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そんな日が続いたある日のこと。
その日も同じように、メルジーナ様が自らの生命力を削りながら、お祈りをしようとしたとき、突然ユーノー様の像が光ったのです。
『メルジーナ、ソコマデ、、、
ソコマデソノ人間ノコトヲ、愛シテイルのカ、
オマエハ、ワタシの愛し子、カワイイカワイイワタシの愛し子、
セメテ人と同ジトキヲ生キルのデス。
ソシテ、モシ、二人ノ間に子ガ出来タナラ、ソノ子ニ祝福を与エヨウ。
オマエタチノ血が続ク限リ、泉ニ加護を与エヨウ。
ワタクシノ愛し子、メルジーナ、
幸セにオナリナサイ。』
それは、ユーノー様からの赦しでした。
ユーノー様は癒しの女神、眷属であるメルジーナ様を突き放し、ましてや憎むことなどできなかったのです。
メルジーナ様はそれを聞き涙を流し、声が枯れるまでお礼を言い続けたのでした。
そして、帰ってきたメルジーナ様の変化に気づき、心配で飛んできた青年に、メルジーナ様のお言葉を伝えたのでした。
話を聞いた青年も、飛んで跳ねて喜んで、泣きながら感謝の言葉を述べ続けました。
今度二人で改めてお礼に行こうと、祠に行く約束をして、二人で喜びを分かち合ったのでした。
ユーノー様からの赦しを得て、晴れて二人は夫婦となったのです。
そして数年後、2人の間には、可愛い可愛い女の子が生まれたのでした。
メルジーナ様は、子どもができたとわかったとき、青年と共に、ユーノー様に報告に行きました。
出産のため、しばらくお祈りに来られないことをお伝えしにきたのです。
するとまた、ユーノー様がお言葉をくださったのです。
『ワタクシノカワイイカワイイ愛し子。
ソノ子も共に愛シマショウ。
我ノ祝福ヲ与エマショウ。
オ前タチノ子孫が血脈ヲ繋グカギリ、全テノ子ニ祝福ヲ。』
「ユーノー様、ありがとうございます」
二人は涙を流して感謝しました。
そしてそのとき、ひとつの約束が成されたのです。
"誰にも見られてはいけない
誰にも聞かれてはいけない
誰にも気づかれてはいけない
誰にも知られてはいけない"
これを破ったとき、ユーノー様の加護は終わりを告げる。
それがユーノー様から課せられた、メルジーナ様たちへの赦しの対価となったのです。
伝えてもいいのは、直系の力を継ぐ後継者と、その伴侶、そして、直系の兄弟のみが知ることができる。
それを知ったものは、皆で力を合わせて、全力で泉を守るとこ。
これらがユーノー様との約束でした。
しかし、ひとつだけ誤算だったのが、メルジーナ様と勇者は異類婚姻のため、子どもができづらく、お一人しかお子ができなかったことです。
そしてその現象は、その血を継ぐものたちにも等しく現れたのです。
ほとんどが一人しか子を授かれず、多くても二人という状態です。
そして、その後も同じようなことが数十年続いたとき、とうとう血が途絶えそうになってしまったのでした。
そのことに心を痛めたユーノー様は、直系の兄弟の子にも、泉のことを知るものを一人だけ作っても良いということにしてくださいました。
直系が結婚できなかったり、お子ができなかったりしたときに、力の継承ができるようにしてくださったのです。
そのことが、直系の方々のプレッシャーを和らげたのは言うまでもありません。
それもあって、少しずつ子どもが増え、多い時は3人兄弟を持つものもいたようです。
そうして今の形が確立されていきました。
そして、人魚の末裔ということで、直系を『泡沫の一族』、それを支える傍系を『祀る民』というようになったのでした。




