―訓練⑧―
エクトリア領の選手たちが腕相撲による流血沙汰という意味不明な事件の処理をしている頃、他の領地の代表選手たちも指揮官を決めていた。
しかしやってみればなんとかなるという楽観主義者が多すぎたため皆適当に決めるのであった。
アグノーメン領代表選手たちの場合。選択科目が充実しすぎてのびのびと自身の興味に心身共に入れ込みまくっていた生徒たちはのんびりとお茶会をしていた。
「今年も対抗戦だねぇ〜」
「そうだねぇ〜今年は誰が指揮するの?」
「じゃあ今年は魔法が得意な人にお願いしようかなぁ〜」
「僕魔法得意です」
「じゃあお願いするねぇ〜」
あっさり決まった。ほかの領地の事件は一体何だったんだと言いたくなるほど平和だった。
続いて将来有望な文官候補たちが集まるハルウェラ領の場合。
「指揮官を決めろ。ですか。私たち優秀なので誰がやっても変わりないと思うのですが。」「ほんとにそれな。俺等今永続回路に関するレポートまとめるのに忙しいのだが。」
「では、レポートを一番最初に終えた人が指揮官で。」
「終わったぜ。」
「指揮官よろしく。」
「任せとけ。」
ノリで決まった。
そして最後はダルクリト領の場合。
「なんか領主様がエクトリア領だけには勝てっていってんだけど勝算あるやつ〜。」
「金と地位にがめついとか言われてるらしいけどそれ、領主一族と一部の貴族だけだしなー」
「で?誰にすんの指揮官。」
「エクトリア領に勝ったらなんかもらえんの?」
「一人当たり金貨五枚らしい指揮官は七枚」「俺やるわ」
「よろしく」
全員ソファーで本を読みながら気だるげに会話していたがこちらも驚くほどあっさりと指揮官が決まった。
―こうして各領地適当に指揮官を決め、ろくに訓練もしないまま本番へと臨んだ。領地対抗戦はいよいよ明日開幕である。
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