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24 ウィンチェスターとマーリン

見分けが付かない。


 依頼を受けたその日も射撃の訓練を行った。


 十メートルか十五メートルの距離なら狙えば確実に当てられる。狙う的が小さなコインだとしても外さないだろう。


 だがそんなのは当たり前のことだ。BB弾を発射するエアガンだってこれぐらいの命中力はある。


 問題なのは狙わずに当てる事だ。サイトを見ずに正確な射撃をするのは難しい。それでも最初よりは随分ましに成ったと思う。


『ユキ、もっとコンパクトに構えてみろ。取り敢えずはアタイみたな曲撃ちじゃなく基本的な撃ち方を努めるんだ。なにせお前と来たら銃を正面に構えている分には殆ど当てるんだからな』


 ツインテールの少女が瓦礫の上に腰掛けながら話し掛けて来る。


『了解!』


 45口径オートマチックコルトピストルの反動を意識する事は殆ど無くなった。そもそも、その反動はライフル弾と比べれば小さいので連射しても十分に制御できる。


 乾いた破裂音と共に、正面に並べた三つのレンガがほぼ同時に砕けた。そして直ぐに反転して背後のレンガも同様に破壊する。


『Not bad!今日で千五百発以上撃ったことになるのか……まあ、良いんじゃないか?』


「お褒めに預かり光栄です、お姫様。ところで明日、本当にオーガに遭遇したらどうしよう?」


『取り合えずマガジン全てAP+P(アーマーピアッシングブレットの強装弾)を入れて置け。いざという時はそいつで目玉を狙うんだ。眼底なら脆いから破壊できるだろう。それか、お前が前やったように耳を狙うのも良いかもしれない』 


「目玉……小さい的だね」


『集中すれば出来るさ。もう少し自在にアタイを操れるように成ればハイドラショック辺りのハローポイントと組み合わせてマガジンに入れるんだが』


 そんなやり取りをしながらその日を終えた。


   ・

   ・

   ・


 次の朝、時間通りに酒場の前に行くと、由香里さんは既に準備が出来ているようだった。彼女はリュックとライフルを背中に背負っている。


(あのライフルちょっと変わってるね。ハンドガードみたいなのが付いてる)


『変わってる?そうか?あれはレバーアクションライフルと言うんだ。marlinマーリン製なのかwinchesterウィンチェスター製なのかは解らんが、エジェクションポートが横についてるから多分marlinだろう。ライフルストックポーチの弾丸を見るに弾種は30-30か』


 サリサリ?


『30-30、サーティーサーティーだ。三十口径の弾丸だよ。あの銃はグリップに付いているハンドルを操作することで次弾を装填することが出来る。いかにもアメリカンか西部劇って感じがするライフルじゃないか?』


 ナインティーンの説明を受けていると、由香里さんは俺に気付き声を掛けてきた。


「おはよう、ユキ君。今回の護衛、お願いするわね」


「おはうございます。今日はこの十一区から東十二区まで移動して、明日十二区まで移動する予定でいます。地図は頭に叩き込みましたが、東十二区へは途中までしか行った事がありませんから、案内を頼みます」


「良いわ。まあ一番道らしい道を辿れば大丈夫なんだけど、私は後ろに乗れば良いのかしら?」


「はい」


 ナインティーンは僕の前に……というか彼女はバイクに乗らなくても付いてこれるんだけど……そして由香里さんは僕の後ろに抱きついた。


 胸が当たるので少し恥かしい。


『おいユキ、何を考えてる!!それとこの女に言え。そんな乗り方じゃ安定しないだろ。お前の胸に手を回すだけじゃすっぽ抜ける。握りやすいベルトとリアキャリアーを掴むように言え。でもってニーグリップだ』


 ナインティーンは僕に由香里さんの乗り方を修正するように良い。何処をどう保持するのか身振り手振りも合わせて伝えた。


 僕はそれに従い由香里さんに手の位置と姿勢を変えるように要求する。最終的に僕と由香里さんは密着しない状態になった。


「…………」


『それで良い。ユキ』


「……じゃあ、出発します!」


クラッチを一旦切って、一速に入れながらアクセルを吹かしつつクラッチを再び繋ぎ、ゆっくりと発進した。


 僕が行く道は、街から離れるとわだちだけになる。四駆じゃなければスタックしそうな道だ。街の南側の廃墟と比べて西側は植生が濃い。


 これもゲートとやらの影響なのかなぁ……


『ユキ、運転に集中しろ。周囲への警戒にも怠るな』


 ナインティーンは僕が他所事を考えていることを感じたのか警告を発した。


『絶えず目玉を動かせ。何が起こるか解らないんだからな。それにもうすぐ、行った事の無い道を行くんだ。それも後ろに重い荷物を乗せてな』


(解ったよ。それとありがとう)


『ふんっ…………』


 三時間ほど走って休憩を入れた。


 バイクのスピードは路面の状況のせいで遅い。それに道はグネグネと曲がりくねっている。断言して良い。今走ってるのは道じゃない。車で行けそうな所を走った結果に出来た単なるワダチだ。


「通りで、アル中が描いた地図みたいになるわけだよ」


 あそらく地図は方向と大まかな距離だけは正しいのだと思う。そしてその大まかなランドマークとランドマークの間の道を示した線はまるで絶えず地震が起こっている地震計のような描かれ方をしていた。きっと適当に違いない。「こんなふうな道だよ」と言いたいのだろう。そのランドマークを直線で結んだとしても、のたくるミミズのような経路を描く。


「一応地図通りに来ていると思うんですが、この道で合ってますか?」


 僕はペットボトルから濾過と煮沸済みの水を鍋をコップ代わりにしてに移して飲みながら由香里さんに訊ねた。ペットボトルに口を付けないのはボトルに雑菌が繁殖するのを防ぐためである。   

 

「合ってるわ。丁度、東十二区と十一区の真ん中あたりかしら」


「そうですか……」


 鍋をリュックに仕舞いながら目の前の女性を見る。彼女は、つい最近家族を殺された筈なのに随分としっかりしている。この世界ではそういうのが普通なんだろうか?


「何よ、ジロジロ私の事を見て?」


「あっ……すみません」


「ねぇ、あなたこそ何者なの?話だと十一区に流れて来たんでしょ」


「…………」


「年の割には、良い装備をしてるみたいだし」

 

 そう言って、由香里さんは視線を上下に動かした。


「それでもって、一人で行動していると聞いたし……もしかして、あなたも家族を?」


「…………」


 ……なんて答えるべきだろうか。僕の場合、世界ごと消された訳だけど。


「あぁ……良いわ。話したく無い事も在るわよね。無神経だったわ」


「いえ、気にしないで下さい」


「でもあなた、やっぱりそこらへんにいるただの子供じゃないわね」


「?」


「さっきから、私と喋りながらでも、きょろきょろと周囲の警戒に余念が無いじゃない」


 そりゃ、言われた事ぐらいは出来なきゃね。  


『ユ~キ~~。余計な会話してると、相手に情が移るぞ。碌な事にならないぜ』


(了解!) 


「……そろそろ、また出発するつもりでいるんですが構いませんか?」


「解ったわ」


 再びバイクに乗り込む。


 今のところ特に何事も無く進んでいる。問題があるとすればお尻が少し痛いくらいだ。


「そういえば、東十二区の近くに“ゲート”があるって酒場のマスターに聞いたんですけど、ゆかりさんは何かご存知ですか?」


「ええ?ああ……確かもう少し先のはずだけど。北側、道からみて右側にあった筈よ。道からはかなりの距離があるから見えやしないけど」 


「そうですか……」


「モンスターだけじゃなく、人間にも気を付けてね」


「……解ってます」


『いつかはゲート付近の遺跡にも、潜れるように成りたいもんだがな』          

 ゲートの遺跡……


『そうだ。場合によってはかなりの稼ぎになる。当然、危険はあるが、それを乗り越えられる強さをお前には備えて欲しいと思うぜ。危険から逃げていても、どうせそのうち向うからやって来るんだからな』


 …………


『そうなった時に、その災いを振り払える程度の強さ、技術や装備を身に着けて貰いたいもんだぜ』


「……そうだね」


 ナインティーンの言葉に答える。


「えっ、何か言った?」


「いいえ、なにも」


 その声に反応した由香里さんに何でも無いと良い、僕はスロットルを開けてバイクのスピードを上げた。


   ・

   ・

   ・


 またお尻が痛くなってきた頃、東十一区の近くのランドマークを見つけた。まあランドマークの多くは岩なのだけれど……


「由香里さん。後、どれくらいか解りますか?地図だとかなり来てるんですけど」


「この調子なら三十分を切るくらいじゃないかしら?」 


 時計を見るとお昼過ぎくらいだ。


「この分だと、お昼に、お昼を食べれるかな……」


 そんな会話をしながら、右なりに続くカーブを抜けた時だった。前方の景色に違和感を感じた。


 目を凝らすと煙が立ち上がっている。


『ユキ!!』


「ああ!」


 前方にある物はまだ何か解らない。だがバイクを減速して戦闘態勢に入ろうとしたその瞬間だった。


「後ろぉ!!出たぁああ!!!!」


 後ろのシートに跨っている由香里さんが素っ頓狂な声を上げた。


 サイドミラーを覗くとそこには見覚えのあるモンスターが映っている!


「おっ……オーガぁ?!!」


 道の脇の林から出て来たのだろうか……そこに居たのは紛れも無くオーガだ。直ぐ傍!!こちらに走ってきているのが見える。

 

 すぐさまギアを二速下げてスロットルを全開にしてタコメーターをレッドゾーンに叩き込む。


 非力なエンジンが悲鳴を上げつつも強力になったトルクを駆使して加速する。同時に左手で肩にかけてあるスリングベルトを引っ張ってSKSを胸側に引きよせ左手で構えスコープを覗き込んだ。


「っ!前方にもオーガが居る!!」


 そこには、煙を上げる横倒しになった車とオーガが居たのだ。そしてその先はコーナーになっており状態が確認出来ない。


 挟み込まれた!?


 右手でスロットルを一瞬戻すと同時にシフトペダルを押し上げる。すぐにスロットルを開けることで左手のクラッチレバーを使用せずにギアチェンジが出来るのだ。


 どうする!?どうする!?


『F1手榴弾で後ろの奴を足止めしろ!!追いつかれる。その後、後ろのオーがから距離を取りつつ前方の敵を狙撃しろ!!』


 ナインティーンが早口で指示をくれる。


 SKSを手放し胸のポーチからF1手榴弾を取り出し口でピンを引き抜きアンダースローで放り投げる。それをもう一度繰り返す。


 手榴弾とバイクの距離は一瞬にして離れ、そして破裂音と土煙が上がった。


 バイクは今も前方に走り続けている。


『アクセルを後ろの女に任せろ!!少しでも緩めたら追いつかれるぞ!!』


「由香里さん!!バイクのアクセル握れる?」


「大丈夫だけど……どうするの!?」


「前にもオーガが居ます。狙撃で倒しますから」


 身体を出来るだけ前にずらす。そして僕にぴったりと身体をつける様にして手を伸ばし由香里さんがアクセルを握った。


 フロントカウルにSKSを載せるようにして構えるが、振動が伝わり安定しない。


『ユキ!!両手放しで狙え!!』


 くうぅ……ハードルが高い。


 手放し運転は自転車でならしたことがある。しかしバイクとなると……


『(自転車と)一緒だ、ボケ!!上半身と下半身のバネを使って揺れを押さえろ!!狙うのは目だぞ!!』


 ニーグリップでタンクと身体を固定してSKSを構える。スコープの中にかろうじてオーガが映るが安定しない。


「くそぉ!!」


 下手な鉄砲も何とやらだ!!


 出来るだけオーガの頭部をスコープの中心に捕らえながら引き金を引いた。


 ドラムマガジンの中には大量の弾丸があるんだ!遠慮無しにぶち込めば良い!


 連続して響く破裂音、そしてこちらに気付いたように吼えるオーガ。それとの距離はどんどん詰まって行く。   


 前方のオーガと五十メートルを切った時、スコープ内にはっきりとオーガの白い目が映った。そして幸運にも放たれた弾丸はその眼球に飛び込みどす黒い血をその穴から噴出する。


「やった!!」


『ユキ!!道をふさがれてるぞ!!』


 前方に一匹だけと思われたオーガを運良く倒した時、ナインティーンが叫んだ。


 車の傍には道を塞ぐように倒れた木がその幹をむき出しにしていたのだ。この距離まで接近して下草に隠れていたそれを認識できた。


(あの車は、あの木に道を塞がれたところを襲われたのか!?……てか、不味い!!フルブレーキか!?)


『ユキ!!身体を借りるぞ!!』


 ナインティーンは一気に身体の制御を奪うと、由香里さんが握っていたアクセルグリップを再び握り込んだ。


「振り落とされないようにしっかり捕まってろ!!ウィリーで乗り越える!!」


 彼女は反動をつけるように一旦前傾姿勢を取りながらギアを落とし、エンジンブレーキを掛けて減速すると、クラッチを切ってアクセルを吹かしながらフットペダルに体重をかけてシートから腰を浮かし立ち上がった。そして重心を後ろにずらしつつガツンとクラッチを急に繋ぎフロントタイヤを浮かせて木の幹を乗り超えた瞬間に、今度はフロントを押さえ込むように体重を前方にかけて一気に木の幹を乗り越えたのだった。


「やった!!」


『糞っ!!まだだ!!』 


 木の幹で出来たバリケードのその向こう側にオーガが、もう一匹居たのだ。コーナーがあるせいでこの位置に来るまで死角になっていたようだ。しかもそのオーガの向こう側にはまたしても木が倒されている。今度は枝のせいでウィリーをするだけじゃ容易に乗り越えられそうに無い。


「捕まってろ!!」


 前方のオーガは手に持った大きな石斧を振りかぶるように構えた。このままのコースで突き進むとその石斧でバイクごと水平に真っ二つだ!


 フルスイングで振るわれた石斧に対し、ナインティーンはバイクを右側に倒しつカウンターを当てながらを後輪をフルブレーキングしてタイヤをロックさせた。そしてスライディングをかますように、石斧の下をくぐるとカウンターを当てていたフロントタイヤを全力で引っ張りながら今度は前輪にブレーキをかけつつ一気にアクセルを開き時計周りのアクセルターンをかましながらホルスターから拳銃を引き抜いたのだった。


『狙え!!』


 上半身の制御を一部を僕に戻す。不意打ちだったが僕は必死にオーガの右脇を抜けながらそれの頭部、耳を狙って引き金を連続して引いた。


 バババンッ!!


 銃口から放たれたAP弾は痺れる様な衝撃を僕の腕に残してオーガの即頭部、耳に見事命中した。なんせ目の前、ほんの数メートル先の的なのだから。


 アクセルターンでそのままオーガの背後に回りこみ、バイクは倒れ込みながら止まった。ハンドルを最終的に逆カウンター方向に引いたためハンドルがバイクと地面の間に隙間を作っているため、直ぐにバイクのしたから抜け出すことが出来た。由香里さんも立ち上がる。


「グオォォォオオオ!!」


 耳を打ち抜かれた目の前のオーガは背中を向けながら咆哮しつつ顔をキョロキョロと動かしている。


 僕は立ち上がり両腕で銃を構えた。そして叫びながらこちらを振り返ったオーガの目玉に弾丸を叩き込む。一発や二発ではなく全弾撃ちつくすつもりで引き金を引くと、オーガは目の前で顔面を血だらけにして、絶叫しながらよろよろと明後日の方向に向かい倒れたのだった。


『最後の一匹を屠るぞ!!』


 ナインティーンはエンストしてしまったバイクを立たせる時間は無いと判断したのか拳銃のマガジンを交換しつつこちらに走ってくるオーガに歩き出した。護衛対象者から離れてその安全を確保するためだ。


「つぅ……ちょっとユキ君!!?」


 猛獣のように迫り来る巨大なオーガ相手に、拳銃一つで立ち向かおうとする僕とナインティーンを見て、由香里さんは驚きとも絶望ともつかない声を上げた。


『ユキ、あまり身体を動かせそうに無い。ドタマ狙う隙は作ってやるから決めろ!!』


「解った」


 オーガはもう目の前まで来ていた。まずは先ほどのオーガと同じように石斧を上段から振り下ろしてくるのを懐に入り込むためオーガの内側である僕から見て右手側に避ける。だがオーガはまるでその行為を見透かしていたかのように奴の丸太の様な巨大な左足で勢い良く蹴りつけてきた。


『ふんっ』


 ナインティーンは不敵に鼻で笑うと、僕の身体を使って足を揃えてジャンプし、迫り来るオーガの脛に両足で飛び乗り、柔軟な膝と腰を使ってその威力を消しながら空中に蹴り上げられると同時にジャンプしてオーガの目線よりも上で伸身宙返りをし、上下反対になった世界でその銃口を奴の顔に向けた。


『今だ!!』  


 目の前、まさしく目の前にオーガの顔がある。


 無我夢中で狙いを付けながら引き金を引いた。まるで時間が止まったかのように感じる。連射するように引き金を引いているはずなのにその引き金は一回一回をはっきりと認識できる速さでしか引かれず、一瞬で前後運動を繰り返すはずのスライドが妙にゆっくりと移動していくように見えた。


 そして発射された弾丸は吸い込まれるようにオーガの瞳に命中していく。


 気が付くと、僕は地面にしたたかに身体を打ち付けていた。


 目の前には双眸から血を流すオーガが居る。それはまるで糸が切れた人形のように膝から崩れ、もう少しで下敷きになるという至近距離で絶命し地面に横たわった。 

   

「はぁ…はぁ……はぁ……」


 全身を汗が流れている、動かないオーガを目の前にして僕は震える手で拳銃を構えながら這うように後ずさりをして距離を取った。


『なかなかの集中力だったぜユキ。脳内麻薬がドバドバ出てたな……』


「はぁ……はぁ……し…死んだの?」


『そうみたいだぜ。……さあ、立ち上がれ!まだ居るかもしれないんだからな!』


 僕は立ち上がり、呼吸を整えつつ周囲を警戒する。今、装填されている15rdマガジンの斬弾を確認すると、八発しか入っていない。あの一瞬で七発叩き込んだようだ。


 警戒しながら僕はバイクの方に歩き、信じられないような顔をしている由香里さんに、念のため銃を背中から降ろして構えるように伝えてからバイクを立たせてエンジンをかけなおした。


「呆れた……まさか拳銃一つでオーガを倒しちゃうなんて……自分の目の前で起きたのにちょっと信じられないわ」


 由香里さんはライフルを腰だめに構えながら周囲を警戒しつつ呟いた。


『ユキ、どうも周りにはこれ以上居ないようだな』


 拳銃を片手に空になったマガジンにAP弾を詰めながら警戒する僕に、ナインティーンが話しかける。


「そうみたいだね」


『なら魔石だけでも回収しようぜ。二匹目に倒したオーガ、顔が他と違うだろ?骨格がまるで面みたいになってる。きっとオーガのハイスペック種だぜ』


 確かにナインティーンの言うように他のオーガとは若干違うように見える。大きさも大きいし、頭蓋骨が発達し過ぎてまるでそれが顔ではなくお面のようになっている。


 僕は由香里さんに魔石を取る旨を告げ、その了解を得てから魔石を取り出した。その後に襲われていたと思われる車をと周囲を調べた。


「ひどいわね。これは……」


 車の中には食べかけの遺体があった。そしてその遺体の近くには踏み潰されたようにストックがへし曲がったサブマシンガンが転がっている。その長さはストックまで入れると八十センチ近く在って、僕が思っていたサブマシンガンよりずっと大きい。


『※スミス&ウェッソンのM76……のコピーかな?』


※9mmパラベラム弾を使用するオープンボルト形式のサブマシンガン

民生品のコピーはMK-760 


 拾って手にとって見る。コッキング用のハンドルを引くがボルトが後ろまで後退しない。


『フレームごと踏まれたようだな。まがって使い物にならないんだろう。弾はどうだ?』


 半分開いたチャンバーを覗くけどマガジンの中は空のようだ。


 車から少し離れた場所、二匹目のオーガの近くにも遺体があった。


 車から続くような血痕は無かったので、逃げ出したところをオーガに教われたのだと思う。


「行きましょう。これ以上この場に居たくないわ」


 由香里さんは顔色を青くして僕に言った。


「解りました」


 僕は進む先にあるもう一つのバリケードになっている木の枝をバイクが通れるように払ってからバイクを手押ししながらアクセルを吹かして乗り越え、そして再びバイクに跨りその場を後にしたのだった。


  

目標:魔石納品500 達成

目標:11区から12区まで対人護送任務


魔石:5

腕輪:炎術のマナグッズ

指輪:神聖魔術のマナグッズ

腕時計:1

携帯濾過器:1

予備フィルタ:3

H2Oペットボトル2L:3

携帯食料:7

鍋:1

フライパン:1

布テープ:1

ダガー:1

コンバットナイフ:1

F1対人手榴弾通常:0

F1対人手榴弾遅延ヒューズ無し:2

.45acp:223

.45acpAP+p:97

10rdsmag:2

15rdsmag:2

SKS スコープ搭載 レーザーサイト搭載 

6ポジションアジャストストック

予備30rdマガジン:2

75rdドラムマガジン:1

7.62×39mm:352

バイク125ccキャリアー搭載済み

水筒:1

鉈:1

コンパス:1

地図:11区周辺

フラッシュライト:1

単二電池:6

CR-123Aリチウム電池予備:1

第一世代ナイトビジョン:1

(ユーコンバイキング1X24ナイトビジョンゴーグル

IRイルミ有効距離:最大150ヤード)


US$:330ドル

円:10K

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