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魔界の少女  作者: YossiDragon
第六章:七月~八月 夏休み編
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第六十三話「女体化の一日」・4




 俺と姉ちゃんは、デパートの二階のとある場所に赴いていた。


「うわぁ、すっごい! 久しぶりに来たけど、可愛いのとかも増えてるね」


「……お姉ちゃん、さすがにここは私には」


「大丈夫だって! 今の響ちゃんは女の子なんだよ? 誰にもバレないって! ほら、こっちこっち!」


「ちょ、ちょっとー!?」


 半ば強引に手を引かれ、俺はとある売り物コーナーに侵入を果たす。周囲には男の「お」の字すらない程、女性しかいない。それもそのはず、ここはランジェリーショップ。とどのつまり、女の人が下着を買うための場所なのである。

 そんな未知の領域に、俺は初めて足を踏みこんでしまった。しかも、よりにもよって神崎響子の姿で。


「あ、見てみて! これとか、響ちゃんに似合いそうじゃない?」


 そう言って、どこからか持ってきた下着を俺の股座(またぐら)に掲げる姉ちゃん。それから片手を顎にやってふぅむと唸ると、首を捻って「違うなぁ~」と一言。何が違うのか、俺にはさっぱりパリパリ、パリパリ焼きソバである……と、冗談は程々に、俺は再度周囲を見渡す。やはり、どこもかしこも女しかいない。いや、もしかすると、そっちの人がいるかもしれないとも思えたが、そんな細かい所まで気にしてはいられなかった。

 何よりも、ここは光影学園にほど近い場所にあるデパートだ。よく放課後などにゲーセンなどで遊ぶ生徒もいる。無論、他の目的でやってくる生徒だっているはずだ。それはこの場所も候補に含まれる……。

 俺はじっとり冷や汗をかいた。


「そんなに気になるの?」


「当り前じゃないっ!! 私はっ! ……私、は……」


 そこで口ごもる俺。そりゃそうだ、ここで男だと言えば、同業者からはキラキラとした眼差しを向けられ、女性からは酷く冷徹な視線を浴びせられるのだから、言えるわけがない。


「何をそんなに怯えてるの? 響ちゃんは今、神崎響子になってるんだから、そうそうバレやしないって!」


「そ、そうかもしれないけど……もしもの可能性があるし」


 どうにもネガティブな方向に考えてしまう。姉ちゃんみたいに、もっと楽観的に物事を捉えられれば苦労しないのだろうが、生憎と今までの人生が、俺にそうさせているようだった。

 と、俺が戸惑っていると、姉ちゃんが再び手を引いてどこかに連れて行き始めた。


「ちょ、ちょっと今度はどこに行くの!?」


「いいからこっち!」


 言われるがまま俺は手を引かれる。

 そうしてやってきたのは、試着室だった。……またかよ。ちなみに、この場所では特別に下着の試着ができる。普通なら出来ないのかもしれないが、男である俺にはよく分からないので、ここでは出来るんだと自分に言い聞かせる事で納得する事にした。


「ほら、響ちゃんはここにいて。私が下着持って来てあげるから、絶対動いちゃダメだよ?」


 なぜだろう、その動いちゃの部分が、俺には逃げるなと脅してるように聞こえた気がした。とにかく、下手に動いて顔見知りに会うよりはマシだろう。それに、やや俺の面影があるとはいえ、他人の空似と思ってくれるかもしれないし。もしもの時は上手く誤魔化そう。ただ、その際は姉ちゃんがいない事が望ましい。

 姉ちゃんは、俺の学園では結構有名人だったりする。姉ちゃんが高校生時代の時、俺達は中等部だったのだが、姉ちゃんの部活での武勇伝だったりは、結構伝説を築きあげていたりするのだ。なので、その名前を知らない生徒はあまりいない。

 そして、姉ちゃんが有名なら俺だって少しは知られている。だから、姉ちゃんが側にいたらあっという間に響史(おれ)の存在に行きついてしまうのだ。

 これだけは何としてでも避けたい。どうせ出くわすのなら、せめて姉ちゃんがいない今にしてくれ!

 そんな無茶苦茶な願望を内心で呟きつつ、俺は姉ちゃんを待った。

 

サッ!


 仕切り代わりのカーテンが開けられて、見知った顔が俺の視界に映る。現れたのは――。


「お、お姉ちゃん……」


 姉ちゃんだった。ふぅ、一瞬すごく心臓が止まりそうになるのを感じた。もう動悸が激しすぎて心臓が飛び出そうだ。


「ど、どうしたの? 顔が真っ青だよ?」


 そりゃそうだろ。いきなりカーテンを開けられれば誰でもびっくりするし、それが顔見知りかどうかも分からないなんて、恐怖で顔面蒼白になるのは当然だ。

 姉ちゃんがさらに心配そうな声で続けた。


「大丈夫?」


「い、一応……ね、ねぇもう帰ろう?」


 なんだか、さっきから嫌な予感がしてならないのだ。早く帰りたい、そんな気持ちが俺の脳内を埋め尽くす。


「えぇ、まだ一枚も試着してないじゃん。今日の目的忘れたの? 響ちゃんの洋服、その他諸々を買いに来たんでしょ?」


 確かにそうだが。何もこんなビクビクした状況下でなくとも……。


「じゃ、じゃあさ? 私はそこのベンチで待ってるから、適当にいろいろ買ってきてよ。それ、着けるから」


 帰るのがダメなら、せめてここの場所から退散させてもらいたかった。そのために適当な言い訳を口にしたのだが……。


「ダメ!」


 即答で拒否られた。


「実際履いて確かめてみないと、もしかしたらサイズが合わない! な~んて事もあるかもしれないでしょ?」


 それはつまり、俺が太っていると言いたいのか? でも、確かに女体化した時に男の時の身長や体重がどう影響してるか分からない。身長は明らかに低くなっているが、これで体重に変化がなければ、十中八九俺は太っている事になる。


「そういえば、上も……なんだよね?」


「当然! だって響ちゃんったら、私のだと窮屈そうだし……」


 自分で言っておいて悄気(しょげ)出す姉ちゃんに、俺はやれやれと頭をかいた。


「だから、別にしなくても――」


「するのっ!!」


 まさに駄々をこねる子供の如く、姉ちゃんが叫んだ。



「いい? 響ちゃんは女の子としての自覚がなさすぎよ? 少しは自分の体の事も考えて」


 何故そんなにムキになるのだろう? 確かにこの体は俺の体であり別の体だ。俺がどうこうしようと勝手だというのは至極当然だが、確かに無下に扱うのも悪い気がする。

そうだ、たかが下着を着ける程度。何を臆する事がある。


「分かった……着ればいいんでしょ?」


 観念したという風に、俺は嘆息混じりに言った。すると、その言葉に姉ちゃんが感嘆の声を漏らした。


「偉い、偉いわ響ちゃん! それでこそ私の妹よ!!」


 だから弟だっつの! と、一応ツッコミつつ、洋服に手をかけた。


「じゃあ、着るから……持ってきて」


 この場から動かないように言われているので、俺は試着室内から姉ちゃんに頼み込む。


「よし、どんと任せなさい!」


 そう言って駆け出す姉ちゃん。数分後、数種類の下着を両手に抱えて戻ってきた。


「ほら、これとかどう? リボンがついてるんだよ? こっちなんか、紐だよ紐っ!! こっちはねぇ、定番のしまパン! すごくない? 普通こういったのって置いてないんだけど。あっ、これとか花柄だよ? まぁ、ちょっとセクシーかな? これなんて……ぷぷっ、透けてるね」


 何で笑ってんの? 明らかにこれらの下着って、大半がネタとして持ってきてるよな。まさか、本当にこれの中から選んで着ろなんて言わないよな?


「お、お姉ちゃん……これだけ?」


「え? ああ、一応他にも目ぼしいのはあったけど、とりあえずこれだけ持ってきてみた。気に入らないのがあったなら、取り替えてくるよ?」


 一瞬きょとんとなった姉ちゃんは、すぐに表情を一変させると、両手を合わせて次の行動の準備をした。


「う、うん。じゃあ、え、選んでおくから、こっちのは持っていって」


「え~、スケスケ着てくれないの~? せくすぃ~だよ?」


「い・い・か・ら!」


「……はーい」


 俺の気迫を込めたセリフに、姉ちゃんは渋々といった様子で下着を持って行った。


「はぁ、どれにしよう? う~ん、こっちは前で留められるんだ。あ、こっちはワイヤーがない。これは……首で結ぶのかな? へぇ、柄だけじゃなくて形にもいろいろ種類があるんだ。うぅ、どうしよ。余計に迷っちゃう……」


 はっきり言ってどれがいいのか、俺自身には分かりそうになかった。どうせなら姉ちゃんから説明を受けてからにするべきだったな。

 まぁ、とりあえず着けた感触で決めてみるか。

そう考えた俺は、とりあえず一番手前に置いてあるノーマルのブラジャーを手に取った。

って、まずは脱がないと……。

ふと鏡を見て、まだ自分が洋服を着ていた事を思い出した俺は、いそいそと服を脱ぎ始めた。そして脱ぎ始めること一分後、俺は下着姿になった。今この姿を見たら知り合いに見られたら、間違いなく俺は発狂するだろう。

 それが実現しない事を願いつつ、俺はパンツを手に取った。


「履くん……だよね」


 自分に問いかけ、俺は息を呑む。ちなみに、未だにこの魅惑の女体を存分に触った事すらない。自分の体とはいえ、女体なのでどうにも緊張してしまうのだ。なので、昨日もなるべく自分の裸を見ないようにしながら体を洗った。異様に柔らかかったのをよく覚えている。


「よい……しょっと」


 衣擦れ音が響き渡る。目をぎゅっと瞑っているせいか、妙に聴覚が敏感になっていた。とにかくこれで最大の関門は突破した。次なる関門はブラジャーだ。ノーマルの種類でも前で留められる物を選んだ。どうにもまだ後ろに手を回してホックを留めるという事が慣れない。別段、腕が固くて後ろに腕が回らないという訳ではない。

ただ、後ろが見れないためか、どうにも着けにくいのである。


「これで……よし」


 カチッという音がしたのを確認した俺は手を離す。うん、どうやらちゃんと留められたようだ。でも、若干の違和感を感じる。綺麗に収まっていないのだろうか?


「えっと……これで、いいのかな?」


 肉を摘むようにして綺麗に収める。うん、ちょっとは違和感がなくなったかな……。でも、やはり少し違和感が残る。合ってないんだろうな。

そう思った俺は、別の物に変えてみる事にした。


「次はこれだな」


 チェック柄のタイプだ。でも、問題は……。


「うっ、これ後ろで留めるタイプだ……。どうしよ、他のは――」


 出来れば前で留めたかった俺は、姉ちゃんが持ってきた物を全部見てみた。が、一つもない。全部後ろで留めるタイプだ。


「あっ、これ確か……首の後ろで結ぶやつだよね」


 もう一度確認していると、ようやく違うタイプのやつを見つけた。これならなんとかなるかもしれない。

とりあえず挑戦してみる。


「えっと……」


 どうにも髪の毛が邪魔すぎる。ポニーテールにされた髪の毛の房が、俺の指に絡みついてくるのだ。


「うぅ……ダメだ、何も出来ない。ええぃ、うぅうりゃ!!」


 半ば自棄(やけ)になり、うなり声をあげつつ俺は気合で何とか紐を結びきった。ちゃんと結べているかは分からないが、仮にも結べたのだ。


「やった!」


 小さくガッツポーズし、歓喜の声をあげる俺。ひとまず休憩しよう、少し疲れた。

にしても、姉ちゃん遅いな。何をそんなに時間かかってるんだ? 適当でいいって言ったのに……。

俺は仕切りのカーテンを開けて姉ちゃんがどこに行ったのかを目で追った。

と、その時。


「え?」


 不意に近くで声がした。それも、聞き覚えのある少女の声。きょとんとしたその声音には、少しばかり違和感と戸惑いを覚えている感じが含まれてる気がした。

だが、明らかにこの声は知っている。ふと脳裏に嫌な予感がして声が聞こえた方を見やる。

そこには――幼馴染(ことね)がいた。


――ノオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!?



 よりにもよって、よりにもよって琴音に見つかるとは、なんたる不覚! こんな事ならカーテン開けなけりゃよかった。

焦る俺。目の前には、幼馴染であり同級生の琴音がいて、その両手には数枚の下着を抱えている。可愛らしいリボンがついた物や、フリルのついたやつ、サイドが紐になっているやつなど、いろいろだ。

ああいうの、履くのか……。ふと変な妄想をしてしまう。脳内に思わず下着姿の琴音が浮かんできたので、俺は顔を真っ赤にして首を左右に振った。

と、その時である。激しく動いたのが原因か、首の後ろで結んでいた紐が解け、ブラが取れてしまった。


「あっ」


「ひゃあああああああああ!?」


 俺は鬼灯のように顔を真っ赤にしてその場にしゃがみこんだ。


「え、えええ!? えと、あの……あわわ、うぅ」


 突然の事にパニックになった俺は、思わず悲鳴をあげてしまう。そんな俺の近くに琴音がいれば、真っ先に彼女の方に他のお客の視線が注がれる琴は必至。

結果、琴音までもパニックに陥ったのだろう。

ようやく冷静さを取り戻してきた俺は、ふと人気を感じて視線を上にあげた。そこには、琴音が気まずそうに顔を赤くしながらこちらを見下ろしている姿があった。

と、それよりもまずは、こんな至近距離で、しかも私服姿で短いスカートなんかを履いている琴音を見上げれば、必然的に見えてしまう物がある。そう、パンツだ。

慌てて顔を伏せる俺だが、既に遅し。しっかり記憶に焼きついてしまった。何だか、こっちまで気まずくなってしまう。


「あ、あの……大丈夫ですか?」


 この気まずい空気を一新させるかのように、琴音が口を開き俺を気遣う言葉をかける。


「え、ええ。すみません、取り乱してしまって……。紐が外れちゃって」


「よければ着けてあげましょうか?」


 琴音が優しくそう言った。


「え? あぁ……じゃあ、お言葉に甘えて」


 一瞬琴音の発言にきょとんとなった俺は、数秒後に意味を理解して頼む事にした。どちらにせよ、このままじゃあ恥ずかしくて立ち上がる事も出来そうにないからな。

俺は髪の毛を手で前に流し、琴音に背中……というか、うなじを見せる(てい)になった。


「……これで、よし」


 その言葉を合図に、俺はちゃんと着けられたのかを確認した。


「あ、ありがとうございます!」


「い、いいえ。あの、お一人で?」


「え、いえ……一応、連れがいるんですけど」


「そうですか。あの、随分不慣れみたいですけど、こういうの……着けた事ないんですか?」


 琴音がふとそんな質問を口にする。うっ、そりゃ男なんだから着けた事ないのは当たり前だ。


「ま、まぁ……」


「やっぱり、胸が大きいとカワイイ柄とかがないってのは本当なんですか?」


「ええっ!?」


 琴音の質問に、俺は思わず驚愕の声をあげる。いや、そんな事俺に訊かれても、女の子のそう言った情報は皆無だから、知るわけない。ていうか、俺のコレは、大きいレベルなのか? 普通よりほんのちょっと大きいくらいで、霄や霞さん、ルナーに比べれば……あっ。

そこで俺はふと琴音を見た。彼女は己の小振りな胸に両手を添え、恥ずかしそうに頬を赤らめてこちらの胸を羨ましそうに見ていた。

やっぱり、麗魅と同じで琴音も胸がコンプレックスだったりするのか? でも、琴音の場合、そこまで小さいとは思えないんだが。まぁ、当人の感覚によるのかもしれないが……。


「失礼かもしれないんですけど、少し質問していいですか?」


「ど、どうぞ?」


 何で了承した俺ッ!? 俺はホントは男なんだぞ!? もしかしたら、女の子特有の秘密だったりとかあったら、どう答えるつもりなんだよッ!!!!

 ちょっと困った事情を抱えている相手に質問されるとどうしても聞いてしまう、俺の悪いクセだな。


「実は私、胸をもう少し大きくしたいんです。……私、少し気になってる人がいるんですけど」


 気になっている人? どういう事だ? どう気になるんだろ。憧れとか、尊敬だったり、もしくは……好き、とか?

琴音が続ける。


「その人の周りって、可愛い女の子ばっかりで、しかも胸が大きい人が何かとたくさんいるんです! だから、……私も、大きくなりたくて」


「その人の事、好きなんですか?」


「ふぇえっ!?」


 俺の質問に顔を真っ赤にして目を白黒させる琴音。これはあまりにも唐突過ぎたか……。

俺は少し質問の意図を変えてみる事にした。


「その人は、胸が大きい人がいいなんて、一度でも言ったんですか?」


「いや、……そうは、言ってないんですけど。でも、やっぱりよく胸の大きい人を見ている、気がして」


 もしかして、それって……俺の事か? いや、別に俺はルナー達の事をそんな目で見てるつもりは断じてないんだが。


「そ、それは少し……許せませんね」


「や、やっぱりそうですよね!!!?」


「へ!?」


 俺が共感するや否や、急に両手を胸の近くでグーにした琴音がズイッと肉薄してくる。


「やっぱり女の子は外見だけじゃなく内面も大事ですよね!?」


「そ、そうですね。見た目だけが全てじゃ……ないと、思います」


 あ、あくまでこれは客観的な意見なのだが、俺の言葉を口にするわけにもいかないだろう。そんな事をすれば、琴音に響子=俺だという事がバレてしまうからな。


「……ありがとう、ございます。えと……お名前聞いてませんでしたよね」


「え? え、ええと……」


 く、どうする? 名乗るべきか? でも、ここではぐらかすのは逆に怪しまれる元だし……。


「神崎……響子です」


「神崎、響子さん……何だか、すごく誰かに似たような名前ですね」


 ギクギクッ!!!?

俺は体がありえないほどビクついた感覚を感じた。


「私の名前は雛下琴音っていいます」


 知ってるよ。だって、すぐ近所に住んでる幼馴染だからな。


「琴音……さん」


「響子、さん。ここで会ったのも何かの偶然かもしれませんけど、いい意見が聞けたと思います」


「そ、そうですね。女の子は胸だけじゃないですし、他にもアピールする点はあると思いますよ?」


「他のアピールポイント……あっ、お、お尻……とかですか?」


 不意に俺にその丸いお尻を向けてくる琴音。う、うん……いや、確かにそれもあるかもしれないけど、そんな大胆なポーズを取るのは、いろいろとマズイぞ。これ、俺だってわかった時にはショックで倒れるかもな……。


「まぁ、あるかもしれませんが……ほら、料理スキルとか、いろいろあるじゃないですか?」


「う~ん、料理……かぁ。あまりやった事ないんで、いい機会かもしれませんね」


 瑠璃や優ねぇほどの天然っ気はないが、顎に手をやりふぅむと何かを思案している琴音の表情は、いつになく真剣そのものだった。

というわけで、四部です。二人が次にやってきたのは、ななななんと、ランジェリーショップです。これは、響史には少しつらい場所かもしれませんね。まぁ、ここにはそっちの人がいる可能性もあるかもしれませんが。で、ここは学園にも近いデパートだということで、もしかすると部活帰りの同級生とか、知り合いに会うかもしれないと、響史はビクつきます。

とりあえず、下着を試着する事になるのですが、ここでまたもやトラブル。そう、琴音に出くわしてしまったのです。亮太郎に続いて二人目ですね。

ひとまずバレてはいませんが、会話をする内にバレたらヤバイ状況に。

果たして、響子の正体は、琴音にバレてしまうのか?

五部に続きます。

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