―すべてが壊れる実践演習―
「さて今から、俺等SSSクラス内で学年対抗で戦闘訓練をする。チーム分けは、1年生8人と、2,3年の4人だ。先生の注意事項を守って全力で挑んでこい。」
なぜかディルを見ながら説明するアルファルドだった。
「ちなみに、手加減を期待するなよ。」
アナスタシアとムーアの顔がひきつった。特にムーアは、アルファルドの心を読んでしまい、深くディルの冥福を祈った。
「兄上、なぜそんなに俺を見ながら説明するんですか。それと吹雪かせないでください。」
恐る恐るディルが聞く。
「さぁな。」
むしろ強くなる吹雪であった。助けを求めて見回すと、ムーアに目をそらされた。
「ムーア、なんで目をそらすんだ。」
懇願に近い問いだった。
「南無南無」(頑張れ⋯⋯)
「俺はこれから死ぬのか⋯⋯」
「死相でてるよ〜」
リリアの追撃にまだ始まってもいないのに撃沈するディルであった。
「それでは、開始。」合図がなる。それとともにスキルを使い、飛び上がるディル。そして先程まで立っていた地面が大きくえぐれる。
「チッ。避けたか。」
残念そうなアルファルドにディルが全力で抗議した。
「今の絶対殺す気だっただろ。」
言いながら中位攻撃魔法―ファイアーレインを放つ。しかし、それらがアルファルドに届く前に氷となって砕け散る。
「甘すぎるぞ。」
アルファルドが言う。不敵に笑いながら兄を見下ろすディルフェルト。それで充分だった。
「兄上、戦況把握が甘いですよ。」
そして次の瞬間―。ゴルシアが訓練場の外に吹き飛んだ。原因は、ガルシアが兄であるゴルシアを真っ先に狙ったことであった。
「兄上は危険なので、消します。」
ガルシアの宣言に腹を抱えて笑うゴルシア。
「あっははは。お前本気で言ってんのか。お前がスキルで強化した結界いつも俺が砕いているだろぉ。」
ゴルシアの挑発にひどく穏やかで、でも愉悦の極みといった表情で兄を見るガルシアは
「それは俺だけが作った結界だろ?ここには俺と同じようなスキル持ってるやつがいるの忘れたのかよクソ兄貴。」
言うが否や
「フォーティス!強化は頼んだ。」
結界を展開し、その上から自身のスキルを重ね掛けする。呼ばれたフォーティスもすかさずスキルで補強していく。そして結界の強度を侮って身体強化を使い大剣で殴りかかったゴルシアは後悔した。訓練場を半分ふっとばしながら。
「⋯⋯はぁ?基礎の基礎の反射結界に何をどうすれば人が吹っ飛ぶんだよ。」
アルファルドは目を見開いていた。
「ごもっともな意見です。兄上。でもいつもガルシアをいじめているバチがあたっただけですよ。」
いつの間にか剣戟戦をしているアルファルドとディルフェルトだった。
『ゴルシア・マルケス・ファルミア―リタイア』
涙声で宣言する教師の声が虚しく空中に響き渡った。
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