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―訓練①―

雲一つない青空のもとクレシェラ領代表チームは訓練を開始した。


「さあ特訓を開始するわよ!」


とてつもなく息巻いているマリアとは対照的になぜか全員地面といちゃついていた。


「マリア、まだ朝の5時よ。なんでこんな時間から訓練しようと思ったの?」


未だ安らかに眠っているメイとオルフェを恨めしげに見つめながらアリアが問う。


「他の領地の人達がまだ寝ている時間だからに決まっているじゃない。」


マリアはここで今完全に起きているのが自分と虫だけという事実にいまだ気づいていないようだった。


「⋯⋯ん、ディル朝ごはんできたの?」


目は完全に閉じたまま寝巻き姿で校舎まで歩いていこうとするメイにアリアやマリアが気づいたときにはもう手遅れだった。


―ギィ


訓練場の扉が開き今まさにメイが寝ぼけて呼んだディルが魔法発動用の杖を片手にアルファルドの方を向きながら入ってきた。


「兄上がどうしても対抗戦前に俺の魔法の腕前を確認したいって言うから来ましたが朝の5時に弟の部屋に突撃するのはどうかと思いますよ。っておい!?なんで寝間着姿でメイがここにいるんだ!?夢遊病か!?」


ディルフェルトとアルファルドは全力で目を瞑った。


「あら、アルファルド婚約者である私より先にメイを見るなんてどういうことかしら?」


不穏な気配を立ち上らせながらアリアが同じく寝間着姿で立ち上がる。


「アリア姉さま!?変なところで嫉妬してないでメイを止めるの手伝ってくださいよ!?あと多分メイの姿見たのも不可抗力だと思いますよ!?」

「アリアもそこにいたのか。安心しろ、俺は何も見ていない。だが少し不穏な気配を感じるが。」


そう言って目を固く閉じたままオルフェが這いつくばっている方向に顔を向ける。


「ディルフェルトさん僕は何も見ていないというのにお前は一瞬でもお嬢の寝間着姿を拝んだな!?絶対許さないからなぁ、未来永劫呪ってやるぅ。」


たしかに不穏な空気を撒き散らしているオルフェがいた。


「オルフェ、あんたは黙ってなさい。ものすごく邪魔だから。さっきまで気持ちよさそうに寝てたのになんで起きてるの。」


騒ぎに気づいたウーナがこちらも同じく寝間着姿で事態の収拾に動き出した。


「というか、アルファルド先輩やディルフェルトさんは入ってきた扉から出ていくのが最適解だと思いますけど。」


ぐうの音も出ない正論だった。


「兄上早くここから出ましょう。」


言いながら出口と真逆の方向に歩き出す二人だった。


「逆よ逆ぅそっちは危険(メイとアリア)だってばぁ」


マリアが必死に忠告するも効果はなく、かわりに目を瞑ったままのオルフェが二人の前に立ちはだかった。


「早く僕らは出ていきましょう。」


目を瞑っていても方向感覚がはっきりしているオルフェがフラフラになりながら二人の服の裾を引っ張りながら平和に?出ていった。


「さてと、全員さっさと着替えて。3分以内に用意が終わらなかったら氷水の刑だからね。」


めったに怒らないマリアが本気で切れているのを察して寝ぼけていたメイとリリアとムーアは一斉に動き出した。


「ねぇ、マリア、言いにくいんだけどね貴女も寝間着姿じゃない?」


アリアの的確なツッコミに顔を真っ赤にして慌ててアリアと一緒に更衣室に駆けていった。一方オルフェは訓練場の外に出ると力尽きたようで完全に床に伸びていた。こうしてクレシェラ領の訓練は全員寝巻き騒動により幕を閉じた。

感想、アドバイス等ありましたら、お知らせ下さい。できる限り改善して行きます。

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