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泡沫の約束  作者: mi
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 そして、もうひとつ、メルジーナ様の話には続きがあったのです。


 




 メルジーナ様は、ユーノー様からの赦しを得て、加護も復活し、順風満帆のように見えました。




 しかし、自らの命を削っていた代償は、想像以上に大きかったのです。




 メルジーナ様の娘が10歳になった頃、突然メルジーナ様は倒れてしまわれました。





 メルジーナ様の命の灯はもうほとんど残っていなかったのです。



 命を削らずにお祈りができるようになったことと、ユーノー様が人間と同じ時を一緒に生きられるようにしてくださったことで、少しの猶予は得られました。

 しかし、メルジーナ様のお身体はもう取り返しのつかないところまでボロボロになっていたのです。


 




 もう先が長くないと悟ったメルジーナ様は、自分の娘にお役目を引き継ぐべく、娘に少しずつお祈りの仕方を教え、少しずつ真実を伝えていきました。




 その姿を見て、青年は驚き、そして同じように、メルジーナ様の先が長くないことを悟ったのでした。







 ある夜、青年はメルジーナ様に話しました。





「すまない。


 僕が君を愛してしまったから、君を見つけてしまったから、、、


 君の命をこんなにも縮めてしまった。

 本当にすまない、、、、、、」

 



 青年はメルジーナ様のことを心から愛しておりました。

 だからこそ、別れのときが迫っていることに、心が締め付けられ、とても辛く苦しかったのです。





「あなたのせいではありません。


 私もあなたを愛しています。


 そして、愛さなければよかったと思ったことは一度もありません。


 あなたを愛し、あなたに愛され、

 そして、、、


 あんなにも可愛い我が子をこの腕に抱くことができました。


 これを幸せと言わず、なんと言うことができましょう。


 あなたに出会えたことに、心から感謝しているのですよ」




 涙を流しながら幸せそうに笑うメルジーナ様に、青年も涙を流しながら微笑み返し、優しく抱きしめたのでした。




 






 そんな話をした三ヶ月後、メルジーナ様は愛する家族に見守られ、この世を去られました。


 その顔はとても穏やかで、まるでただ眠っているかのようでした。




 息を引き取るその間際、青年とメルジーナ様はとある約束をしていました。



 「ねぇ、メルジーナ、僕は君が生まれ変わってもまた君を愛するよ。


 必ず君を見つけて、また君を愛するよ。


 だから、待っていてほしい。


 その時まで。


 君から僕らの天使をお願いされてるから、

 

 今はすぐに君の後を追ってそばには行けないけどさ、


 必ず君を迎えに行く。


 約束だ。必ず、必ず、、、、、、


 だから、寂しくないよ。


 安心してお休み。


 僕の愛する、僕の女神(メルジーナ)、、、」



 "私も、、、約束、、、、、"



 それは言葉にはなりませんでしたが、硬く結ばれた二人の約束でした。






過去編これで終わりです!

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