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豊かな国の作り方  作者: 羽月
茎が伸びる間に
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茎が伸びる間に は閑話休題、本編の始まる前の話です。娘サイドから書いています。

 どこかわからないどころか言葉も通じないひやりと冷たい石に覆われた空間に、私はしばらく横たわっていた。動く気にならなかった。たとえ、周囲で数人の人間が、ざわざわと会話らしきものを交わしていても。起き上がってその中に、日本語で割って入る気にはならなかった。非日常的な、ろくでもないことが起きた。それだけは確かで、もう一度目を閉じて現実逃避したくなった。できなかった。その気力もまるでない。


 こんな場所で目覚めるすぐ直前まで、私は夜道を歩いてた。アルファルトの道。塀と電柱と他人の家ばかりが目に入る慣れた道。帰った時、家の電気はどうせついてない。というか、必要以上に多い部屋のいくつかは、多分電気自体つかない状態になってると思う。自分一人が行動する範囲なんて、所詮決まってる。家の中しかり、家の外も同様。


 ……でもここは、その範囲外だ。どころか、多分、きっと、おそらく、ほぼ間違いなく、日本じゃない。


 どこの外国に拉致されたのだろう。


 その時はまだ、そう現実から逃避してた。

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