表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/29

―共同生活(上級生乱入)―

入学式が終わり、SSSクラスは寮が隔離されているらしく、8人は手渡されたやけにボロい地図を元に森へと入っていった。一時間くらい歩いたところでディルが、


「なぁ、絶対迷ったよな?」


魔法であたりを照らしながら、恐る恐る全員に聞く。


「う〜ん。だいぶ前からぐるぐるしてるよ〜多分侵入者たちに寮が見つからないようにっていう配慮じゃないかな。」


メイが一点を見ながら答える。


「俺等まで迷ってんだが」


若干怒り気味の6人の声が重なった。


「はいは〜い。どうも通りすがりの上級生です。」


リリアが突然現れた。


「絶対最初から見てたパターンだ。」


げんなりしたディルが呟く。


「そうだよ〜ちなみにここ、十周してるよ〜」


その言葉にエリオットが頷く。


「なんで目の前にでっかい屋敷があるのにぐるぐるしてるんだろうと思ったよ。散歩を楽しんでたんじゃないのか?」


地図とにらめっこしていたディルが膝から崩れ落ちた。


「もういいよ。早く入って休もうぜ。」


今にも泣きそうな声で屋敷にふらふら歩いていく。そして皆が屋敷を認識する。寮とは思えないほど豪華だが、ところどころ吹き飛ばされたような跡が見えたのは気のせいだと思うことにした。しかし、寮から出てきたアリアが煤まみれになったエプロン姿で、


「吹き飛ばされたあとは全部みんなが料理作る過程で吹き飛ばしたんだよ。」


既に色々察した一年生であった。


「何作ったんですか。」


勇敢にもフォーティスが聞いた。


「「待て、俺の兄貴料理してねぇよな。」」


真っ青な顔で聞くディルとガルシアがいた。


「毎日交代で作ってるよ〜ちなみに今日は私。」


マリア、ディル、ガルシアに珍しくメイも絶望した表情で崩れ落ちた。なぜなら料理壊滅的な人しか料理していなかったからである。しかも全員、致命的な味音痴である。メイが必死の形相で、


「今日は私が作るから、お願いだから厨房でもう何もしないで。」


普段ふわふわしているメイの懇願とあって、あっさりと許可された。一旦は胸を撫で下ろした。―直後ゴルシアが出てきて、


「新作の味見しないか?」


真っ黒に焦げた何か。表面からは、煙の動きをしていない黒いモヤが立ち昇っている。しかも飛んできた虫を捕食した。その何かを差し出され、絶望した。特にガルシアが。


「なぁ、ディル。お前、犠牲になれ。安心しろ。骨は拾ってやる。」


「嫌だ。お前の兄貴だろ。骨拾ってやるから、食え。」


実に醜い、はとこ同士の押し付け合いが始まった。それを横目に、


「今日から料理は私が作るね。」


遠い目をしたメイが言った。


「朝ごはんは誰が作るの?」


朝起きれないメイを知る、マリアが真剣に問う。


「俺が作るよ。簡単なものなら作れるし。少なくともあれよりはマシだ。」


小声でディルが答える。


「どうなるんだろうな〜」


そう呟いた直後、厨房が爆発した。


「すまん。クッキー作ってた。でも、ついでに魔法薬の実験もしてた。」


アルファルドが悪びれもせず出てきた。1年生は一斉に天を仰いだ。


「安心しろ。設備は破壊していない。」


一年生の皆が悟った。料理は自分で作るべきだと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ