―授業免除―
翌日は6時半から美味しそうな匂いがリビングから漂っていた。他の誰でもないディルのお陰で。
「あ、おはようございます。兄上。」
「あぁ、おはようディル。相変わらず早起きだね。」
アルファルドが起きてくる。
「ふぁ〜。なんの匂い?美味しそうだね」
メイが匂いにつられて起きてきた。いつの間にか階段の上で硬直していたマリアが
「奇跡だ。あんなに寝起悪かったメイが、起きている。」
感動していた。そうこうしているうちに全員起き出してきて一番最後に起きたのはムーアだった。
「あら?みなさんもう起きてらしたのですか?というかメイが起きてる。」
本日二度目の感激者が現れた。なんとも平和な朝はそう続かなかった。玄関先に人が落ちてきたためである。
―ドォォン。地面が揺れた。ついでに玄関ドアも消し飛んだ。大急ぎで外に出ると
「いやぁ〜迷うとこだったな。さて、SSSクラスのみんなに朗報だ。定期テスト以外の授業は免除する。以上!質問は?」
情報量が多すぎた。しかし素早く立ち直ったディルが
「畑開墾してもいいですか?」
さすがの教師も予想外な質問だった。
「⋯⋯いいと思うけど、他に質問あっただろ。学院本校舎の設備は使っていいのか、とか授業免除されるとはいえ授業を覗き見していいのか、とかさぁ。」
ごもっともな返答だった。ついでにSSSクラス専用の学院ルール説明書(1000ページあるを)配り、教師は嵐のように去っていった。唖然としていた上級生4人だったが周りが静かすぎたので、見渡すと、
―せっせと畑開墾しているディルとルールブックを読みながら手伝う1年生たちがいた。最初に突っ込んだのはアルファルドだった。
「いや待て、なぜ畑なんだ。人の話を聞け、小麦を植えながら聞くな。ディルフェルト!」
「だって、食費だけは親に請求いくだろ。だから食費抑えてる。」
「ディルさん成長促進剤作れたよ。一週間くらいで育つんじゃない?」
「⋯⋯安全性確かめてから使えよ」
アルファルド、完敗。そして上級生たちは薬草植え出した。合理的判断に基づいて。そして皆が朝ごはんを食べたのはお昼になってからだった。メイたちに授業免除を伝えた教師は
「これであの冊子を通していつでも屋敷の中を見ることができる。やはり教員になって正解だった。しかし1000ページも作る必要性がわからん。」
学院側の正式決定を利用し、密かに監視を始めた。
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