました虹演出です! SSR来い!」


 そしてその生徒が生まれた⋯⋯。


『初めまして先生! 私は電童アリスです! よろしくね!』


「アリスが来た!? え? アリス? ⋯⋯アリスってこのゲームにも居るの!?」


【あーあ出ちゃったかw】

【まあアリスなんてよくある名前だし】

【だいたいどのソシャゲにも居るよなアリスはw】


「こ⋯⋯これは運命ですね! このアリスちゃんの先生になるために私はこのゲームを始めたんですよ、絶対!」


 そう興奮する私だった。


「しかしこっちのアリスは黒髪かー。 これはこれで日本人形みたいで可愛いですね」


 そうほっこりする私。


【人形というかロボだよその子】

【遺跡で発掘されたロボなんだよなあ】


「え? ロボ? この子も? ⋯⋯えっと、廃墟になった工場から発掘されたメイド型ロボ? ⋯⋯やっぱりアリスじゃないですかー!」


 そんなアリスのプロフィールを読む私。


【アリスの設定まるパクリで草w】

【よくある設定だしwww】


 そんな事はもうどうでもいいのです!


「私、決めました! このアリスちゃんでクリアを目指します! アリスちゃんの先生に私はなる!」


【でもアリスは戦闘能力は微妙なんだよなあ】

【支援型ユニットだからね】


「そんなの知らないよ! 愛があれば何とかなる!」


 ⋯⋯そのリスナーの忠告を聞いておけば良かったと後に後悔する私でした。

 そして私は先生としてこのアリスちゃんの育成を続けるのですが⋯⋯。


「あー!? 大破した!」


「え? 修理費がこんなに!」


「保健室のベッドの数が足りない!」


 などなど茨の道を突き進むことになるのです。


 そして私は次第に理解していきます。

 このアリスちゃんの育成に必要なのは愛などではなく⋯⋯お金だという事に!


「ポーションセット500円⋯⋯安いじゃないですか買います!」


「保健室のベッドの拡張1つ1000円? 安い安い!」


「アリスちゃんへの好感度上げ用のプレゼント代⋯⋯1500円安い安い!」


 しだいに燃えていく私のクレカでした。

 そして⋯⋯。


『ブルーベル先生⋯⋯私ひとりだと寝れないの。 一緒に寝てもいい?』


「⋯⋯キター! 添い寝イベント来ましたよ! アリスがデレた! ちょろい! ちょろいぞこっちのアリスは!」


【こっちのアリスで草w】

【あっちのアリスはチョロくないんか?】


「ぜんぜんチョロくないですね妹の方のアリスは! 私が隣で寝たふりしてるとこう⋯⋯上着を羽織らせてくれるのはいいんだけどそのまま出ていっちゃうから」


【アリス優しいなw】

【寝たふりすんなやw】

【何やってんだブルーベルはwww】


 こうして私はどんどんこっちのアリスに沼っていき⋯⋯。

 そして課金が止められなくなり、そして──。


「あー負けた!? もっかい再挑戦です! 傷薬を買って⋯⋯あれ?」


 [このクレジットカードは今月の限度額に達しました、使用できません]


 そう無慈悲なメッセージウインドウが配信で流れてしまったのでした⋯⋯。


 こうして私の初めての案件となるソシャゲのゲーム配信はリスナーからは神回と言われつつも⋯⋯。


【やはりガチャは悪い文明w】

【課金圧の高すぎるゲームだとよくわかった】

【尊い犠牲だったwww】


 などとコメントで言われる始末⋯⋯。

 そしてゲームのイメージを損なったという責任を感じて私は自主的にこの謝罪会見を行う事にしたのです。




「えー皆様、この私⋯⋯マスクド・ブルーベルのうかつで無計画なゲーム配信でこの『ブルー・ライブラリー』というゲームの名誉を損なってしまい誠に申し訳ございませんでした!」


【名誉? あったのかこのゲームにw】

【そういうゲームや元々w】

【普通は課金せずコツコツ育てる盆栽ゲーやからなコレw】

【あそこまで廃課金したら1日であそこまで行けるんだと初めて知ったわw】


 ⋯⋯私のプレイおかしかったのか? 普通じゃないの? 課金はしないのが当たり前?


「だったら始めっから言って下さいよね! おかげでクレカ止まって今月もうお菓子買えないんですよ!?」


【www】

【ご利用は計画的に】


「でも後悔はしてません。 なんていうか⋯⋯小学生っていいですよね」


 このゲームの設定は初等部だからこっちのアリスは小学生なのである。


「私の小学生時代はわりと黒歴史だったからなあ⋯⋯もう一回やり直したい」


【黒歴史だったのかw】

【まあだろうねと思うw】

【Vチューバーやってる人が真っ当な人生とは思えんし】


「しかし本当に小学生っていいよね⋯⋯。 私⋯⋯小学校の先生やりたいなあ」


【やめとけw】

【子供たちが危険で危ないwww】


 そしてリスナーからは全力で否定される私の夢でした⋯⋯何故だ!?




 こうして私のソシャゲの配信とその謝罪会見は終わったのですが⋯⋯。


「ああ⋯⋯これで今月のおやつはアリスケさんの手作りだけが楽しみに⋯⋯くすん」


 そうめげているとメールが来た。


「誰から? あれ⋯⋯ラズリアスお兄様からだ!?」


 やばい⋯⋯クレカの使い過ぎを怒られるやつかこれは?


「なになに⋯⋯こんど日本に行くことになったから。 ⋯⋯だって!? あー怒られる! 私、怒られるお兄様に!?」


 この時の私はラズリアスお兄様の来日理由などまったく知るよしも無かったのでした。

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