6
「シエルちゃーん」
「メリダおばさん!おはようございます」
「おはよう!今日もいい天気だねぇ
そうだ!聞いたかい?
なんでもどえらいイケメンが隣町にきてるらしいんだよ!
いーねーイケメン!
うちの村に来ないかねぇ」
そう言いながら、メリダおばさんはウキウキと楽しそうにしています。
どえらいイケメン、、、
おばさんたら、まるで乙女ね
そんなことを思った数日後、、、
ザワザワザワザワ、、、
なんだか今日はやけに賑やかね
店の外の賑わい様に、不思議に思いつつも、いつも通りに店を開け、今日もお客様をお迎えします。
ガラガラガラ、、、
「いらっしゃいませー」
「あの〜、こちらが"入れば傷が癒える『オンセン』"のあるお店でしょうか?」
「はい!そうで、、、、、、す、、、」
入り口に目をやると、そこには人間離れした、美しい顔立ちの男性が立っていました。
まるで時が止まったかのように、その人から目を離すことができません。
なぜかその人も、驚いた顔をして、同じように固まっています。
どこか懐かしいような、切ないような、、、
不思議な気持ちに胸がキュッと締め付けられました。
「あっ、すみません!ご案内致します」
「あっ、は、はい!お願いします」
お互いになんだかそわそわしながオンセンへと向かいました。
「今日はどうしてこちらに?」
「実は少し前に大きな怪我をしてしまいまして、、、
そんな時にここの噂を耳にしたんです。
入るだけで傷が癒えるという、神秘の泉のことを」
「そうだったんですね。
我が村自慢のオンセン、堪能していってくださいね」
なんとか平常心を装い、無事に案内することができました。
しかし、心の中は戸惑いで溢れていました。
彼のことが気になる。
でも、どうして気になるのかがわからないのです。
なんともいえない胸のざわめき。
心が落ち着かなくて不安になる、、、
一体どうしてしまったというのでしょう。
終始そわそわしながら、お店の仕事をこなしました。
「ありがとうございました」
「あ、ありがとうございます。
もうよろしいんですか?」
「はい!今日はこれで。
でもすごいですね!
少し浸かっただけなのに、痛みが引いて、心なしか、体が少し軽くなったような気がします!」
「ふふっ、ありがとうございます。
みなさんそうおっしゃるんですよ。
なんせ、ここは神秘の泉、『オンセン』ですからね」
「いや〜、本当に素晴らしいです!
噂を耳にしたときは、正直半信半疑だったんです。
もうこの傷は治らないだろうという諦めもあったからなんですけどね、、、」
「そんなにひどいお怪我だったんですね、、、」
彼にそんな大きな傷があったのかと思うだけで、胸がとても苦しくなりました。
やっぱりどこかおかしいわ、、、
今日初めて会った人なのに、こんなにも心配で、心が痛むだなんて、、、
落ち着かない気持ちになりながらも、平常心を装って返事をしました。
「でも、ここの『オンセン』は本当にすごいです!
しばらくこちらで湯治をさせていただこうと思っています。
お世話になります」
「ありがとうございます。
効果は保証します!
きっと良くなりますよ」
「ありがとうございます!
それではまた、明日伺いますね」
「はい!お大事に」
そうして彼は店から出ていったのでした。
明日!明日って言ってたわね、、、
明日も会えるなんて、うれし、、、い、、、
なぜ明日という言葉にここまで喜びを感じているのか、私には不思議でなりません。
明日も会えば、何かわかるかしら、、、
そこには、自分の心の変化についていけず、首を傾げながらも、明日に思いを馳せる私がいたのでした。




