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神聖祓魔師 二つの世界の二人のエクソシスト  作者: ウィンフリート
平行世界へ
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第70節 砦拡張工事始まる

中世のお城の壁をみると、四角い穴があいていることがあります。

意外な使い方をするんですよね・・・

次の日、4人の護衛騎士が砦に到着し、昼過ぎに枢機卿様は帝国領に帰っていった。また話にくると言い残して馬車に乗る枢機卿様や、ぺトルス・ダミアーノ神父様、そして、レオナルドさん達を見送ってほっとしたのも束の間、新たな来客があるとのことで、砦は大騒ぎになった。


 いよいよ、砦の拡張に着手することになったそうだ。職人さんが最低でも20人はくるそうで、泊まるところがないので大騒ぎになっているのだ。もともと、鉱山口の2階に泊まる予定だったが、例の森の中の修道院で奴隷にされていた人たちが今住んでいるのだから、場所がないわけだ。僕もそこに住んでるんだよ・・・


 オットー様が宮宰様に相談したところ、大工さんを先に派遣し、仮の宿舎を建てようということになった。材木など材料は砦持ちで、人工代は公爵持ちだそうだ。


 そして、大工さん達がやってきた。砦の中庭が、大工さんの仕事場に変わり、仮宿舎ができるまで、砦の食堂が大工さん達の宿舎になった。兵士の皆さんは、毎日外で食事している。時々ならピクニックみたいでいいけど、毎日だと辛くなるよね。

仮宿舎は、鉱山街の南城壁と、建物間にある、中庭に建てられることになった。城壁には、ところどころに四角い穴が開いているのだけど、これが、失敗じゃなくて、もともと、ある目的のために開けられているって知った。城壁は石造りだけど、その上に要塞の補強として、小屋を造ることがあるらしい。この穴に木材を差して、床を掛けたり、そこから屋根をつけたりするらしい。そこには兵士さん達が隠れて矢を放ったり、砦の下に石を落としたりする仕掛けをつくるんだって・・・結構屋根とかも、敵から飛んでくる矢を防ぐのに使えるそうだ。

でも、攻城兵器が飛ばしてくる石の球までは防げないって。ただ、直撃が避けられるので、役に立たないわけではないって聞いた。

しかし、人間相手の戦い用らしく、使われることがないとか・・・だから穴が開いたままということだ。

悪魔軍だと空飛んでくるから、攻城兵器が要らないらしい。嫌だな・・・この前見た空飛ぶ魔物を思い出したよ。使い魔っていうんだけど、羽以外は矢が効かないんだよね。僕がカルワリオについた日に遭遇したやつだよ。


城塞都市から来た大工さんの作業を見るのが楽しくて、仕事の無い時とかは見に行って、色々と大工さんに教えてもらっている。結構、子供達も出てきて、カンナ屑や木屑をもらったりしている。実は結構子供いるんだな。ペーターさんの奥さんに会ったんだけど、二人の子供を連れてきていた。なんでも、空を飛ぶ魔物とかに、攫われるので、子供は普段は外に出ないらしい。特に小さい子が危ないんだって。


それで、今、僕は、独身傭兵寮の中庭にいるんだけど、比較的低いところに開いている穴に、大工さん達が、木材を打ち込んでいるんだ。なんか木で出来た、大きなトンカチで叩いている。城壁から材木が生えたようになるんだけど、その先に柱を立てて、柱の根元に石を置いている。束石って言うんだって。


次の日には、その柱と柱の間にまた材木を渡してた。そして、さらに屋根にあたるところに材木を渡して、さらにその上に板を取り付けて、藁みたいな材料で、葺いている。おお、おうちができた。でも床がないよ・・・

あ、これから床を張るらしい。その前に、兵士さん達が城壁に面したところに石を積んで、暖炉つくってる。ふーん。冬も使えそうだね。まだ壁がないけど、どうするのかな・・・


 オットー様が、大工の親方と話してるよ。ちょっと近くにいって、さりげなく聴いてみるかな・・・


「オットー様、仮宿ですが、壁はどうしますか。なんか暖炉をつけるって聞いてなかったので・・・冬まで俺ら作業しろってことですかい?」

「いや、すまん、そういうつもりはないから安心しろ。人が増えることもありうるんでな。どうせなら仮じゃなくて、ずっと使えるほうがいいかと思ったんだ」

「じゃ、壁は土を入れて、表面を石膏で塗って、鎧窓ぐらい付けますか・・・」

「頼む、土は兵士に取りにいかせよう。無理ばかりいって申し訳ない」

「いいんですよ。俺らもできれば、すぐ壊す物より、いい物つくりたいし、砦に住んでいる皆んなのために、役に立つことぐらいしたいもんです」

「すまん、そういってくれると助かる」


 オットー様は、僕が聞き耳を立てていることに気付いていて、僕に話しかけてきた。

「じゃ、使徒殿、兵士が土を取りにいくので、彼らの護衛をたのんだぞ」そう言って、オットー様は何処かへスタスタと歩いていってしまった。


あれ、今のどういう意味?僕の護衛に兵士さんが付くのじゃなくて、僕が兵士さんの護衛とかいってたよね・・・

まぁ、いいかと思ってると、兵士さん達が僕を探しにやってきた。これから土を取りに、砦の南にある、元村にいくらしい。仕方ないので付いていった。


砦の第2門に集合している兵士さん達は、鎖帷子も脱いでいて、普段着だ。みんなローブみたいの着ている。短剣だけは帯にさしているものの、軽装なこと極まりない・・・

「あの、そんな恰好で大丈夫なんですか?」

「ああ、使徒様がいらっしゃるから、ローブでいいぞって隊長がいってたんですよ」

・・・どういうことなんだろう・・・僕が護衛って・・・本当なんだ。どうしよう、ゴブリンとか出たら・・・


最初に呼びにきた兵士さんは門番だったようだ。第2門で屯所に入っていった。

「さぁ行きますよ」

 みんな戦闘馬車に乗り込んだ。荷台には土を掘る道具や、筵の袋などが積んである。


 僕は怖いので、荷台ではなくて、覆いのついた、御者の座席に乗せてもらった。このまえ、荷車を探しにいったときと同じだよ。


 馬車は街道をどんどん南下し、すぐに元村だった廃墟の街についた。なんか崩れた家の裏手に回ると、土の山がいくつもあった。どうやら土置場だったようだ。兵士さんが、昔はもっと大きな山だったけど、雨や雪で小さくなっていったといってた。数年前に砦の普請をしたときに集めた土らしい。

うわ、この土をどうやって持っていくのだろう・・・スコップで積むのかな・・・ぼーっと見ていると、皆がスコップを使って次々と袋に入れだした。


結局、浮遊でなんか筵のような袋にいれた土を浮かすことになった。で、それを荷台に載せて、砦に戻るわけだ。もう何往復したのだろう。かなりの土が独身傭兵寮の裏庭に運ばれていった。くたくただよ・・・

「お疲れさま。今日は終わりだよ。使徒様。なんか、隊長が呼んでいるよ」

「げ、また何か任務かな・・・」

 僕は重い足を引きずって砦のほうへ歩いていった。


 仮宿舎といっても、どんどん立派になってきた。城壁の上から見ると、少し下に屋根がある感じ。中庭は半分ぐらいの広さになったけど、泊まれる人が増えるのはいいね。結局、傭兵独身寮と、鉱夫独身寮の中庭全てに宿舎が建設され、全体の収容人員は50名程になった。でも2段ベッドだけどね。

 今、大工さんは、その2段ベッドを作っている。ベッドができたら、全員宿舎に移動するらしい。


 砦に着く前に、オットー様が、明星亭の前でまっていてくれた。

・・・おや、明星亭の前ということは、ご馳走してくれるのかな・・・僕は期待に胸を膨らませて、愛想よくオットー様に挨拶した。

「おやおや、使徒殿、元気だね。いいものを見せてあげよう。こっちにおいで」

オットー様はお店の中に入っていった。やったぁ・・・ガッツポーズをして、あとをついていったんだけど。

食事用のテーブルには向かわないよ・・・何故?


それどころか、裏口に回っていっている。

「オットー様、何を見せてくださるのですか?」

「まぁ、見てからのお楽しみだよ・・・」

「えー?」 もう食べ物じゃないのは確定だな・・・残念。


裏口から中庭にでると、今までは納屋があって、更に裏庭があって、城壁だったんだけど・・・納屋の後ろになにかができていた。

「あ、これって傭兵寮の後ろにあるやつと同じ宿舎じゃないですか・・・」


「おお、よくわかったな・・・ちょっと中をみてごらん。幅自体は、傭兵寮のと同じだけど・・・部屋が二つあるんだよ」


 僕は扉を開けた。扉のすぐ正面には、暖炉がある。他と同じで暖炉だけで、煙突はないけど。そして、宿舎だと、小さなテーブルとイス、4人用の2段ベッドが2台あるんだけど、ベッドは1段で1台しかない。

「オットー様?これはいったい?」

「使徒殿の宮殿だ。驚かせようと思ってな。こっそり作ってもらったんだよ。

そうなのか・・・どうしよう、ものすごく嬉しい。僕はあちこち部屋の中を見て回り、外にまた出てみた。鎧戸がある。あれ、隣にもドアと鎧戸があるぞ・・・


 隣の部屋の扉を開けてみたら、アーデルハイトが服を着替えていた。「きゃー変態、すけべ。信じられない。あっちいってよ!」すごい怒ってる。僕も見てはいけないものを見てしまった、ラッキースケベ状態だ・・・顔を真っ赤にして、すごすごと元の部屋に戻った。


オットー様が、変態を見るかのような目で僕をみている・・・


「すみません。まさか隣にアーデルハイトがいるとは思わなかったんです」


オットー様はすこし笑って、「いいだろう?二人のために作ったんだ。まぁ、アーデルハイトは、もしかしたら城塞都市に移るかもしれないから、ずっとは居ないだろうけど・・・」


え?どういうことなのかな


「まぁ、ここの部屋をしばらくは使ってくれ。なにしろ大切な魔法使いだからな。帝国に行かれても困る。ここでもっと働いてもらわないとな・・・いわゆる待遇改善ってやつさ・・・」


確かに・・・部屋というか個室をいただけるのは、嬉しい。これでご飯が毎日ついてくるんだったら、天国なんだけどね・・・」


僕は丁寧にお礼をいった。早速引っ越そう。でも荷物ないんだよね。とりあえず、ベッド用の藁を納屋から貰ってこよう。その前に女将さんに言わないとな・・・


女将さんは快諾してくれた。ペーターさんの一件で、僕が意外と活躍したことを聴いたらしい。


いかがでしたか?


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