第15節 転移門の起動とあちらの世界
また謎の少年視線です。
前話で公爵様たちが、丘を登りだした丁度そのころの丘の上の少年の物語です。
僕は、例の男の死体を視界にいれないように、横をすりぬけて前へ進んだ。まぁ目玉はカラスにつつかれていたので、すでになかったが・・・ていうか見ちゃったよ・・・おえ~
明らかに変だ。ここって平らだったよね?
とにかく街に戻ったら、また火あぶりにされちゃうから、逃げないと・・・
僕の勘が、あの光っているところに行けばどうにかなるのではないかと教えてくれる。
しばらく登ると丘の上は50メートルぐらいの円形広場になっていた。草木はまったくなく、黄色い土がただ平らにあるだけだ。そしてその中央に白く光る長細い卵のようなものがある。卵の中央は黒くなって穴のようになっている。中はうかがい知れないが、風が吹いていて、穴の中に吸い込まれているようだ。なにこの不思議。
これやばくないかい?でもなんか気になる・・・
好奇心って、怖いよ。人間はきっとこうやって好奇心に勝てずに危険に知らずに飛び込んじゃうんだろうね。ドミニク神父様もそういうタイプだろう。ほかならぬ僕もそうだと思う。うまくいけばいいけどね・・・そのまま死んじゃう子供も多いよね・・・
触りたくてうずうずしていたら、ていうか気づいたら僕は手をのばしてその光る、高さ2メートルは有にある、白い卵に触ろうとしていた。
僕の青痣が熱を持ち出した。痣が同じように光りだしている。白い服を通じてもわかるぐらい光っている。次の瞬間、ぼくは卵の中の穴にすうっと吸い込まれていた。目の前が目をあけられていないぐらい白くなった。
気が付くと、まだ同じところに立っていた。目の前にあった空間の穴のようなものは消え失せてしまっている。
「あれ、変だなぁ・・・」老人じゃないけど独り言が出た。
最近独り言が多くなっちゃったんだよね。あのさ、僕6歳だよ。なんだか翻弄され続けることが多すぎる人生だからかな・・・
とにかく逃げないと。僕は前へ、カルワリオの先の方に歩いてみた。その先は切り立った崖だった。どれだけ深いのだろう、吸い込まれそうになる。遠くなりそうな意識を取り返し、よく下を見てみた。はるか下に川が流れているようだけど、これは下りられそうにない。すこし先のほうに反対側の崖があるのだけど、自然のスケール感が大きすぎて、なんだか距離感がよくわからない。
これってもしかして飛び越えられる?いやいやムリ。
好奇心旺盛だけど、これが無理なのは僕でもわかる。とりあえず、右の方も、左の方にもいってみたけど、崖だ。左右はそんなに高くないけど、下りるのは無理そう・・・まずいよ、戻るしかないじゃん。
僕は仕方なく戻ることにした。幸いなことに追手はきていないようだ。歩きながら正面を眺めた。
下りだから、転ばないように足元を確かめつつ下りていて、なんか違和感を感じた。さっきこんなに急だったか?ふと気づいて前をもう一度みて驚いた。気づかないうちに城壁がすごく高くなっているよ。おかしいな。もしかして僕。小人になっちゃったのか?
城壁の上には、何人もの兵士が歩哨に立っているようで、うろうろ左右にいったりきたりしているのが、頭というか、ヘルメットの光の反射でわかる。あれ、やはりおかしい。昼間は開け放しの門が閉ってる・・・
これはまずいと僕の心臓が高鳴りだした。一難去ってまた一難だ。
これって、僕が悪魔の子だという騒ぎのせいでこんな重大な警備体制になったんだよね・・・ていうか、短時間で城壁が伸びるようになっているなんて、かっこいいじゃん!男の子の心をくすぐるよ。いやいやそんなことはどうでもいいや。これからどうしよう。
ここまですごい警戒態勢って悪魔の子。つまり僕に対してでしょう?・・・見つかったらやばいよね・・・僕はそっと音をたてないように体を低くして都市の方へ向かい、門の前の交差点まで歩いてきた。あれ、例のグロいのなかったな。そこから左右に分かれる街道を右へと小走りで走り出した。
「来たぞー、撃退せよ」
急に角笛が吹き鳴らされた。まずい、見つかった。撃退って僕6歳なんだよ・・・
あたふたしていると、僕の後ろの空のほうから、見たことがないような大きな鳥のようなものが城壁よりも高いところを数羽飛んできていた。
シルエットが黒い影のような鳥は、人間ぐらいはあるのではないだろうか、城壁の上から弓が何本も浴びせかけられているが、あたっても結構平気なようだ、そのうち羽を何本も撃ち抜かれた一匹が落ちてきた。うわ~こっちのほうに落ちくるぞ。
僕は街道沿いに走りだした。結構手前に落ちたようだ。なんだ、遠いじゃん。
僕はほっとして、立ち止まって様子を見た。
うわ死んでないや。立ち上がって咆哮をあげてる。あれ、羽があるのに手が生えてるぞ。羽から矢を抜いている。見たことのない鳥?いや魔物だ。
気づかれないうちに。隠れないと。僕は街道沿いの藪の中に逃げ込んだ。
他の魔物はおぞましい声をあげ、都市の上に入ろうとしたが、何か空中に見えない障害があるようで、ぶつかって、跳ね返って、後ろに戻り、少し離れたところで旋回している感じだ。
幸いなことに、兵士に気づかれなかった。みんな空ばかり見てるし・・・城壁は超えられないようだから、弓は射撃をやめたみたいだ。
そのうち魔物はあきらめたようで、落ちた魔物を抱えて飛び去っていった。
よかった。でも僕の服白いんだよね。すごく目立つよね。いくら空を警戒しているとしても、視界の片隅に白いのがちょろちょろしたら・・・やばい。
「開門! 矢の回収を急げー」
うわー、門があいて兵士たちができきたぞ。ますます動けなくなった・・・
もしかして、本物の悪魔の子がいたのかな・・・それで、魔物が出てくるようになったのかもしれない。下手に動けば、兵士に見つかりそうだし、逃げても今度は魔物に見つかっちゃうかもしれないよ・・・僕はやぶの中で固まるしかなかった。
弓を拾いに出た兵士達のあとから、数台の馬車が出てきた。こちらに向かってくるのもあるな。何台か過ぎていった。別の街に向かうのだろう。乗せてもらいたいけど、乗せてくれるわけないよな。最後の馬車が通り過ぎようとしていた。
そうか、最期の馬車なら後ろから近づけば前からなら見られないな。僕は意を決して藪から出て、馬車の後ろに走り寄り、しがみついた。荷台の後ろは幌が下されているが、荷台に乗るためのベンチのようなステップがついているところに乗れた。おお、後ろからは丸見えだけど、最期の馬車みたいだったから大丈夫だろう。これは楽だ。
馬車は街道沿いにどんどん進んでいった。
実は今、4作品同時に創作ちうです。
今夜実験的に、なろう系転生ものを、投稿しました。
今までにない、なろう小説を作ろうとしているのですが、難しいですね・・・
ブックマーク数が減ってしまってへこんでます。でも頑張ります。応援お願いします。




